12年と50年
先日、NHK制作の「証言ドキュメント 日本サッカーの50年」という全4回のドキュメンタリーを観ました。2010年制作の番組だったんですが、サッカーの知識がほとんどない僕には非常に勉強になる内容でしてね。
最初は「ボールを蹴って走るサッカー」だった日本が、技術を習得していき、Jリーグというプロリーグが生まれることでレベルがどんどん上がっていき、監督が変わりながら日本人にあった戦術を探りながらワールドカップに進んでいく過程が、本当に面白くてですね。
合わせて観た、同じくNHK制作の「ロストフの14秒」という2018年のロシアワールドカップをテーマにしたドキュメンタリーでオシム元日本人監督が指摘している日本人の特性と、トルシエ元日本代表監督が「日本のサッカー50年」で言っていたことが全く同じというのも、面白い発見でした。
話を「日本サッカーの50年」に話を戻すと、印象的な証言が3つありました。
1つ目は、元日本代表GKの川口能活選手が、1996年7月22日のアトランタオリンピックでのブラジル代表との対戦での勝利について語った言葉です。
「当時、ブラジルのA代表で活躍してる選手たちが、Jリーグでプレーしてたわけです。そこで、ブラジルのオリンピック代表。でも、日本のJリーグに来てるブラジルのA代表と比べたら、下だよなって思いでしたよね。まあ、勿論ブラジルのオリンピック代表は強いチームでしたけど。アトランタオリンピックの時のブラジル戦は臆することがなかったです」
当時のJリーグはお金があったんですね…(遠い目)。
当時のブラジル代表にはロナウドとかもいたんですが、普段からA代表クラスの選手たちにもまれていたことで、自信を持って挑むことが出来たんでしょうね。
2つ目は、元日本代表FWの中山雅史が、1998年の岡田ジャパンで2年5か月ぶりに日本代表に合流した時の言葉です。この時、彼はベテラン・中堅・若手でいうと、ベテランにあたる世代でした。
「僕にとっては凄くやりやすい環境というか。あの非常に、あの良い状態だったと思いますね。チーム状態は、なんとか俺もついて行きたい。どっちかというと、俺について来いじゃない。じゃあ、そいつらと共に戦っていこうと。融合したいな、とそっから俺もパワーをもらいたいな、なんか盗めるものがあったら盗みたいなと思っていましたね」
1998年当時、城彰二選手や中田英寿選手、川口能活選手という新世代が台頭し、ベテラン世代である中山選手たちとは違ったサッカーやコミュニケーションをしながら、ベテラン世代たちと良い関係を作っていたんですね。
3つ目は、元日本代表MFの中田英寿選手が2002年のトルシエジャパンから2006年のジーコジャパンを振り返って語った言葉です。
「2002年までに積み上げた、制約を受け時に自分たちが築きあげたものが土台にあって。初めて2006年ジーコの言う、個人個人のクリエイティブが出せるという、まあ、階段としてはなっていると思うんですけども。やっぱ最終的に気づいていったのは、階段をこう、経て行っていると思ったら、今度はだから2002年まで積み上げたものが、外されてそこに新しく2006年の時のクリエイティビティを出さなきゃいけないと思ってるチームだった。そういう感じになってしまっていた。本当はサッカー選手として、チームとして、築き上げるというものがあるべきだけど、まあ、変えてしまったという形だったのかな、と僕は思っています。ただ、僕はステップとしては、あそこが正解だとは思ってます。ただ、その、あのチーム。2006年のチームに関して言うと、それは正解ではなく。ちょっと早すぎたかなと」
発言の背景を補足しておくと、2002年のワールドカップの際のトルシエジャパンは非常に制約が多いチームだったんですね。プライベートの食事に至るまで。それに対してジーコジャパンはフィールドの選手の自主性にまかせたチームで、スター揃いの代表たちが暴れ回るのにぴったりですが、証言を集めて行くとDF陣と攻撃陣の意志が試合中に真逆だったこともあった」そうです。
さて、この2つの証言はこれからのSKE48を考えていく上でも非常に重要ではないかな、と思いましてね。
2021年の時点で日本のサッカーの歴史は60年を超えています。
SKE48の歴史は、12年。
成立して成長していくまでの歴史は違えど、勉強になる部分やあてはまる部分があるような気がします。
SKE48の場合、誕生した際には既にAKB48があり、W松井を始めとしたスタープレイヤーたちが、メディア仕事やAKB48の超選抜の中で活躍して、その刺激を劇場に持って帰ってくる。
また、劇場でSKE48は独自の成長をしていき、他の48グループやアイドルたちと交わった時に、刺激を受けて行きました。
2021年4月末現在の状況を考えると、AKB48で各グループのメンバーが揃って刺激を受けることや、総選挙などで世代やグループを越えたユニットが生まれることは少なくなりました。
SKE48のシングル選抜で歌番組に出る機会も減っています。
知名度がある松井珠理奈や高柳明音も卒業してしまいます。
一見すると、日本のサッカーの流れと逆の道を行っているように感じます。
しかし、本当にそうでしょうか?
まだ12年を経過しただけの全体ですし、細かく見て行くと様々な可能性が秘められている気がします。
まず、一つ目の言葉として挙げた川口選手にとってのブラジルA代表のようなメンバーがSKE48にはいます。
須田亜香里は、連日テレビバラエティに出続け、SKE48の入り口になっています。そんな彼女から後輩達、特にチームEの後輩たちは刺激を受けているのではないでしょうか?
また、大場美奈、山内鈴蘭といった個人でのメディア仕事が安定してあり、AKB48の全盛期を9期生として経験したメンバーたちが居ます。
さらに、AKB48との兼任経験があり、スタープレイヤーたちと共演してきた古畑奈和もいます。
外仕事の経験で言えば、谷真理佳というトリックスターもいます。
つまり、外仕事や他グループでの経験も豊富なA代表クラスのプレイヤーたちが各チームにまだまだいるわけです。
このメンバーたちと今の9~10期生の若手たちが一緒に仕事をしたり公演をする機会が増えていけば、SKE48の次の黄金時代はやってきやすくなるのではないか、と思います。
最初は「ボールを蹴って走るサッカー」だった日本が、技術を習得していき、Jリーグというプロリーグが生まれることでレベルがどんどん上がっていき、監督が変わりながら日本人にあった戦術を探りながらワールドカップに進んでいく過程が、本当に面白くてですね。
合わせて観た、同じくNHK制作の「ロストフの14秒」という2018年のロシアワールドカップをテーマにしたドキュメンタリーでオシム元日本人監督が指摘している日本人の特性と、トルシエ元日本代表監督が「日本のサッカー50年」で言っていたことが全く同じというのも、面白い発見でした。
話を「日本サッカーの50年」に話を戻すと、印象的な証言が3つありました。
1つ目は、元日本代表GKの川口能活選手が、1996年7月22日のアトランタオリンピックでのブラジル代表との対戦での勝利について語った言葉です。
「当時、ブラジルのA代表で活躍してる選手たちが、Jリーグでプレーしてたわけです。そこで、ブラジルのオリンピック代表。でも、日本のJリーグに来てるブラジルのA代表と比べたら、下だよなって思いでしたよね。まあ、勿論ブラジルのオリンピック代表は強いチームでしたけど。アトランタオリンピックの時のブラジル戦は臆することがなかったです」
当時のJリーグはお金があったんですね…(遠い目)。
当時のブラジル代表にはロナウドとかもいたんですが、普段からA代表クラスの選手たちにもまれていたことで、自信を持って挑むことが出来たんでしょうね。
2つ目は、元日本代表FWの中山雅史が、1998年の岡田ジャパンで2年5か月ぶりに日本代表に合流した時の言葉です。この時、彼はベテラン・中堅・若手でいうと、ベテランにあたる世代でした。
「僕にとっては凄くやりやすい環境というか。あの非常に、あの良い状態だったと思いますね。チーム状態は、なんとか俺もついて行きたい。どっちかというと、俺について来いじゃない。じゃあ、そいつらと共に戦っていこうと。融合したいな、とそっから俺もパワーをもらいたいな、なんか盗めるものがあったら盗みたいなと思っていましたね」
1998年当時、城彰二選手や中田英寿選手、川口能活選手という新世代が台頭し、ベテラン世代である中山選手たちとは違ったサッカーやコミュニケーションをしながら、ベテラン世代たちと良い関係を作っていたんですね。
3つ目は、元日本代表MFの中田英寿選手が2002年のトルシエジャパンから2006年のジーコジャパンを振り返って語った言葉です。
「2002年までに積み上げた、制約を受け時に自分たちが築きあげたものが土台にあって。初めて2006年ジーコの言う、個人個人のクリエイティブが出せるという、まあ、階段としてはなっていると思うんですけども。やっぱ最終的に気づいていったのは、階段をこう、経て行っていると思ったら、今度はだから2002年まで積み上げたものが、外されてそこに新しく2006年の時のクリエイティビティを出さなきゃいけないと思ってるチームだった。そういう感じになってしまっていた。本当はサッカー選手として、チームとして、築き上げるというものがあるべきだけど、まあ、変えてしまったという形だったのかな、と僕は思っています。ただ、僕はステップとしては、あそこが正解だとは思ってます。ただ、その、あのチーム。2006年のチームに関して言うと、それは正解ではなく。ちょっと早すぎたかなと」
発言の背景を補足しておくと、2002年のワールドカップの際のトルシエジャパンは非常に制約が多いチームだったんですね。プライベートの食事に至るまで。それに対してジーコジャパンはフィールドの選手の自主性にまかせたチームで、スター揃いの代表たちが暴れ回るのにぴったりですが、証言を集めて行くとDF陣と攻撃陣の意志が試合中に真逆だったこともあった」そうです。
さて、この2つの証言はこれからのSKE48を考えていく上でも非常に重要ではないかな、と思いましてね。
2021年の時点で日本のサッカーの歴史は60年を超えています。
SKE48の歴史は、12年。
成立して成長していくまでの歴史は違えど、勉強になる部分やあてはまる部分があるような気がします。
SKE48の場合、誕生した際には既にAKB48があり、W松井を始めとしたスタープレイヤーたちが、メディア仕事やAKB48の超選抜の中で活躍して、その刺激を劇場に持って帰ってくる。
また、劇場でSKE48は独自の成長をしていき、他の48グループやアイドルたちと交わった時に、刺激を受けて行きました。
2021年4月末現在の状況を考えると、AKB48で各グループのメンバーが揃って刺激を受けることや、総選挙などで世代やグループを越えたユニットが生まれることは少なくなりました。
SKE48のシングル選抜で歌番組に出る機会も減っています。
知名度がある松井珠理奈や高柳明音も卒業してしまいます。
一見すると、日本のサッカーの流れと逆の道を行っているように感じます。
しかし、本当にそうでしょうか?
まだ12年を経過しただけの全体ですし、細かく見て行くと様々な可能性が秘められている気がします。
まず、一つ目の言葉として挙げた川口選手にとってのブラジルA代表のようなメンバーがSKE48にはいます。
須田亜香里は、連日テレビバラエティに出続け、SKE48の入り口になっています。そんな彼女から後輩達、特にチームEの後輩たちは刺激を受けているのではないでしょうか?
また、大場美奈、山内鈴蘭といった個人でのメディア仕事が安定してあり、AKB48の全盛期を9期生として経験したメンバーたちが居ます。
さらに、AKB48との兼任経験があり、スタープレイヤーたちと共演してきた古畑奈和もいます。
外仕事の経験で言えば、谷真理佳というトリックスターもいます。
つまり、外仕事や他グループでの経験も豊富なA代表クラスのプレイヤーたちが各チームにまだまだいるわけです。
このメンバーたちと今の9~10期生の若手たちが一緒に仕事をしたり公演をする機会が増えていけば、SKE48の次の黄金時代はやってきやすくなるのではないか、と思います。
次に中山選手が証言した「ついて来い」ではなく「共に戦いたい」と思わせるような新世代の台頭についてです。
すぐに頭に思い浮かんだのは、7D2が台頭してきた時でした。
まだまだ未完成のところもありましたが、小畑優奈がソロコンサートで全グループの曲を歌い、センターになっていくところは痛快でもありましたし、この子だったら新しいSKE48の形を見せてくれるのではという期待がありました。他にも「前のめり」や「シュートサイン」を飛び級で選抜入りした後藤楽々、ドラフトでの競合を乗り越え獲得した水野愛理、歌唱力抜群の野島樺乃、ゆりあとのドラマがある浅井裕華、自由な発想力を持った白井琴望を始めとした様々な可能性を秘めたメンバーたちが居ました。
今、彼女たちは中堅のポジションになっていますが、今、在籍しているメンバーにも7D2勢も魅力的です。
現在の新世代の9期生や10期生たちにも魅力的なメンバーが居ます。
彼女たちが僕らに新しい可能性を見せてくれるのか。それとも、いつかやってくる11期生の中にそのメンバーはいるんでしょうか。
いずれにせよ、彼女たちの魅力を拡大していくための機会は必要だと思います。
荒井優希も未来の世代への可能性を感じていましたね。
荒井優希 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
最後に、中田英寿選手が語った、積み上げてきたスタイルを変えることについてです。
SKE48の全力でダンスや仕事に取り組んでいくという、基本的なスタイルはこれからも変えて欲しくないな、と個人的に思っています。もっというと、AKB48という先輩たちの背中に追いつき追い越すために、AKB48とは違うアプローチで挑んだことで個性が生まれたように、環境で生き残る為に必要なアプローチから新しい個性が生まれてきて欲しいなと思います。
卒業していく珠理奈やちゅりからのバトンを受け継いだ先に何が生まれるのか、まだ誰にも分かりません。
しかし、偉大な先輩たちが居なくなる「不安」の先に希望を見つけているメンバーもいます。
SKE48!く( ̄(工) ̄)っま | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
「恋落ちフラグ」や「Change Your World」での熊ちゃんのポジションや活躍をみていると、「不安」の先の「楽しい」が見え始めているのかも知れません。奇しくも同じ6期生の井田さんも「不安」の先に「楽しい」を見据えていましたね。
《井田玲音名》 今後のSKE48 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
また、その「不安」を乗り越えるために何をしていくべきか、筋道が見え始めているメンバーもいます。
今後のSKE。 川嶋美晴❁︎ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
先輩たちを超えるストイックな努力。
SKEが好きだからこそ、その言葉の重さが分かる発言ですね。
さて、話を戻すと、上記の3つの証言をヒントにSKE48の直近の未来について考えると、どんどんトッププレイヤーたちと仕事をしながら、新世代の台頭を促し、これまで築き上げてきたものを上手く残して次のステップに行く、というめちゃくちゃ当たり前のことになりました。
しかし、今のSKE48のチーム単位で考えると、上記の3つ全てを満たせているかというと、少しだけ疑問があります。特に珠理奈ちゅりというメンバーたちが居なくなることを考えれば、チームの組閣や研究生の昇格といった刺激が必要な気もしています。特にチームSとチームK2は、チームカラーを作ってきたメンバーの卒業ですので、考え方を変えると新しい色を加えるチャンスかも知れません。凄い妄想で申し訳ないんですが、須田チームSとかスゴイ観たいんですけどね。
組閣まで行かなくても公演曲を変えるだけで、メンバーたちが吸収するものが変わるので、ゴールデンウィークのシャッフル公演がその兆しではないかと予想しています。
変わるタイミングは今だ、とみなるんも予想していますね。
〈 大場 美奈 〉 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
次の選抜がどんなもので、これからそれぞれの世代がどんなSKE48を作っていくのか。
ひょっとすると、始めは沈んだ状態から始まるかも知れません。
それでも、1期生が大量卒業した時も、松井玲奈が卒業した時も、宮澤佐江や大矢真那や柴田阿弥、そして、小畑優奈が卒業した時もSKE48は終わりませんでした。
だから、もう一度、新しいSKE48を作っていけると信じています。
先輩たちから受け取ったバトンを落とさずに、新しい走り方で。
最後に僕がこの記事を書くきっかけになったブログを貼って終わります。
ついに明日から(ma¯﹀¯ya) | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
「大丈夫な未来」、まだまだ思い浮かびます。
皆さんはどうでしょう?