今も「未来」が形成されていく
今年の夏の終わり、SKE48の「物語」について2つの記事を書きました。
8月24日に書いた「伝説のライブ」について。
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/08/blog-post_24.html
8月25日に書いた「夢と日常と」という記事。
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/08/blog-post_25.html
「伝説のライブ」では、「物語の喪失」と「非日常の喪失」を語りました。目指していた目標がもうなくなってしまったこと。「夢と日常」での過去の美化と、どんな夢を設定すれば良いのか、という問題を提起し、カミフレがSKE48の歴史をなぞりつつ、それを現在の技術で超えるという企画を提案しました。過去を超えるための新しい夢を作るアイディアが必要であるとも。
それから、9月1日に12周年公演フェスが発表されました。
「そうきたか」と、僕は膝を打ちました。
見事に新しい「未来」の創造を始めている。
「名古屋ドーム」という「未来」は2018年の10月に一気に離れてしまった感じがして、それからぽっかりと無くなった「未来」を見つけるための「日常」が続いていった気がします。大きな波が立つことは少なく、平和な日々が続いていく。
やがて、その「日常」も2020年の春からは失われ、もうSKE48というものがじわじわと弱っていくんじゃないか、と心配していました。
そこに来て、この12周年公演フェス。
あの頃夢見た「未来」は今の社会情勢では難しいかもしれません。
けれど、新しい「未来」を作るために、「歴史」と一度接続して、模倣ではなく新しい公演たちを作っていく。今いるメンバーたちで「歴史」を短期間で再構築していく。その中には、「歴史」への敬意も勿論あると思います。まるで、博物館で歴史の中で燦然と輝いたものたちを観ていくように、ゆっくりと一つ一つの公演を観ていく。ただ我々観客とは違って、メンバーたちは、展示物を取り出して身にまとい、なんなら振り回すことで、「歴史」の中に眠る何かを掴んでいくのだと思います。
いよいよ、2日後からの12周年公演フェス。
どんな「未来」が形成されていくか楽しみです。
いつかの「物語」とまたどこかで合流するのか、また違った「物語」が紡がれていくのか。これは、「13枚目の絵」という記事でも書きましたが、今いるメンバーだからしか描けない「未来」が待っていると思います。それは、大きいとか小さいじゃなく、「面白い、ワクワクする」が次のキーワードじゃないかな、と僕は思っています。
※30日間、記事を書く時によく聴いていたこの曲を貼ってお別れです。