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2021年6月1日火曜日

はじまりの唄

大事な価値観


 先日行われた、「第3回AKBグループ歌唱力№1決定戦」のファイナリストコンサートで、披露された新曲がありました。それがファイナリスト9人で結成された「Nona Diamonds」の「はじまりの唄」です。

 こちらが昨日、5月31日の20時から公開されました。
 ちょっと聴いてみましょう。



 息を吸い込む音まで響いてくる静寂の中で、一人一人の美しい歌唱が続き、それが重なった時の美しさをこんなに感じさせられますね。
 なんというか、声も一つの楽器だったんだ、と認識させられました。
 
 歌詞の世界を見て行きましょう。
 
 まず、1番のAメロ前に心臓の高鳴り、つまり、緊張は未来に続くことが描かれます。

 そこから1番のAメロが始まります。
 不意に見たテレビ番組のショータイムから、様々なことを思い出して、自分が歌いたかったことを思い出します。それは、一人一人の少女たちが芸能界に入る前の様子にも見えますし、48グループにいる中で感じたことかも知れません。思えば、48グループのバラエティ色が強くなった頃から、歌唱力メンバーは活躍の場が少なくなっていたかも知れません。
 サビでは歌いたくなった初期衝動を持って未来へと進むという、時間軸が綺麗につながる素晴らしい歌詞。
 
 2番Aメロでは、歌うチャンスを得た主人公が、いよいよ未来を掴むために歌います。
 2番のサビ前の「こんな風に笑いたかったんだ」というフレーズが物凄く良くて、主人公が幸せを掴んだ瞬間をイメージさせられます。
 だから、1番のサビと同じフレーズでも、また違った響きを感じます。
 大サビ前では、遠くにある夢を諦められないから、今日も自分の持てる声で叫ぶことが描かれます。
 ここも凄く良くて、歌が未来を引き寄せてくれる感じがするんですよね。
 
 そして、最後はもう「私達だけのストーリー」のはじまりを予感させる内容で終わります。

 本当に素晴らしい歌詞なんですが、特に感動的だったのが、自分の内面と向き合って挑戦する、そして、やっぱりこれが好きだと再認識して、何かが始まるという部分がこれからの9人の物語ともつながりそうなんですよね。

 更に、歌詞の中で、「私」から「私達」に変化していくところも素晴らしくて、これまで総選挙などで個人戦の様相があった48グループが、コロナや運営の変更などでバラバラになっていき、交わることが少なくなった今だからこそ、それぞれのドラマを持った「私」が集まって「私達」で物語を描いて行くのが素晴らしいです。
 
 メロディは、静かに盛り上がっていくんですが、声という楽器と協奏することで、より素晴らしく響くようになっているのでは、と思います。

 さて、歌唱するメンバーなんですが、もう全員表情が素晴らしいんですよね。
 SKE48視点で見て行くと、こんなめちゃくちゃ良い表情の山内鈴蘭を初めて知ったというか、色々なことのパラメーターが高い彼女が、再評価されていくきっかけになるのでは、と思います。
 
 野島さんも、歌う時の表情も良いんですが、声色が本当に素敵で歌詞の世界に寄り添う感じの表現が本当に良いですね。
 サビの「終わらない」の部分が、彼女の歌唱力をフルに感じられて、良いですね。

 そして、古畑奈和ちゃんですが、サビ前の大事な部分を担当しています。
 一回一回の声の強さと表情も素晴らしいんですが、大サビ前の表情と声に注目していただきたいです。
 もうね、「叫ぶんだ」のところを初めて観たときは、感極まって泣いてしまいました。
 
 あとは、STU48の皆さん。
 池田裕楽さんをこのコンテストで初めて知ったんですが、凄い才能がいるとは。
 いやあ、奥が深い。

 2019年に放送されたNHKの「クラシック大好きアイドル集合」の記事でも書きましたが、これからの時代は、競争から共に創っていく時代になってきたのではと思います。
 競争から協奏へ。
 まだまだ48グループの物語は、新しい章を始めることが出来ると信じています。