センターの条件
先日、終電を逃してカラオケボックスに泊まりました。
歌う元気もないので、ぼんやりモニターを観ていると、あるアーティストの方のMVが流れていて、そこにはゆななこと、小畑優奈の姿がありました。
ああ、今はこういうこともやってるんだ。
笑顔もいいけど、今も眼差しが素敵だなあ、と思いながら目を閉じました。
2019年3月26日。
一人のメンバーがSKE48で最後の公演を終えました。
彼女の名前は、小畑優奈。
松井珠理奈・松井玲奈に続いてSKE48で単独センターを務めたSKE48の期待のホープでした。
このかおたんちゃんねるの動画を観ると、僅か4年間の活動だったんですね。
個人的には、彼女がいた7期とドラフト2期生で構成された通称「7D2」が「SKE48の新たなムーブメントを起こし、先輩や後輩との世代闘争!激しいセンター争いを繰り広げつつ、SKE外でも活躍していくに違いない!ワガンダフォーエバー!」と信じていただけに、まさかの卒業で衝撃だったんですが、この辺りは以前書いた「意外にマンゴー」についての記事を読んでいただければ幸いです。
※「意外にマンゴーの記事はこちら!」
さて、2019年3月26日までのゆななが居たSKE48と彼女が居なくなってからのSKE48。何が違うんでしょう?
彼女が居た時のSKE48に関しては、「もう一つの選択肢」があったことだと思います。しかも、「〇〇よりはマシ」ではなく、「ゆなななら任せられる」という信頼感がありました。周りのメンバーの声やファンの方々の支持率も高かったのではないでしょうか?また、総選挙の順位もキャリアを加味すれば上出来の順位だったと思います。
さらに、彼女に触発されて他のメンバーたちも輝いていく、という相乗効果。先ほどのかおたんちゃんねるの中でも水野愛理が泣いていましたが、いかに彼女にとって重要な存在だったかが分かります。他にも楽々や菅原といった多くのメンバーとのドラマもあります。
しかし、彼女は登りつめてしまったが為に、アイドルとしてやりきってしまったんですよね。卒業発表をした日のブログを読んでみましょう。
しかし、彼女は登りつめてしまったが為に、アイドルとしてやりきってしまったんですよね。卒業発表をした日のブログを読んでみましょう。
ただね。
彼女が卒業を発表してから、K2メンバーを中心に「アイドル」について書きました。
彼女が卒業を発表してから、K2メンバーを中心に「アイドル」について書きました。
まずは、2019年2月13日の江籠ちゃんのブログ。
間接的にですが、2019年2月13日のさきぽんのブログ。
ちゅりの2019年2月14日のブログ。
時間が前後して申し訳ないですが、卒業を聞いていた荒井さんのブログ。
※今回は割愛しますが、日高さんも「大好きな妹」というブログでゆななについて書いています。
彼女の卒業を通して、自分の活動やファンのとの関係についても考えるきっかけにになったのかもしれません。
思えば、ゆななは、卒業だけでなくセンターという位置に立つことで、周りに刺激を与え、刺激してきたのではないか、と思います。
そう、センターに居る人間は、ひょっとすると周りの成長やライバル心を促す人間がふさわしいのかも知れません。
たとえば、彼女と同期でもなければ、プレイべートでも関係はほとんどなかったのですが、物凄く刺激を受けたメンバーがいます。
それが古畑奈和です。
「意外にマンゴー」のセンターが発表された日のブログを読んでみましょう。
もうね、この日のブログ大好きなんですよ。
自分はセンターの選択肢から外されたのか?
いや、総選挙という別のルートから行って周りの評価を変えてやる、という熱い思いが伝わってきます。SKE48の歴史の中に連綿と流れる熱い思いが伝わってきます。
自分はセンターの選択肢から外されたのか?
いや、総選挙という別のルートから行って周りの評価を変えてやる、という熱い思いが伝わってきます。SKE48の歴史の中に連綿と流れる熱い思いが伝わってきます。
そして、同期の楽々のブログを読んでみましょう。
自分が選抜された日のことを思い出し、ゆななを含めて初選抜の人々を支えたいという思いが芽生えていきます。自分と同期のメンバーが選抜に入ってくれる嬉しさがあったのかもしれません。仲間との関係やドラマは12周年公演の時もそうですが、本当にSKE48っていいなあ、と思いますよね。
7期生のセンター抜擢からSKE48のセンターを2作連続で務めた実績は、様々な可能性を提示していきます。
そして、それまでの松井珠理奈が示してきたイズムとはまた違ったものを見せてくれたのではないか、と思います。
そして、それまでの松井珠理奈が示してきたイズムとはまた違ったものを見せてくれたのではないか、と思います。
完全に深読みですが、「無意識の色」のMVの0分28秒あたりのところで、「強き者よ」と「意外にマンゴー」の二つの衣装を見比べて、「マンゴー」の衣装を選ぶところは、新しいSKE48イズムの提唱にも見えるんですよね(奇しくも直後に珠理奈が『強き者よ』を着て踊っています)。
それは「ストロベリーパンチ」とはまた違う「陽」のイズム。「楽しい」という感じでしょうか。それまでのSKE48のアスリート的なものとは似ているようで少し違う感じが僕にはしました。珠理奈や玲奈、ちゅりから続く「本気」というイズムをバックボーンに、新しい何かが生まれた気がします。
ここまで書いてふと思ったんですが、メンバーへの刺激だけではなく、我々ファンにも刺激を与えていたんですよね。色々な可能性を巡らせることができるというのもセンターに大切なことなのかも知れません。変な言い方ですが、様々な料理の素材になれる魅力がある。シリアスもホラーもコメディも全部行ける。
ゆななに当てはめると、「意外にマンゴー」や「無意識の色」での王道アイドル感もそうですが、「誰かの耳」や「不協和音」での曲の世界への没入感、そういう拡張性の高さが彼女にあるんじゃないか、と思います。
話を戻すと、彼女が居たから彼女と近い期のメンバーも選抜やセンターに入って、時代を変えるという目標が出来ましたし、先輩メンバーたちもまだまだ負けてられないと燃えたのではないか、と思います。
そう考えると、小畑優奈は、SKE48にとっての救世主であり良い意味での「刺激」だったんでしょうね。2020年はコロナの影響でSKE48におけるシングルリリースの遅れで、「刺激」が少なくなりましたが、12周年公演フェスという新しい形の「刺激」がメンバー全員に対して成長や覚醒を促したのではないでしょうか?
彼女が持っている笑顔の明るさには、小学生の時にAKB48のセンターになった松井珠理奈の天性の頼もしさとも似ていると僕は考えています。生まれついての「ギフト」といいますかね。
それに対して、須田亜香里や古畑奈和が長年かけてセンターを「勝ち取ってきた」こと。彼女の抜擢があってこそ対比が際立つのではと思います。「もうベテランメンバーは選ばれないのか?」「いや、そんなことはない!」という熱いドラマもあります。待ってたぜ!というかね。勿論、この二人なら任せられるという安心感や頼もしさもあります。また、努力すれば結果を出し続ければ、センターを取れるし、年齢やキャリアは数字に過ぎないということの証明になったと思います。
どんなSKE48になるんだろう?
そういう想像力の幅がゆななに関しては広かったのかも知れません。
個人的には、IFの話になりますが、ゆなながSKE48に残って、そのままセンターだったら、「ソーユートコあるよね?」どんな風に表現するのかが凄く観てみたいです。勿論、卒業した後の今でも面白いと思います。アイドルから離れた彼女とも世界観を壊さずにできる曲なんじゃないかと思っています。こういうところも色々な可能性を感じさせるメンバーでした。
彼女の最後のブログを読んでみましょう。
彼女のために何かしてあげたい、そう思ったメンバーやスタッフの方、ファンの方が沢山いたんだなあ、とこのブログを読んでいると感じます。
この人の為に何かしたい、と思わせるのもセンターにとっての大事な条件かもしれません。
それは、珠理奈もそうですし、だーすーもそうですし、奈和ちゃんもそうですね。ひょっとしたら、次にセンターになるメンバーにも同じような思いをファンに抱かせてくれるメンバーがなるのかも知れません。
なんだか、ゆななのことを書こうと思っていたんですが、だんだんセンターについての話になってきました。
ゆななのことを考える時、センターについても考えることになるのかも知れませんね。
彼女は今、自分のブランドを作ってハンドメイドの作品を売ったり、youtubeで動画を沢山残したりしていますが、やはり演じること表すことに向いているなあ、と思うんですよね。他のアーディストの方のMVや商品の宣伝用の写真のモデルをしているところを見ると、誰かの視線を通して世界を表現できる貴重なメンバーだったんだと思います。
カラオケボックスのモニターに映った彼女の姿を見ながら、「頑張れ。元SKE48のセンターの力を存分に見せてくれ、残った同期や先輩たち、後輩たちも頑張ってるぞ。いつか、君に憧れて入ってくるメンバーがいるといいな」と思いながら、その日、僕は朝を待ちました。
小畑優奈というSKE48にとっての「希望」であり「刺激」は、彼女が次に選んだ世界にどんな変化をもたらすのでしょう?