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2021年1月29日金曜日

少女レイ

 思い出に逆行していきながら


 生きて行く中で、あの時こうしておけばという瞬間が沢山あります。
 そして、それはずっと残らずに心の中で再生されていく。
 今回は、加藤結さんの動画の「少女レイ」を観て行きましょう。
 2021年1月29日現在、4本アップされている「歌ってみた動画」の中で僕は一番好きな曲です。



 まず、この曲の南国を思わせるリズムやセミの鳴き声と、明るい曲調が凄く聴き心地が良いですね。そして、それとは真逆な歌詞の世界。
 
 曲の始まりから、登場人物が踏切へと飛び込むシーンというのがとても衝撃的で、このシーンで「君」は死んでしまいまったのではと思います。
 そして、歌詞の「フラッシュバック」にある通り、どんどん思い出が甦ってきます。
 「二度と帰らぬ君」、「永遠に千切れてく」、「夏が消し去った」、何度も死を連想させる言葉が羅列されていきます。
 
 で、2番の歌詞で、なんとも心をえぐられましてね。
 机に花瓶を置くいじめがあって、このいじめを仕掛けたのが「僕」で、「君」には「僕」の助けが必要なんだ、というシチュエーションを作ろうとしています。
 いやあ、この人間の醜い業というか、共依存のようなものが凄く苦手でしてね。
 何故苦手かというと、この曲の世界では友人同士ですが、恋人との関係におきかえると悲しいですが、少し共感できてしまうんですよね。そういう手をしか思いつかない「僕」の幼さも含めて、とても恥ずかしくなるので、苦手です。
 「仕掛けたのは僕だった」で音が止まるところもゾッとしますね。
 
 さて、この曲の中で「君」は「透明」な状態になってしまいます。
 この「透明」を「死」と考えるならば、「透き通った世界で愛し合えたら」は、自分も死んだらという読み解き方が見えてきます。
 この場合、「僕」が最初のシーンで踏切に飛び込んで、「君」は夏の教室で「切り裂くような悲鳴」を上げて命を絶った可能性もありますが、解釈が分かれそうです。

 最後の透明な君が僕を指さすというのは、罪悪感の表れにも読み取れます。
 なんとも悲しい世界観で僕は、とても好きな曲です。

 普段、ボカロ曲を聴かないので、こういう形で触れることが出来るのが、かとゆいの「歌ってみた」配信の良いところですね。
 
 今回の見所としては、最後にどう反応したらいいのか、照れたような表情になるのが良いですね。
 彼女が持っている明るい雰囲気と少し困ったような笑顔が、悲しみや怒りをはらんだ曲の世界ともあっているのでは、と思います。でも、次はハッピーな曲が来ても良いと思います。「チュンチュンワールド」とか。



 麻雀はあまり知りませんが、「中」は「ちゅん」と読むらしくて、僕はあの牌を映画とかでみる度に頭の中でメロディが流れます(超どうでも良い情報)。

 SKE48を辞めて新たなスタートを始めたかとゆい。
 こういう時こそ、再生回数を回して、「ちゃんと聴いている人はいるぞ、まずは収益化だ」とよくこの曲を聴いています。
 これまでの人生を含めて、凄く魅力的で応援したくなる人なので、どうか、これからも表現を続けられるように彼女の場所をみんなで確立していければ良いなと思っています。

 個人的には、前も書きましたが、「君に晴れ」が聴きたいですね。
 かとゆいや早香先生の世界と凄く合いそうな気がします。
 
 

※「秒針を噛む」の感想はこちら!

2021年1月27日水曜日

覚えていてくれシネマズ 10期映画祭編

 10期映画祭編

※初めて読まれる方は、「覚えていてくれシネマズ 8期配給編」を読んでおくと、更に楽しめるとか楽しめないとか。

https://oboeteitekure.blogspot.com/2021/01/blog-post_11.html




 俺が仕事を失ったのは、今年の始めだった。
 働いていた映画館に、あるぬいぐるみを地球の98、8パーセントの量、部下が注文した。
 なんとか、ぬいぐるみを劇場の至るところに配置し、お客さんを入れたところでフロアの床が全て抜けた。
 あの大惨事を事務所の16枚のモニターから、俺は別々の角度で見ていた。
 下のフロアは不幸中の幸いか、水族館の大型水槽だったので、死者は出ずに済んだが、賠償責任により俺は映画館を懲戒解雇され、多額の借金を背負った。
 社会復帰するために、いくら面接を受けても「あ、あの覚えていてくれシネマズの支配人だ」と、と死神扱いされて就職することも叶わなかった。
 毎日、かかってくる電話に怯えながら、俺は工事現場の日雇い仕事を続けていた。
 

 そういえば、あの「栄」という男は何をしているのか。
 俺と一緒にある商品を盛り上げようと映画館に大量注文した男だ。

 最後に観た時は体にダイナマイトを巻き付けて、こちらを振り返って笑うと、闇の中に消えていった。爆発はしなかったので、多分、どこかで生きているのだろう。
 

 それから、俺は都会を離れて地方のミニシアターに転職が決まった。
 スクリーンは僅かに二つだが、良質な作品を上映することが多く、常連客の若者や老人も多い、地方密着型のミニシアターだ。
 支配人は俺より年下だが、とても尊敬の念を持って接してくれた。
 よくどの作品を次回上映するか、ということや、スクリーンの効率的な上映スケジュールの組み方を聞いてくれた。
 そして、今回は関西のある映画祭に行くことをお願いされた。
 ミニシアターの良いところとして、大手の配給会社とのしがらみが少なく、自分が上映したい映画をかけやすいというところがある。今回映画祭に参加したのは、いくつか上映される作品の中から良質な作品の上映権を獲得しようということだ。そこで、俺を選んでくれたのがありがたい。
 

 映画祭がある映画館はショッピングモールの中にあった。
 いくつもの映画館にまたがる映画祭も地方では多いが、今回は一つの劇場で順番に作品がかけられ、最終的にグランプリが決まる。いわゆる、審査上映も兼ねているので、観客の質も高い。
 俺は、自分が働く劇場の視察証を見せて、名前と連絡先を書く。一般参加の場合は、料金を払う必要があるのだが、無料で済む。
 受付を終え、俺は該当するシアターに入る。
 

 映画祭にしては、客席数が多そうなシアターで、おそらくM列ぐらいまであるんじゃないか。だいたい、審査員が後ろの方に座ることが多い。俺も後ろから2列目あたりに座る。客席には、やけに華のある人が座っている。こういう場合、映画の出演者のことが多い。映画祭あるあるだ。荷物を置いて、上映を待つ。
 ふと、シアターの入り口から不審な男が入ってきた。恰好はスーツ姿だが、丁度、ひらがなの「し」を逆さにしたような体制で、あきらかに自分の靴のつま先しか見ていないかのような曲がり具合だった。男は入り口から一番近い席に座った。
 まさか、あいつ、「栄」じゃないか!
 やつれているが、確かに面影がある。
 確かめようとしたところで、上映が始まった。


 作品は5分のショートフィルムもあれば、60分の作品もあった。
 すべての上映が終わり、シアターが明るくなった。
 良い作品を観た後は、この明るくなるのが恨めしい時もある。
 これから審査員による会議が始まる。
 この間、観客は過去の受賞作を見て待つか、一旦劇場を出て食事などをして待つか選べる劇場が多い。
 ふと、栄の方を見ると、もう座席にいない。
 俺は荷物をまとめるとシアターを出た。
 

 劇場のロビーに出ても、栄の姿は無い。
 どこだ。一旦、劇場を出る。
 同じ階のショッピングモールを歩き回ってみたが姿は無い。
 仕方なく、一旦、外に出ることにした。
 もうすぐ、春が来るかというのに、吹く風は寒く、木々に彩りは無かった。空は雲に覆われ、時々日差しが差す。
 その彩りのまだ無い木が等間隔に植えられていて、下にベンチが置かれてた。
 ベンチから少し右手に離れて歩行者用の通路と車道がある。
 道行く人々は、きっとこの木々やベンチに座る人々の姿を見て、季節の変化を楽しむのかも知れない。だが、いくつか並んだベンチの3つ目に、全ての季節を止めたような顔の男が座っていた。
 栄だ。
 ゆっくり動いていく影が栄の背中に差した光を消していく

 俺は駆け寄ると、「うぃ、久しぶり」と声をかけた。
 栄は暫く黙って俺の顔を見た後、ゆっくり会釈した。

 「すいません」
 それが久しぶりに聞いた声だった。
 ずいぶん、かすれている。
 「いいよ。俺のことはなんとかなってる。それより、お前は何してる?」
 「無職です」
 「えっ、あれから大分だったよな?大丈夫か?」
 「大丈夫じゃないです。あの、映画の話しません?さっき観た。僕、今、映画の話してるぐらいしか楽しいことが無いんです」
 栄の眼は俺の方ではなく、もっと彼岸にある何かを見ているようだった。

 

 「そうだなあ」
 俺は鞄から映画祭のリーフを出す。
 このリーフに上映スケジュールや監督や出演者のプロフィールが書かれている。
 「まずは、じゃあ、この作品だな『コード301 真実をかけた戦い』」
 「いやあ、びっくりしましたね」
 急に栄の声に生気が宿る、やはり、この男は映画が好きなんだろう。
 「だいたい、映画祭の1作目ってある程度、安定感のあるものを持ってくることが多いじゃないですか。この林美澪監督は、既に黒真珠映画祭にノミネートされてますよね。だから、結構見る目が厳しくなるんですけど、かなり、期待が持てますね」
 「うん、こっちが想像以上に力強い表現に目が行った。笑顔と真剣な表情のギャップにやられる観客は多いんじゃないかな?」
 「噂によると、ただ表現力があるだけではなく、過去の作品のフリ起こしを70作以上してるらしくて、こういう努力家な面も知名度と一緒に知られて欲しい監督ですね」
 「なるほどな、『みれい』という名前と数字の語呂合わせも色々出来そうだな」
 「お子さんが生まれたら名前を数字にして、あだ名を日本語にするのもいいですね?」
 「なんで囚人みたいに子供を番号で呼ばなきゃいけないんだよ!BOOWYの『DREAMIN‘』か!!夢を持ってるやつらへ子供の名前捧げないんだよ!」
 

 「次は、『かわいいたのちいサーモンハンティング』ですね」
 「いやあ、映画祭の楽しいところって、こういう自分が準備してない感動に立ちあえるところだよな」
 「えっ、感動するとこありました?西井美桜監督の作品、初めて観ましたけど、愉快なとろサーモン映画でしたけど」
 「そんな映画のジャンル初めて聴いたよ。主人公の女の子が大阪から一人で名古屋に出てきて、一人暮らしを始める。そして、机もないから床にご飯の皿を置いて食べるところとか、俺は凄く共感したよ。俺もあったあった、ガンバレって」
 「僕は親の脛をかみ砕くように実家ぐらしなんで、分からないですね」
 「本当、映画『葛城事件』みたいなことだけは起こさないで欲しいよ。それはさておき、お母さまが大阪から出てくるところなんて、俺は泣いちゃったよ」
 「僕はレオナルド、ミケランジェロ、ドナテロ、ラファエロと仲良く暮らしてるんで、あんまり」
 「なんで全員奇跡的に忍者タートルズの名前と同じなんだよ。でも、ワンシーンワンシーン、実家から離れた娘を応援したくなるような、本当に良い作品だったよ。少しずつ変化を楽しんでいける凄く良い作品だった」


 「次は、『 ドキュメンタリーオブ歩南 奇跡のAtoZ』ですね」
 「うん、杉山歩南監督は、よく林美澪監督の作品と映画祭で同時にかけられることが多いけど、まず、歩南監督作単体で観ると、王道映画が似合う監督なんだよな。過去作のリブートもしてるけど、『雨の動物園』や『ガラスのI LOVE YOU』を勉強の為に確認してみると、『ガラス』の方がしっくりと来る気もしたよ」
 「この作品では、主人公の姿を映しつつも要所要所で友人の証言で話が進んでいき、等身大の歩南監督の姿が見えてきますね。エンディングで流れた野菜の歌も素敵でした」
 「うん、これからどんな感じで作品を展開していくか未知数だけど、作品を観に来たお客さんとのフィードバックも頻繁にしていて、徐々に関係が強まっていく気がするね」
 「現役の中学生の何気ない日常を教室の隅から見てる気分になりますね。地縛霊として」
 「教室を『事故物件』にするな。住むな。出ていけ!」


 「次は、『みくるんとテロルン』ですね」
 「急に趣味に走ってないか?元ネタの映画、確か、上映だけでソフト化されない映画だったよな」
 「まあまあ、2年連続作者のベスト1だったんで、ぶっこみたかったんでしょう」
 「いやあ、今回映画祭に来てみて良かったのが、こういう発見があるところでさ。俺の中では色白の監督ぐらいのイメージしかなかったんだけど、尊敬する江籠監督とのストーリーとか、これから面白そうだし、未経験の要素が多いだけにこれからどこが変化していくか、それを観て行くのが凄く楽しそうな監督だよね」
 「はい、僕は監督のブログの載せている服が色彩豊かで、開く度に今日は何色かなっていう楽しみもありますね。黒も似合いますけど、僕は赤が新鮮でした」
 「俺は少しのんびりした感じの作風が落ち着くから、もし、周りが急にスピードを上げてきても、順番とか関係なく自分のペースでやって欲しい感じだね」
 「僕たちも時代の最後尾を走ってますからね」
 「もう、お前は周回遅れだけどな!」

 

 「あっ、ここでトイレ休憩入ったんですね」
 「うん、映画祭は3作品とか4作品ぶっ通しで上映して、トイレ休憩が多い」
 「で、トイレ帰りに観に来てた俳優さんにばったり会うと、不思議な気分になることがありますね。あれ、さっきまでスクリーンの中に居た人だって」
 「次は、そんなスクリーンに愛された監督、澤田奏音さんの『日曜日のラジオ』です」
 「いやあ、俺は個人的にこの監督が最優秀賞だわ」
 「えっ、僕は顔が作者の母親に似てるっていう理由であまりチェックしてなかったですよ」
 「いや、作者の超どうでもいい理由はいいんだよ。まず、監督自体のスペックというか才能が凄くて、自分で主演・キャスティング・企画・作詞作曲・撮影まで出来るんだよ」
 「これで自分でケータリングまで作り始めたら、マジでジャッキー・チェンですね」
 「うん、ちょっと若手でここまで多彩な監督は久しぶりなんじゃないかな。他の監督を巻き込んで作品作りをしていくことで、違う監督のファンに作品を知ってもらうことも出来ているし、歌やお芝居の経験もきちんと活かせている」
 「僕は監督のお団子ヘアーが凄く発見でしたね。あと『シンデレラは騙されない』が凄く似合う。作品自体も日本全国の食を求めて旅するロードムービーなんですが、彼女はひょっとすると、外に出ることで更に進化していくかも知れませんね」
 「個人的には、松村香織監督が、ぐぐたすをハックし、白井琴望監督がshowroomをハックしたように、彼女も今あるプラットフォームの中で一番彼女の才能を活かせるものを見つけた時に、一気に跳ねる可能性があると俺は思ってるよ」
 「僕らも穴を掘ってまた穴を埋めるアプリ作りましょう」
 「ナチスの収容所じゃねえか!なんで、スマホの中にアウシュビッツを作らなきゃいけないんだよ。毎日、シンドラー気分じゃねえか!」


 「次は、石塚美月監督の『100枚の手紙』ですね」
 「これはクラウドファンディングで制作された映画で監督と支援者の人達との間でのリターンが注目されたな」
 「人を動かそうと思った時に、まず相手に自分が関わるとどうなるかな、と想像させるっていうのが重要だと思うんですが、それがしっかりと出来てるんですよね。『禁じられたふたり』はどんな作品が出来るんだろうとか」
 「うん、監督独自の100通のメールというのは、事前準備がしっかりしてたら金額以上の宝になる気がする」
 「伊藤監督との共作もあるんで、この二人のストーリーも面白くなりそうですね。あと、この作品は本来の尺は凄く長くてディレクターカット版も出したいみたいですね」
 「ハロウィンのコスプレぐらいから、色々なコスチュームが映える人だな、と感じた。個人的には、モデル仕事とか来て欲しい監督でもある。美肌だし、帽子とかも似合いそうだよ。直接観られなかったけど、10月に公開された『檸檬の頃』も観たかったなあ」
 「あの頃、僕らは『鬼滅』前の準備で死にかけてましたからね」
 「俺らは鬼と一緒にコンコロリンされたけどな!」


 「次は伊藤実希監督の『IT それが見えたらミキミキ』です。こちらもクラウドファンディング作品ですね」
 「いやあ、ホラー映画かと思ったら、スポーツ少女の物語とはね」
 「多分、作者が他の映画のタイトルを引っ張ってこれなかったんでしょうね」
 「俺としては、北川綾巴監督のリブートが決定した時のエピソードが凄く好きでさ。心情の流れが凄く丁寧だし、必死にもがく姿が凄く良かった」
 「クラウドファンディングの個人公約の料理も、一緒に頑張ってくれた支援者の癒しになりそうですね。悔しい思いをした分だけ大きくなれる型と自己分析していましたが、彼女にも様々なストーリーがこれから降り注ぎそうですね」
 「『木立に朝もや』の続きが見られるといいな」
 「だいだい、僕はこの後の歌詞を忘れて、『どこまでもあなた』に飛びがちです」


 「最後は青木莉華監督の『NANDEYANEN』ですね。僕的にはこれが最優秀賞です」
 「いやあ、ギャスパーノエ監督の『クライマックス』を思い出す、アシッドムービーだったな」
 「僕はあのメロディが頭から離れなくなりましたからね。そこからどんどん青木監督への興味が湧いてきましたよ。今年、新成人というのが吉と出るか凶と出るかは仕事次第ですかね。僕としては『綺麗なお姉さん』という言葉が似合う監督です」
 「お前、今年38だろ。個人的にはサイリウムカラーが紫と白という中西優香監督を思い出させる配色がにくいね」
 「既に個人仕事も来ていますが、大阪のめんどくさい女に立候補するぐらい愉快な監督でもありますよね」
 「うん、『恋落ちフラグ』で全体に合流した時、どんな先輩監督とシンメトリーになると映えるかを一番想像させてくれたのはこの監督だったよ」
 

 時計を見ると、そろそろ審査結果が出る頃だった。
 俺が立ち上がるそぶりを見せても、栄は立たない。
 「結果観に行かないのか?」
 「うう、行っても意味ないですよ」
 そういうと、栄は一枚のチラシを鞄の中から出した。
 そこには「早香シスト」のキービジュアルとタイトルが印刷されていた。
 「それは、公開延期になったホラー映画」
 「ええ、試写で観客が叫びながら死んだという幻の作品です」
 たまに、映画館の客席で声を思わず上げる人がいるが、その度に「えっ、漏らしたの?」と心配になるのは俺だけだろうか。
 「監督の五十嵐早香監督は、これまでの映画界には居なかった才能でした。食への描写、ホラー描写、そして、別れの描写」 
 「確かに、一度目の木内さんとの別れが風景描写中心でそれだけで悲しみを伝えているのに対して、二度目の加藤さんとの別れは抽象表現に後半は置き換えて悲しみを表現してみせているな」
 「ええ、それだけじゃありません。『平手友梨奈』に似ていると外のファンからは言われますが、キレイもカッコいいもどちらも行けそうな魅力と国際的に作品を届けられそうな素養もあります」
 「まあ、今回の公開延期は仕方ないよ…」
 「僕、自殺しようとしたんです」
 背中のあたりが急に寒くなった。
 「葬式もEX早割で予約して」
 「早割あんの?」
 「それから、死のうとしたんです。薬を一気に飲んで」
 再び、背中に寒気が走る。
 「睡眠薬とかか?」
 「ニンニク卵黄です」
 「めちゃくちゃ元気になるじゃん!」
 「戒名もチャッピーかコロンか迷ってるんですよ」
 「なんで犬につけそうな名前にしたんだよ!!」
 「死ねなくて、こうして映画をまた観にきました」
 自殺の経緯と方法が馬鹿すぎるが、死ねなかったんだろう。

 「お前さ、五十嵐作品って何が魅力だと思う?」
 「えっ、構成力とか文章力ですかね?」

 「俺はさ、いつも『生』と接続しているところだと思うよ。ホラーって、怖さの近くに『死』があるわけじゃん。観てる人間は『ああ、これが現実じゃなくてよかった』とか、『あれは怖かったなあ。もうちょっとで死ぬとこだった』って自分の『生』を実感するだろ?」
 「はい」
 「そして、五十嵐作品は『食』という『生』に直接つながるものを丁寧に描く。食べ物に興味がなかったお前が、食べ物の写真を撮ってアップするようになったのも早香さんの影響だろう」

 いつの間にか、栄は俯いて泣き始めていた。
 「あの話の続きが…僕は読みたい…」
 「なら、生きるしかねえな」
 「でも、もうしんどくて」
 「はあ、あのさ。俺の権力なんか皆無だけどな。俺が働いてるミニシアターのさ、支配人に紹介してやるよ。受かるかは分からないけどな」
 「うう、ありがとうございます」
 「気にすんな。俺たちは、いつでも全力」
 「うう…。前のめり」

 少しだけ暖かい日差しが、枯れた木に差し込んできた。

 劇終


※「10期生五十嵐早香のブログは何故面白いのか?」の記事はこちら!

https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/03/blog-post_21.html

2021年1月26日火曜日

1月のnote更新

 1月のnote更新


 私的なことを書くnoteの1月分のまとめです。
 今月は結構書きましたね。
 サポートをくださった方々、本当にありがとうございます。

① 2021年1月14日

 まず、僕が今、一番お勧めの漫才師、金属バットに関する記事です。
 いやあ、こんなに好きなのはオードリー以来です。

https://note.com/oboeteitekure913/n/n58163b141bc5


② 2021年1月16日「それでも続けることについて」

 そして、STU48の兵頭葵さんについての記事ですね。

 丁度、誕生日近くだったはずです。
https://note.com/oboeteitekure913/n/nd3e1f99ef634


③ 2021年1月22日「once again」

 僕がもう色々とダメになってしまった「once again」。
 冗談抜きで、ああ、死ぬなと思った3日間でした。
https://note.com/oboeteitekure913/n/nb78685d41b4e

 

④ 2021年1月22日「おすすめの本「アイドル生活10年やってわかった “わたしが主人公”として生き抜く方法」

 今月は、本に関する記事が少なかったんですが、元NMB48でyoutuberの吉田朱里さんの著作に関する記事ですね。凄い面白かった。

https://note.com/oboeteitekure913/n/n193dad7aad17


⑤ 2021年1月24日「ラジオ覚えていてくれ 第0回」

 Twitterで話す内容をアンケートで決めて話した「ラジオ覚えていてくれ」ですね。これから、余裕があれば毎週やってみたいと思います。何故かって?文章の記事の2倍ぐらい聴かれてるからですよ、何なら3倍の時もあります。

https://note.com/oboeteitekure913/n/n845d344289a8


⑥ 2021年1月26日「物が語る物語の場合」

 最後は、古畑奈和ちゃんの夢が形になっていく過程と今の自分について。
 なんというか、全然部屋の準備が進みません。
 いつもの2倍ぐらいの量を書きました。
 こういう文章をコンスタントに書けるようになりたいと思っています。

https://note.com/oboeteitekure913/n/n9f19f4864ac4

2021年1月24日日曜日

黒とピンクと水色と黄緑

 君が染める色

 皆さんは、服を買う時に何色の服を選ぶことが多いでしょう。 
 黒と白を除くと、何色の服を選んでいますかね?
 僕は若い頃は10代から20代前半はピンクで、20代後半から30代前半は紫、30代後半は紺色と、歳をとるごとに色味が深くなっています。
 社会学や分類学で着る服によって統計を取り、どんなタイプの人が多いのかを調べた本が世に沢山出ていますが、僕は太田うにさんが女性向けのファッション雑誌に連載していたイラスト入りの本が好きでよく読んでいました(ちなみに、ピンクをよく着るおとこは愛されお坊ちゃんが多いそうです。愛されないし、坊ちゃんでもないぞ!)。
 選ぶ色でそこまで分かるものかね、と思いつつも心理的な影響(自分に対してのこともあれば、相手に対してのこともあり)は実際にマーケティングやコピーを作る際にも重要視されているので、無関係ではなさそうです。僕自身も新しい服を買った時のワクワク感とこの色がしっくり来るなというのがあります。

 そこで、今回は先日、アップされたKANGOL REWARDさんの動画からインスパイアされた、古畑奈和と色について考えていきたいと思います。
 


 とりあえず、服着換える前の衣装の佇まいが森川葵みたいで、上品な美しさがありますね。
 ううむ、コラボトレーナーはどれも似合っていますが、ワインカラーの服を着ている奈和ちゃんが新鮮ですね。コーディネート込みだと、パープルの合わせ方がカッコいいです。こういう仕事が何の争奪戦とかせずに手に入れられるのは、流石です。後輩たちに良い前例をどんどん作って行ってほしいです。
 
 さて、奈和ちゃんの色というと、何色を連想するでしょう?
 推しの方々からしたら、サイリウムカラーの水色と黄緑かも知れません。
 髪の色も2018年ぐらいから自由自在に変えていき、ちょっと遠くから見ても「おお、あの辺りに奈和ちゃんがいるわい」と発見できるようになっています。
 ただ、僕はどちらかというと、奈和ちゃんの色は「黒」のイメージが強いんですね。
 多分、着ている服のイメージからかも知れません、確か、奈和ちゃんも好きな色で黒を挙げてなかったかな、と思って調べてみたんですね。

 
 黒髪に落ち着きを感じて、黒が好きという話をしています。
 で、黒に落ち着きを感じる人の心理について調べ始めたんですが、カラーセラピーとかを含めて、あまりにも書いてあることがバラバラなので、一旦、置いておき、再び奈和ちゃんと色について調べて行きます。

 2016年9月26日のブログでも、黒色について書いています。
 そして、ピンクについても。

 ちなみに、2017年11月25日のブログでは、髪色をいつか金色にしたいということと、少しだけピンクを入れたことも書いていました。ううむ、この時点で金色への意識があったのか。愛を試す体質も奈和ちゃんらしいですね。

 2018年8月14日のブログでは、好きな色についてまた語っています。ここでは黒に加えて、ピンクが加わります。

 えっ、「数年前は紺色」?
 あったっけ、と調べてみると、2013年のブログに書いてましたね。

 こう拾っていくと、寒色系から黒、そして黒とピンクという流れになってきますね。
 そして、2018年10月19日のブログで、サイリウムカラーの変更について相談しているんですが、この日のブログで奈和ちゃんの色に関するイメージも見えてくるので、見てみましょう。

 水色、黄緑色には「優しすぎて」というイメージが面白いですね。
 「気持ちの変化」とありますが、この時はもう総選挙で2回目の選抜入りを果たした後なんですよね。優等生的なアイドル像ではなく、自分を解放している時でもあると思います。
 青色と赤色の解釈も面白いです。

 ちなみにこちらに関しては、結局、変わらなかったんですよね(2019年3月8日のブログより)。

 自分の原点になる色を失わずに、大事にサイリウムカラーで残しておくという考えは、とても好きです。「優しすぎる」色だったら、彼女らしくてなおさら。代わりと言っては何ですが、彼女の髪色はどんどん「エネルギッシュでガンガンいこうぜ状態」の色になっていきます。

 ただ、2019年7月24日のブログでは「黒」や「くすんだ色」に好きな色が戻っていたりもしてるんですがね。

 ううむ、ちょっと行き詰った感があるんですが、ちょっと待てよと思いましてね。
 僕が好きな文学における色のアプローチが使えないかと考えたんですね(特にここ数年は近代詩や和歌が中心です)。
 明治期に「私」を獲得した日本文学は、夏目漱石たちが使い始めた「白」のイメージが広がります。これは穢れの無さや神秘性以外に「開放」や「自由」もイメージさせることが多いです。
 それとは対照的に「黒」は「抑え込む」や「不自由」を表すことが多かったです。
 この二つの色のイメージを更に拡張していったのが、大正から昭和期の詩人たちだと思っています(たとえば、中原中也の『サーカス』)。
 話を奈和ちゃんに戻すと、彼女がよく着る黒い衣装が「抑え込む」もので、何を抑え込んでいるかというと、自分の髪の色のような明るく自由な攻めの「本能」だとしたら。

 小さなライブハウスで行われるヒップホップのコンサートに行った時に、歌っていないMCがただ立ってたり、水を飲みまくっていると、非常に悪い意味で目立ちます。逆に、意識的に歌っていない時の立ち位置や動きまで意識できているベテランのラッパーもいます。
 冒頭に書いたようにコンサート会場で、奈和ちゃんはカメラに抜かれてなくても、大人数の中で目立ってしまいます。実際にこの記事のためにいくつか2019年頃のライブを中心に確認していったんですが、遠くにいる時でもちゃんとステージ上では、曲の世界観を体現しているんですよね。
 集団に埋没せずに遠くの人の視線も受けて立つという気概も感じます。それはこれまで積み重ねた実績もあるんだと思います。
 
 自由な「攻め」の色で、ステージで輝く奈和ちゃん。
 客席では「優しさ」で照らすファンの皆さん。
 時々、本能は衣装でも抑えきれないぐらいに溢れてくる。
 次は、どんな色を奈和ちゃんがまとうのか?
 その答えは、もう彼女の中にあるのかも知れません。


 さて、皆さんは、何色で今を染めますか?



2021年1月23日土曜日

シン:SKE48は来るのか?

 2次創作の限界と新しい物語の書き手は誰か?


 皆さん、人生の中で「新世紀エヴァンゲリオン」は通ってきましたでしょうか?
 本放送時は愛媛県の田舎に居た僕は観ることができず、当時のアニメージュの表紙になっていた青い髪の少女に、「このアニメはなんじゃい?」と思いながら、文字情報で追っていました。
 とにかく、毎月の特集ページの増加と読者ページの拡大(読者投稿のエヴァ補計画の熱量は凄まじかったです)、何かが起こっていると思い角川から出ていたフィルムブックを買って、文字情報に加えてセル絵情報で更に追うことになりました。特に最終回放送後の号での賛否両論の盛り上がりは、当時、中学生だった僕は、アニメを「消費」するのではなく、「考察」する楽しみ方があるというのを教えてもらった気がします。
 最終回後の盛り上がりを受けて、再放送が始まるんですが、丁度、レンタルビデオのリリースも始まり、配信サービスが無かった頃の田舎のファンはこうして都会の情報をカバーしていました。
 こうして春映画の公開までに、テレビ版を追って作品に臨むことが出来ました。
 そして、やってきた夏映画。
 この頃には、完全に社会現象になっていて、いったいどんな結末が待っているのか、とドキドキしながら観ました。
 ネタバレは避けますが、映画のラストの台詞で呆然となった僕は、翌月発売のアニメージュに載っていた庵野監督のFAXインタビューを読んで、よし、アニメ観るのやめよう、とジャンルから離れました(それから基本的にアニメはよほどお勧めの作品以外は自発的には観なくなりました)。それぐらい、エヴァは自分にとっての重要な作品であり、傷でもありました。

 それから時は流れて、新劇場版が公開されます。
 「序」の初日に、仕事を休んでメチャクチャ上司に怒られつつも、なんとか初日に観ることが出来た僕は、絵が綺麗になったな、ぐらいの感想しかありませんでした。知ってる話でしたしね。
 「破」も初日に観に行きましたが、アクションが気持ちいいな、「今日の日はさようなら」がいいな、と感じました。でも、知っている話でもありました。それでも、ブルーレイを何度も再生しました。
 「Q」も初日に行きましたが、この頃はもうイベントムービー的な消費の仕方で(2020年で言えば、『鬼滅の刃』を観に行く感覚です)、とりあえず、続きも付き合わなきゃね、という感じでした。前半と後半でえらくテンションが違う作品で、震災という社会的な背景も考えられますが、「知らない物語」が始まるワクワク感がありました。カヲル君とのやりとりにあんなに尺いるのかね、という疑念はあるものの、徐々に新しいエヴァを体感していくことが出来ました。しかし、映画が終わった後に、これ、どうやって終わるんだろう、という不安だけが僕の中で渦巻いていました。

 

 昨夜、久しぶりに「破」を観ました。
 10年以上経って、久しぶりに観ると初代ガンダムの語り直しのような2次創作のような感じもしまたし、マリという「あなた達こういうの好きでしょ的なキャラ」に何故、自分がハマらなかったのかがよく分かりました。あと、綾波レイが「ポカポカする」とか食事会の予約をするという違和感もやはり抱きました。
 公開当時、これはループしているんじゃないか、という説も出ましたが、だとしたら、余計にテレビ版のような「この後、どうなるんだ?」というようなヒリヒリとした感覚が無い、安心感がどこかに漂ってしまっていました。

 ここまで読んだ方からしたら、うわあ、アニメを素直に楽しめないやつだ、と思われたかも知れませんが、なかなかアニメと接続しない人間からしたら、非常に貴重な作品でもあるので、やはり、一定以上の期待をしてしまうんです。特に「シン・ゴジラ」で特撮映画を更新してくれた庵野監督なので、次に公開される「シン:エヴァンゲリオン」には期待もしています。



 テレビ版の意図的ではない「事故」のようなライブ感があったからこそ、あのアニメは伝説になったのかも知れません。そういう意味では「まごころを君に」の方が公開後の賛否両論の盛り上がりや、とんでもない事故に巻き込まれた感覚があったかも知れません。
 新劇場版は、安心感がありますし、幅広い年齢層にも親しまれています。それに対して、どう考えるかは、人それぞれですが、エヴァに影響を受けた人間の一人としては、次の「シン:エヴァンゲリオン」で凄まじい終わりを見せて欲しいなと期待しています。

 で、ふとテレビ版の意図的ではない「事故」のようなライブ感で思い出したのが、かつての48グループです。
 2012年から2014年頃ぐらいまでは、僕は毎日、公式サイトやまとめサイトを観る時にドキドキしていました。
 今日はどんなことがあったんだろう、誰かのスキャンダルが出ていたらどうしよう、何かやすすがまた馬鹿なことを始めるんじゃないか、とかね。
 我らがSKE48に目を移すと、この3年間で様々なことが起こり、様々な奇跡が起こりました。総選挙における松村香織の爆上げは運営からしたら想定外の「事故」だったかも知れませんし、リクアワでの「羽豆岬」、ガイシでの「それを青春と呼ぶ日」の白いサイリウムの海、本店ドームツアーでの名古屋ドーム初日での「SKE48」コール。名古屋ドームでの達成感。
 明日は何が起こるんだ、というライド感がありました。
 そして、その物語には「物語に参加する楽しさ」と「誰かを推し上げる楽しさ」、そして、一つ一つの現象を考えられる楽しさもあったかもしれません。
 それから、大組閣が起こり「ペナントレース」という大悪手で、徐々に雲行きが怪しくなりました。
 そして、坂道グループの台頭があり、昔のような大幅な物語の進展はなくなっていきました。
 松井玲奈の卒業、小畑優奈の登場と卒業。総選挙の終わり。
 年に1回のセンター交代。
 少しずつイベントは減っていき、いつの間にかSKE48は、物凄く安心して見られるグループになりました。
 勿論、コロナ禍の影響もありますし、予算の問題もあると思います。
 劇場公演がメインだから、というコンセプトもあります。僕自身が麻痺してしまったのかも知れません。

 それでも、少しずつ「新しい物語」が始まっています。
 「12周年公演フェス」、「恋落ちフラグ」の全員選抜、そして、「ティーンズユニット」、規模こそ内側向けですが、少しずつ「新しい物語」が始まっています。
 ひょっとすると、今は「SKE48 Q」ぐらいまで来ているのかも知れません。
 (これまでの「エヴァ」の世界にいなかったキャラであるマリが来たように、新しい価値観で登場したゆななのセンターが「破」と仮定したらの話ですが)。

 丁度、昨日は吉田朱里さんの著作に関する記事を書くために(かおたんとの比較をしながら)、お隣りNMB48について、少しだけ近頃の流れを追っていったんですが、女性人気をある程度確保した上で、19年頃からグラビアに多くのメンバーを輩出して男性ファンも新たに獲得しようと動いています。また、チームを6つに分けて新しいドラマを作る仕掛けも始めているようです。

 48グループの「握手会」、「総選挙」というフォーマットはここ数年で弱体化していきました。大会場でのライブも難しくなりました。
 今だからこそ、僕らの「知っている物語」の二次創作ではなく、新しい語り口でブレイクスルーするメンバーが出てくるのではないか、と21年は期待しています。
 
※「おすすめの本 アイドルを10年やってわかった"わたしが主人公"として生き抜く方法」の記事はこちら!

2021年1月22日金曜日

「『未来は少女たちの手の中』PRタイム争奪チャレンジ / Team S」編の感想 

 シャッターチャンスの連続


 皆さんは「弱虫ペダル」という漫画をご存じでしょうか?
 昨年、実写映画化もされた自転車のロードレースを描いた漫画です。
 (ちなみに僕は舞台の『弱虫ペダル』も大好きです)
 ロードレースの中で、選手は登り道が得意なクライマー、直線のスパートが得意なスプリンター、そして、バランスのとれたオールラウンダーと選手の得意分野をカテゴライズすることで、この選手はここの道で光るのか、ということを分かりやすくしてくれています。
 今回観ていく動画では、チームSのティーンズユニット候補生たちが登場するんですが、チームSをロードレース目線で見て行くと面白くなるのではないか、と思いましてね。まずは、公式動画を見てみましょう!

 このブログの熱心な読者の方ならなんとなく感じてらっしゃるかも知れませんが、僕は多分、9期とD3が一番知識的に弱いと思うんですね。なので、この機会に新たな魅力を発見しようじゃないか、という意図も実はあります。
 スギちゃんの腕をくんで立つというマスターガンダムみたいな立ち方がカッコいいですね。
 ちなみに、足を上げる高さがメンバーそれぞれに工夫がありました。上村プロは最小限の高さで体重をコントロールしていたところは流石です。
 中坂さんがベストパフォーマンス賞に選ばれましたが、彼女も見事にコントロールしていましたね。
 
 まさかの自分に全部賭け。
 幽遊白書の左京さんの「侵入者が勝つ方に66兆2000億円」を思い出しましたよ。
 結果は上村亜柚香ぴょんの大勝利。
 いきなり、全てを失います。
 しかし、熊崎支配人の温情で、可愛くおねだり台詞を言い復活フェニックス。
 
 ここでは、9期生の荒野姫楓さんが、10回以上飛べるに10枚ベット。
 ううむ、帰りの燃料を積んでない感じの賭け方、いいじゃない。
 結果はというと、見事に10回以上飛ぶ熊崎さん。
 見事に荒野さんの一人勝ち。
 そして、今度はスギちゃんがコインが無くなりゲームオーバーに!
 アイドル歴6年のキャリアを爆発させる燃え台詞を言って、再びゲームに戻ることになります。
 まず、印象的だったのが、けん玉をする荒野さんの立ち姿。
 そして、一発で成功させる中坂さん。
 ちなみに私服だと、まりんちゃんの服がカッコいいですね。
 ですが、その生き様、魅力的過ぎます。
 前半組は、上村さんの大喜利力がこれでもかというぐらい発揮されます。
 後半組は、スギちゃんの勢いがとにかく凄まじかったですね。
 中でも3rdゲームでクイーンが出て、56分の4の確率でしかハイが出ないものの、ギャンブラーの血が騒ぐ荒野さんが魅力的でしたね。こんな見た目でそんな男気あるんかい、と。将来他のメンバーが好きなゲームを聞かれて「どうぶつの森です」とか答えている中「よくロシアンルーレットしてますね」とか答えて欲しい、危険な魅力があります。
 ももたんの「こういう賭ける系のゲーム嫌です」という表情も、負けたけど素敵でした。
 
 SNSの更新も頑張っているんですね。
 ふと、思ったんですが、「恋落ちフラグ」って全員にアメブロが来るんですかね。
 勝因の「計画性」も信用が出来る言葉。
 ううむ、彼女は静かなるスプリンタータイプかも知れません。
 徐々に直線で一人ずつ抜いていく。
 こういう勝ち方も良いじゃないか、と思います。
 

 まずは、登場シーンのフレッシュ感を出す「スギちゃん」こと杉山愛佳さんの「城持ち大名になりたいな」みたいなポーズ(何を言っているか分からない人は『敦盛2011』で動画サイトを探しましょう)が、もう分かってますね。すっかりベテランの風格が出ているものの、まだまだティーンだったんですね。物凄い頼もしさがあります。
 ううむ、チームSは半分が9期生なんですね。

 まずは、目を瞑って片足立ちをするゲームからですね。
 続いては「ありがとう選手権」。
 ここで、平野百菜さんが勝負にでます。
 言った後の照れて後ろにダッシュするところが素敵でしたね。
 次は支配人が何回二重飛びが飛べるかゲームです。
 
 ここで、もうすぐ卒業する珠理奈からのミッションは「ダジャレを言う」。
 ううむ、久しぶりに珠理奈のダジャレを聞いた気がしますね。
 そして、各メンバーのダジャレを発表していくんですが、正直、これ、前も聞いたことあるかも、というものが多かったですね。その中で中坂さんはオリジナリティがありました。

 さあ、ここからがいよいよ跳ねてくるプレッシャーゲーム、けん玉ですよ。
 着ている服のせいもあってか、スタイルが凄く良いですね。
 静かですが、確実に成果を出していきますね。
 そして、再び、コインを失うスギちゃんとももたん。
 もう、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のデカプリオみたいな加速度で、落ちぶれていきます。
 
 さて、次はモノボケ対決ですね。
 個人的には、まりんちゃんのなまはげが好きです。
 
 いよいよ最後は「ハイ&ロー」ゲーム。
 そして、ラストゲームでは中坂さんの逆を選ばないと、他のメンバーには勝ち目がない状況に!ううむ、中坂さん堅実に結果を出してますね。何故か、煽りまくる上村プロ。
 結果はローで、中坂さんの優勝!
 でね、直接ゲームの内容の中では書かなかったんですが、石黒友月さんは司会の熊ちゃんの言葉なんかに後列でも一つ一つリアクションを取っていて、それが毎回、目の中に飛び込んできました。
 
 優勝インタビューでの中坂さんの「やっと若手にチャンスが回ってきた思いました」という言葉には、静かですが力強さがある。なんというか青い炎のようでしたね。
 こちらとしては、後々の資料としてありがたいんですが、メンバーはどう使いわけていくかも注目ですね。
 ちなみに、上村さんなんかは、オールラウンダータイプではないかと動画を観ながら思いました。公演やMCの回しだけでなく、バラエティでも結果を出すところは流石です。
 ううむ、残りのメンバーも当てはめてみたら面白いかも、と思っていたんですが、「この場合のクライマーってなんだ?」という問題にぶち当たりましてね。SKE48における「登り坂」って何?公演のアンコールぐらいから?とかそもそもの定義付けが難しそうなんですが、なんとなく荒野さんは、クライマータイプの気がします。逆境の中になればなるほど、輝くタイプの気がします。
 
 果たして、誰がティーンズユニットに選ばれるのか、個人的には9期生のメンバーの魅力に少しだけ触れられた素敵な動画でした。
 

※ チームE編はこちら!

2021年1月21日木曜日

「『未来は少女たちの手の中』PRタイム争奪チャレンジ / Team E」の感想 

 それぞれの個性が生きるバラエティ


 いやあ、この3日間ぐらいSKE48どころか、この世から少し離れていたんですが、死ななくて良かった!流動食でも食えるのがありがたいぜ!

 なんと、今日からティーンズユニットのPR動画がアップされてるじゃあないですか、お侍さん!
 一通り観たんですが、僕のお勧めはチームE編!
 はっきり言って、「このまま特典映像として使ってもいいんじゃ?」というぐらいの豪華さですが、まずは本編をチェック! 


 まず、司会を6期生のくまっきぃコンビにしたこと。
 メンバーの良さを伸ばそうとするコメントが多かったですし、鎌田さんのパスの出し方やフォローの仕方、熊ちゃんのボケやすい空気の作り方もなかなか良かったですね。

 個人的に日向坂46の「日向坂で会いましょう」が大好きなんですが、アイドルのバラエティ番組としてはどうかしているぐらい面白くて、「BLT」の「ひなまし」特集号が増刷されるぐらいの人気番組でもあります(アイドル雑誌の増刷は非常に稀)。
 その秘密は、該当する特集号やその前後のインタビュー、司会の「オードリーのオールナイトニッポン」を聴いていると、アイドル番組とは思えないぐらいのバラエティスキルが要求されるお題と、テロップにいたるまでメンバーへの愛がこもった制作会社のこだわりがあります。また、オードリーのなるべく話を聞いて広げてみようという姿勢もあります。
 
 今回の動画を観ていると、「おっ、SKE48もお題次第では、全然いけるじゃない!」と思いましたし、「SKE48ってどんなの?」と思っている人にも勧めやすい動画なんじゃないか、と思っています。
 
 まず、目をつぶって片足立ちをするゲームですが、鎌田さんの「罵り合いならいいですよ」というパスに「やってもいいってことですか?」と答えて「武闘派」というテロップが出るのが秀逸ですね。
 あと、倉島杏実先輩の「片足で目をつぶって計るっていう記録を計る場所に居たことがあって」という新しいエピソード。いったい、倉島先輩、何してたんですか?
 昔の映画ならそのうち、「かつて倉島先輩が居た施設の生き残りがSKE48に加入、二人は目を閉じて片足上げ対決で激突!」みたいな展開になりますよ!
 そして、バランスボールの上に乗って「ソーユトコあるよね?」が踊れる深井ねがいちゃん。いや、もう「からくりサーカス」じゃない!
 
 でね、このブログをよく読む方なら、「こいつ、9期の知識弱いな」と感じられている方も多いんじゃないでしょうか?
 はっきり言うと、弱いです。
 そういう僕みたいな人間も魅力の発見ができるのがこの動画の良さですね。
 「BESTありがとう」対決でのここなさんの大声やその後の釣り台詞の照れるところとか、一気にここなさんの情報が更新されていきましたよ。

 「熊崎支配人が何かい二重飛びできるか対決」は、思ったより静かな感じで終わりましたが、ティーンズメンバーから見た熊ちゃん観が見られて面白かったですね。

 そして、だーすーからの「握手会の釣り台詞」対決。
 ここで、選抜メンバーの握手スキルの高さをガンガンに我々は食らうことになります。
 まず、おーちゃんこと末永桜花さんの「私にだけ、カワイイって言いに来てくれる」の特別感の作り方ですよ。
 そして、浅井ゆうかたんのシンプルな「ありがとう」の素材で勝負感!
 やはり、相手は歴戦の勇士。
 そんな中で、好ポイントを獲得したここなさんも流石です。
 くまっきぃが二人ともニヤニヤしていましたね。
 そして、「握手会」という「大喜利」をちゃんと料理するほのの。
 もう、信頼感があります。
 深井ねがいちゃんの握手対応は、正統派でしたね。
 ここなさんへのフォローのコメントを見ていると、真っすぐな人柄が伝わりますね。
 
 次はプレッシャーゲームということで、けん玉対決なんですが、ここでまたも倉島先輩の特技が分かります。なんとけん玉を「小学生の頃に狂ったようにやっていた」そうなんですね。
 ううむ、多分、あと2時間ぐらいエピソードトークをしていると、「『ベスト・キッド』のミヤギさんに空手を教わっていた」とか「ドラマ『フルハウス』に出ていた」とか色々なエピソードが出てきそうですね。
 ただ、倉島先輩の魅力の一つが、この「狂ったように」にあると僕は思っています。
 もっとそんなエピソードをくれ!と思ってしまいます。けん玉も安定の成功。これは紅白であのけん玉の演歌歌手と共演ですね。

 そして、注目すべきはここなさんが見事にけん玉を成功させるところ。
 ううむ、本番に強いタイプですね。
 そして、おーちゃんの失敗後のこれでもかというほどの、「売り込み芸」はこの後、更に爆発します。

 次は、バラエティーの定番「モノボケ」。
 まずは、おーちゃん、ほのの、ねがいちゃんの第1組。
 おーちゃんのグイグイくる売り込み。そして、尺もガンガン取っていきながら、ちゃんとポイントを取っていきます。
 ねがいちゃんは、少し苦戦していた感じでしょうか。
 ここで、ほののボケ力が爆発します。
 思えば、彼女は自粛期間もTwitterで様々な動画を上げていましたが、アイディアの瞬発力は流石です。まさかの被せをしてくるとは。鎌田さんの「明日刺されない?大丈夫?」というツッコミも良かったですね。

 第2組はゆうかたん、倉島先輩、ここなさん。
 ゆうかたんが安定したボケ力を見せているところが凄かったですね。
 そして、ここなさんの「ほののさん」というボケ。
 まさか、この子、闘いの中で闘いを覚えるタイプか…。
 
 最後は「ハイ&ローゲーム」!
 映画「ハイ&ローシリーズ」は勢いとアクションだけはどうかしているので、おススメですよ。
 話を戻すと、トランプのカードの数字よりも多いか少ないかを選ぶいったてシンプルなゲーム。「オーシャンズ13」のカジノのシーンでやってたアレですかね。

 このゲームでもほののが盛り上げてくれてましたね。
 堅実にベットしていく倉島先輩も素晴らしい。
 最後はゆうかたんの見事な逆転優勝。
 いやあ、ゆうかたん、勝負強い。
 釣り台詞の同点のじゃんけんで勝つところでもそうですが、勝負強さを感じさせてくれますね。
 PRタイムでの「7期生として入ってきて6年」や「殻を破って見せていきたい」というコメントは彼女への期待が持てますね。
 罰ゲームのおーちゃんの車掌さんのモノマネは、さっきまでの明るい照明とは対照的に暗めのライトでシュールでしたが、おーちゃんの電車好きという要素がちゃんとフックとして入っているので、良かったんじゃないか、と僕は思っています。

 ううむ、毎週このレベルとは言わないですが、せっかくなので、ベテランメンバー編とかもやってみて欲しいですし、月1でこういうバラエティ企画をやって欲しいな、と思う次第です。
 えっ?
 他のチームも?
 あの、僕、今日の9時ぐらいまで、仮死状態だったんだよ。
 書くに決まってるじゃない、激熱じゃないですか!
 というのは、嘘で、少しずつ更新していきますね。
 真面目で熱いSKE48も大好きですが、時々、こういうバラエティ企画をやってくれることで、メンバーの新しい一面を知っていけるので、継続希望です!