ロックンロールは鳴りやまない
いきなりですが、問題です。
「バットとボールがセットで1ドル10セントします。バットはボールより1ドル高いです。ボールはいくらでしょう?」
これは行動経済学の第1人者であるダニエル・カーネマンが挙げた有名な問題です。
ちなみに正解は5セントです。
ボールが5セントでバットが1ドル5セントであることで、きちんと問題の条件と合致しますね。
しかし、多くの人が10セントと答えたそうです。
この問題を元にダニエル・カーネマンは人間が判断を誤る原因として、認知バイアスや経験則による歪みを挙げていました(ただし、『スロー&ファースト』の中ではその直感性の面白さにも触れています)。
この研究を読んで思い出したメンバーがいます。
それはSKE48の10期生、青木莉樺です。
まず、彼女について知るためにアメブロを読んでみましょう。
#青木莉樺のあめぶろ!! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)
蕎麦好きなんて素敵じゃないですか。
お酒好きというところで、当時、20歳の誕生日が近かった僕の推しの五十嵐早香先生について触れているのも嬉しいです。
お酒の記述からも分かる通り、青木莉樺は20歳を超えてからSKE48に入ってきました。
もう一つ、彼女の自己紹介アメブロを読んでみましょう。
第二回!趣味についてのブログ! 10期研究生 #青木莉樺です | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)
ううむ、「年に洋画200本ほど」って凄すぎでしょ。
映画好きとしてはいつか洋画の話をしてみたいですね。
個人的には、「シング・ストリート」とか「ハートビーツ・ラウド」の話とか気になります。
話を戻すと、SKE48に入る前はバンドもしていたんですね(さらにオーボエまで出来るとは!)。
アイドルとはまた違った表現の仕方を経験しています。この辺りは、僕はNMB48のさや姉を思い出しました(彼女の場合はちゃんとバンドの方でもデビューをしていますが)。
いつか、彼女のオリジナルのソロ曲なんかも聴いてみたいですね。
そして、ギターを弾く写真は、アイドルとは違うカッコ良さがありますね。
さて、そんな青木さんですが、ちゅりこと高柳明音さんのことが憧れの存在だったそうです。ちょっとこちらのアメブロを読んでみましょう。
高柳明音さん!! 10期研究生の青木莉樺です! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)
このブログで注目したいのが、「小学生の頃からずっと見ていた憧れの存在でした」という記述。彼女が小学生の頃ということは、今から約10年から12年前ぐらいと見積もって、48グループが物凄く勢いがあった頃ですね。
ふと思ったんですが、果たして、今の小学生でSKE48に憧れる小学生ってどれぐらい居るんでしょうか?
メディア出演って本当に大事だな、とこういう時に感じます。
彼女のような未来の有望メンバーが、「あっ、このアイドルいいな」と思ってくれるきっかけになりますね。運営さんは、是非頑張っていただきたいです。
ちゅりと同じく珠理奈についてのブログもあります。
10期研究生 青木莉樺です! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)
いやあ、「桜の木になろう」が懐かしいですね。
そして、彼女が練習したりコンサートをしたりして感じた「卒業コンサートが終わってもこれから先ずっと何故だか一緒に活動させていただいているという気持ちになっていると思います」という思い。
これは珠理奈が残してくれた曲たちもそうですが、彼女のイズムが後輩達になんらかの形で残ったのではないか、と僕は思っています。
やがて、時は経ち、デビューから1年の月日が経ちます。
彼女の過去を振り返ったブログを読んでみましょう。
そこには、普段は明るい彼女の努力の日々が書かれています。
祝 劇場デビューから一年 10期研究生 青木莉樺 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)
今まで出会ったことのなかった苦手なものであるダンス。
「毎日毎日誰か嬉しくて泣いたり悔しくてないたり」のとこなんて、それを青春と呼ぶんじゃないか、と思わず僕まで泣きそうになりました。
努力を続けながら、徐々に彼女は変化をしていきます。
その辺りのことは好きな公演について語っているこちらのブログでも語っています。
10期研究生 青木莉樺です! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)
ここまでは、彼女の視点からでしたが、ご家族の視点からも見た青木さんはどうでしょう?
2021年10月24日に行われた彼女の生誕祭で読まれたお母さまからの手紙を読んでみましょう。
「はじめに、いつも応援してくださってるファンの皆様、SKE関係者・スタッフの皆様、メンバーの皆さん、この場をお借りして感謝と御礼を申し上げます。いつも本当にありがとうございます。
莉樺、お誕生日おめでとう。
あっという間の22年間でしたね。
ママなりに振り返ってみました。
小さい頃の莉樺は食べてるか寝てるかで、ほんと手のかからない子でした。
それになんでも知らない間に自分でできるようになってたり。自転車や鉄棒とかね。
小学生の時には生徒会長になり、学校行事の時には朝礼台に上がり挨拶をしたり。中学校では厳しい吹奏楽部に入り、大きなホールでの演奏会。高校ではバンド活動をし、ライブハウスでの演奏。そして今はSKE劇場のステージに立ち、皆さんのまえでパフォーマンスを披露している莉樺。
音楽が大好きなのも勿論、大勢の前で何かを披露したりすることが莉樺は好きなんだろうなーと感じました。
もちろん楽しい時ばかりではなかったと思います。中には莉樺が望んでないこともありましたね。
SKEに加入させていただいてからの莉樺はいつも『できない、もう無理』と言いながら何度も繰り返し練習をし、『そろそろ寝たら?』と言っても『無理!』と言っても朝まで練習してました。
莉樺は弱音をうまく吐くこともできないし、人に涙を見せることも苦手な困ったちゃんです。だから、周りからしっかりした強い子と誤解や勘違いを受けるかもしれないね。
だけど、今ではこんなに莉樺のことを応援してくださるファンの皆様や支えてくださってるスタッフの皆様、そして一緒に泣き、笑い、励まし、寄り添ってくれる同期の皆さんがいてくれます。
どんな時も感謝を忘れず、これからも努力を怠ることなく一人でも多くの方に笑顔になっていただけるようなパフォーマンスを見せてくださいね。莉樺なら大丈夫だから、もっと自信を持ってください。何もしてあげられないママだけど応援しています。
最後に一つ。罪悪感からかスイーツを食べる時にママを巻き込むのはやめてください。
ママより」
小学生の頃から積極的に様々なことにチャレンジして、何かを披露することもしてきたんですね。だけど、弱音を吐くことや涙を流すことがなかなかできないというところ、だから「しっかりした強い子」と勘違いされてしまうところ。
かくいう僕も、明るくて愉快な華のある美人だなあ、ぐらいの認識だったんですが、華やかな一面だけではなく、その陰で流れていた汗や涙が徐々に浮かび上がってきました。
僕の認識や先入観が彼女の像を表層だけで勘違いしてしまっていたのかも知れません。
生誕祭の中で彼女は、周りに自分の夢を笑う人はいなくて、応援しくれる理解者たちがいたことを語ります。そして「年齢が上ということもあって、年齢がネックで挑戦ができないこともたくさんあって、もっと早くSKEに出会えてなかったんだろうと思うこともありました」、「みんな分かってると思いますが、私はこのステージに立っている誰よりもアイドルとしての賞味期限は短いです。1日1日を大切にしてアイドル人生を過ごしていきたいと思います」と覚悟を伝えました。
上記の言葉を聞いた時、僕は頭をこん棒で殴られたような衝撃を受けました。
「この子、SKE48だ!」と。
そして、アイドルという限られた時間の中で輝く存在について考えさせられます。今、だーすーこと須田亜香里や柏木由紀などの活躍によってアイドルをする年齢は延命しつづけていると個人的には思っています。
なので、アイドル=若い子たちというイメージは上記の「バットとボールの問題」でいえば先入観や経験則で間違いを選んでいるのではないか、と思います。いやいや、ずっと居てね。生き急がないでね、と思います。
でもね。
偉大なるロックバンド、ローリングストーンズのキース・リチャーズは言っていましたよ。
「一晩二晩は世界最強のロックンロールバンドって言ってもらってもいいけど、毎晩毎晩違うのが最高のロックンロールバンドなんだ。波があるに決まってるんだ。そうじゃないと味気ない、ただの直線だよ。心電図みたいなもんで、直線だっていうのはつまり死んでるってことだよ」
ロックンロールだからこそアップダウンがある。
おそらく、毎日様々なライブハウスで一番カッコいいバンドを決める闘いが行われているんでしょう。時には、ドーム会場でライブをしているあのバンドが世界最高になるときもあれば。時には地方のまだ名前を知られていないようなバンドが世界最高になる時もある。
まだ青木莉樺はアイドル界では無名です。
ひょっとすると、SKE48の研究生もまだまだ他のグループのファンの方には知られていないのかも知れません。
でも、限られた時間の中で命を燃やす者が、世界で一番最高のアイドルになる夜が必ず来ると思っています。
彼女は生誕祭のコメントで、「期待して欲しい」という言葉も残しました。
僕は彼女なら「SKE48の研究生公演が、今夜は世界のアイドルのライブの中で一番良かったなあ」と彼女自身やファンの皆さんに感じさせてくれる公演やライブをしてくれると期待しています。