役に立たない美しいもの
2021年11月22日、この「栄、覚えて行くれ」という弱小ブログがついに3周年を迎えました。めでたい!
同じく、2021年11月22日に、僕の大好きなバンドドレスコードの曲がyoutubeの公式チャンネルにアップされました。
「不要不急」という曲です。ちょっと聴いてみましょう。
名盤「バイエル」に収められている1曲です。
僕はこの曲が好きで、よく一人ぼっちで夜に散歩する時に歌っていました。
曲中で歌われているのは、社会から求められていないかもしれないし、すぐに必要ではないかもしれない、けれど、とても美しいものと時間があるという曲だと僕は解釈しています。
思えば、このブログも何の役にも立たないし、誰かに頼まれて書いているわけでもありません。だいたい長いのですぐに読めるものでもないです。
でも、大好きな48グループの曲について書いている時、魅力的なメンバーについて書いている時、すっごく楽しいんです。もし、それを読んで誰かも同じように楽しくなったり、心が震えてくれたら、ちょっと面倒かも知れませんが、じっくり読んでくれたら、もっと嬉しいです。
批評家の小林秀雄と数学者の岡潔の対談が収められた「人間の建設」という対談集を今日読みました。その中で数学者の岡が「正倉院展を3時間ほど観た後に、外へ出ると周辺の松のいい枝ぶりに気づいた。それまではいい松は滅多にないと思っていたのに」という体験を語ります。正倉院に所蔵された国宝たち、岡の言葉を借りるなら「丹念に長い間取り扱ってきたもの」を観ることで、余計なものが消えて「ほしいものに気づけた」そうです(この場合は松ですね)。
この1年、ブログを書く時にアイドルとは関係ない分野の思想や物事を持ってきて、繋ぎ合わせる試みを何度もしました。それは、引用した方が自分の考えの解像度が上がるということもあるんですが、上記の「ほしいものに気づけた」経験が沢山あったからです。僕のブログも同じように誰かの「ほしいもの」に気づくきっかけになっていると嬉しいです。
メイキング的なことを書くと、この1年は試行錯誤の1年だったかと思います。
2年目から導入したnoteのラジオ機能による「ラジオ配信」、フォロワーの方との「雑談」企画(楽しかったので、また連休とかにやってみたいです)、皆さんの体験を集める「体験企画」。閲覧数でいえば、「体験企画」は色々なファンの方の体験が聞けて、民俗学のフィールドワークのようで、凄く楽しかったです。とっておきのエピソードを語ってくださった沢山の方々に感謝です。ただ、この企画、集まる時は集まるんですが、集まらない時は清々しいくらい集まらないんですよね。この課題をどうクリアーするかですね。
課題といえば、「Aというメンバーについて書きました」という記事があった時、Aファンの方は読んでくださるんですが、翌週に「Bというメンバーについて書きました」と書いた時は、Aというメンバーのファンの方は、ほとんど読んでもらえていない、という課題があります(あくまでSNSへの『いいね』や『リツイート』の反応からしか分かりませんが)。
もっと横断的に読んでもらうには、どうしたら良いのかというのかを最近は考えています。
この答えは2022年に形にしようと思うのでお楽しみに。
2022年といえば、noteの方で連載している「2022年への相談シリーズ」で書いているんですが、一人のファンがどれだけのモノを作ることができるのか、という勝負になってくるかと思います。その時に、味方になってくれたら嬉しいです。
味方といえば、書き始めた時からブログを読んでくださっている方も、今日、読み始めた方も、皆さんありがとうございます。いつもSNSに「いいね」や「リツイート」してくださる方々もありがとうございます。コメントまでくださる方々もありがとうございます。「面白かった」の一言だけでも書いている当人としては、物凄く励みになっています。
また、noteでサポート機能を使ってくださった方も本当に感謝しています。全部2022年の勝負で使うつもりです。
そして、3年目も面白い記事やちょっとだけ価値観が変わる記事を書いていきたいと思っています。面倒なことばかりですが、これからもつきあってくださったら嬉しいです。