光が強くて見えないところも
突然ですが、皆さんが考えるSKE48の7期生、あやめろこと太田彩夏さんのイメージははどんなものでしょう。
僕がパッと思いつくのは、「1たす1は2じゃないよ」の動画で「あっち向いてホイ!」をしているイメージです。あまりにも愉快な戦いが繰り広げられ、毎回期待してしまいます。いや、それだけでは、ありません。公演でのMCも独自の喋り方で、賑やかに動く右手が印象的です。あとは3ビリオンとかもですね。
そのせいか、彼女の持つ面白さや賑やかさの方に目が行ってしまいがいちですが(あくまで僕の主観です)、本当にそれだけでしょうか?
2016年には「ミュージカルAKB49」のアンサンブルとして研究生ながら選ばれ、2017年、2019年、2020年にはパッションフォーユーのCM選抜にも入っています。また、ユニット対抗戦でのバブル時代の衣装とメイクで活躍もしました。さらに、岐阜関係の仕事が印象的で、ラジオ番組や銀行関係、サッカーの「FC岐阜応援隊」などの外仕事も任されています。
彼女を知る為に過去のブログや最近のアメブロ、あとは動画を中心に確認していったんですが、知れば知るほど、彼女が入った期である7期、いや7D2という「奇跡の世代」に入ったが為に、完全にポテンシャルが運営に認められているかというと、果たしてそうなのか、という疑問はあります。
それでも彼女は腐らずに、いつも公演や動画や外仕事で人々を笑顔にしていきます。
その背景にはどんなものがあるんでしょう。
ある生誕祭の手紙をヒントにしてみましょう。
「あやめろへ。18歳の誕生日おめでとう。
あやめろとはチームK2になってから、一段と仲良くなったね。声はバカでかいし、常にオーバーリアクションでたまにいらつくけど、そんなあやめろが大好きで、いなきゃいけない存在だなって思ってるよ。
なかなか公演に出られなくて、二人で一緒に弱音を吐いたときもあったね。昇格したばっかりの時は、楽しいことしかないと思わなかったから、ここで試練があるなんて思わなっかったよね。初日に選んでもらった時は、二人で泣いて喜んだこと。きっとこれからもずっと忘れないんだなって思う。新公演になって、今まで以上にあやめろと同じ時間を一緒に過ごせて、今、最高に幸せです。
先日のコンサートでは48グループのセンターに立ったり、あやめろの活躍ぶりを私も聞いて、すごく嬉しかったよ。いつかは、私もあやめろと一緒にダブルセンターで曲を披露できたらいいな。
それからグラビアを見て、めちゃめちゃスタイルが良かったから、モデルをしているあやめろも見てみたい!制服を現役で着られるのは今年で最後だから、いっぱい制服を着て遊びに行こうね。
あやめろの笑ってる姿が一番大好きだよ。これからも支え合って、チームK2としてチームを二人で盛り上げていこうね。とても誇れる、最高の仲間です。
チームK2 水野愛理より」
これは2018年8月19日に行われた太田彩夏生誕祭で読まれた水野愛理からの手紙です。じゃんけん大会で結成された「SUPER MOON」というユニットでもこの二人は一緒でしたね(他のメンバーは同期の小畑優奈、野島樺乃)。
この年のスピーチで、トーク力や語彙力について語り、総選挙のランクインとチーム内での序列を上げることを語りました。思えば、当時のチームK2って、7D2にゆななやなるぴー、こっちゃん、愛理という凄まじい才能たちがいて、選抜常連の先輩が沢山いるんですよね。この中で序列を上げて行くというのは、なかなか大変です。
また、語彙力やトーク力について言えば、伝える力について考えさせられます。彼女はこの年の生誕祭でファンの方へ、思ってることや気持ちの共有が出来ていないのでは、自分の弱い部分を見せられていないのでは、ということも語っていましたね。
そのことは、次の手紙でも触れられています。
「彩夏へ
お誕生日おめでとう。
楽々だよ。
彩夏の手紙を書くのは2回目な気がする。合ってるかな?
彩夏とは初期の頃から変わらず仲良くて、喧嘩もしたことなくて、振り返ると懐かしいなー。
毎日レッスン後にオアシスに行ってポテトを食べたり、移動車の中で『うるさい』って先輩から怒られたり、普段はあんまり真面目な話はしないし、むしろしょうもないことを話してるけど、私の彩夏の好きなところは、一見そうじゃなく見えても実はちゃんとした考えを持っていていて、将来もきちんと見据えているところ、普段はふざけてるけど根は真面目なところ。根柢の考え方は割と共通してるよね。
でも、心配なところは、彩夏は弱音を吐いたりしないところ。きっと仲のいい野島が選抜に入ったり、楽々が卒業しちゃったりで不安になったり、『つらいな、悔しいな』って思うんだ。
でも、それを全く口にしない彩夏を見て『強いな』と思う反面、もっと頼ったり相談してくれてもいいんだよって思う時がある。
私が思うにだけど、『前のめり』の選抜の時、一番素直に喜んでくれたのは彩夏だと思うんだ。
彩夏はいいヤツ過ぎるってくらいいいヤツで、それはもう分かってるから、何か心につっかえるものがあったり、言いたくても言えないってことがあるなら言って欲しい。解決するまでちゃんと一緒についてるから。楽々がSKEから卒業する分、もっと言いやすくもなると思うんだ。だからどんなに小さいことでも別に構わないから。何かあれば楽々に言ってね。
言わなくても分かってると思うけど、SKEでもっともっと頑張るんだぞ。
楽々が卒業しちゃったら会えなくなるの寂しいんでしょう?
楽々はまあまあ寂しい。まあまあね。
とか言いながらもなんやかんやで普通に会ってそう。
SKEに入ってなかったら彩夏に出会えてなかったなって、出会えただけでもSKEに入った意味があると思える。彩夏は楽々にとってそういう人。これからもずっとよろしく。
生誕委員の皆さん、会場にいる皆さん、DMMをご覧の皆さん、彩夏の手紙を任せてくださってありがとうございます。皆さん、彩夏をどうかお願いします。そして選抜へつれてってあげてね。
最後にもう一度、お誕生日おめでとう。そして、明日また会おう。」
これは2019年8月19日に行われた太田彩夏生誕祭で読まれた手紙です。
チームは違っても、同期の絆はずっと繋がっているんだな、と感じさせられる手紙でした。いつも愉快なあやめろの繊細な一面に触れられる、後藤楽々ならではの手紙だと思います。楽々自身も、「前のめり」の選抜に選ばれた時から、沢山の悩みを抱くことになったと思います。それを語れる相手があやめろだったのかも知れません。
そういえば、「アイドルの涙」の豪華版の特典映像であやめろが優しく諭すようにのじのじさんをフォローするところがありましたね。彼女自身は、賑やかなアウトプットと違って、静かなインプットの視線を持っている気がします。
そういえば、「おはようから始まる世界」のMVでジッとキャンバスに向かうあやめろのシリアスな視線が素敵でしたね。
そして、もう一つ目標があり、それは後輩にいい背中を見せていけることです。気づけば7期生も中堅のポジションになり、あやめろもK2生活が長くなってきています。その中で尊敬できる先輩たちの背中を見てきたと思います。たとえば、ちゅりもそうですよね。
特に2015年頃から2018年頃までは、これまでと違う価値観がSKEの中で広がっていく気がしていました。それは、アスリート的な要素からバラエティ的な要素へという変化が起こりかけた2013年頃の変化ではなく、もっと違う何かです(この辺りはいつか言語化したいです)。
しかし、気付けば7D2も多くのメンバーが卒業してしまいました。
ただ、まだSKE48の大河ドラマの中であやめろの章は来ていない気がします。
いや、動画の中やSKEの公演では来ているよ、と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、「おもしろ」とは違う種目で戦うあやめろをもっと見てみたいと思っています。
それは、先ほど挙げた「おはようから始まる世界」の真剣な眼差しが似合う種目であったり、毎回SNSなどに登場するお洒落な私服のセンスが光る種目かも知れません。いや、先輩として後輩たちを引っ張っていくリーダーシップかもしれません。
それぞれが2019年の生誕祭で語った目標と繋がっていくのではないか、と思います。
次は、あやめろの番だ、と2021年は思います。
2021年8月9日が始まってまだ1時間ほどしか経っていない深夜に。