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2021年10月23日土曜日

雨のち奇跡的に晴れ①

 雨と動物園とセンター


 2020年末に発表され、2021年の2月に決まったSKE48のティーンズユニット。個人的には選び方は久々の総選挙方式で、結構げんなりしたところがあるんですが、それでも選ばれたメンバーたちの涙を見ると、「ううっ、ファンの方々が後押しして選ばれたからには、末永く愛されるユニットであってほしい」と願うばかりです。
 まずは、このティーンズユニット「プリマステラ」の「雨のち奇跡的に晴れ」を聴いてみましょう。



 ううむ、多幸感あふれるMVとメロディですね。
 それじゃあ、まずは歌詞の世界から見て行きましょう。

 まず出だしでは、曲の主人公が雨が上がった野外にいるところから始まります。
 太陽の言い訳を聞こうか、という言い回しが洒落てますね。
 主人公の晴れてほしかった思いが伝わる表現だと思います。

 1番のAメロで初めてのデートなのに、天気予報は雨だったということで、時間が出だしから少し戻ります。必死の願いも虚しくて「今日は中止かなあ、家で『ああ、デンジマン』でも歌って過ごすかなあ」と諦めかけます(一部嘘が書かれています)。
 しかし、結果オーライ、空は晴れてくれます。幸い雨が降っていたおかげで人影も全くが無いわけです。そこで「俺はここだぜ!一足お先」と誰もいない動物園を二人で貸し切ることも出来るんですね。絶望の後に希望が見えて来る歌詞の物語が、天気の移り変わりと合っていて素敵です。「この動物園」とあることから、動物園の近くか動物園に来ていることが分かります。

 2番のAメロでは、なんとこの主人公は眠れなくて夜明けまで空を眺めていたという、「アニメじゃない~夢を忘れた地球人たちよ~」みたいなことをしていることが分かります。つまり、歌の出だしの時間(雨上がりの昼ぐらい)から、1番のAメロ(今日の朝)、さらにその前に時間(前日の夜)が戻るわけです。
 待ち合せの午後1時になんとか雨が上がっていて欲しいという願いと焦りも、この夜眠れない表現からは伝わってきます。
 サビでは、残念な展開からの逆転を期待する曲の主人公の心情が語られていて、天気と同じように、恋もこれから良い方向に行くんじゃないか、と期待しています。傘を持たずにという表現からは、荷物が一つ減るというのもあるんですが、不安からの解放感も僕は感じました。
 大サビ前では、雨の後に晴れが来て、その後に虹が出ることが描かれます。
 気付けば天気が恋の明暗を分けるところまで話が広がっていきますが、意外と初デートの日の天気はバカに出来ないのでは、と思います。
 大サビは1番のサビと同じですが、最後に持ってくることによって、デートの集合時間が近づいてきたのでは、と考えられます。

 デート初日が晴れるのか、という他人からみたら、そんなこと拘らんでもと思うかも知れませんが、当人からしたらめちゃくちゃ重要なことなんですよね。「もう無理かなあ、うおー、神様なんとかして、効き目があったら子分になるからさ」というカクレンジャーのオープニングみたいな神にもすがる気持ちで過ごしたから、昼頃に晴れた喜びが大袈裟に聞こえません。

 メロディは、王道のアイドル曲で、Aメロの少しゆっくりとしたテンポからサビではアップテンポになるのが、残念からラッキーへの心情の変化ともリンクしていて良いですね。個人的にお気にいりポイントとしては、「さっきまで降っていたから」のメロディが良いんですね。アッパー気味な気分から、現実のデートに意識へと少し落ち着く感じが好きです。
 雨上がりの朝に聴きたい名曲です。

 MVでは、足元に散りばめられたの花びらがメンバーたちの動きを映えさせます。
 照明も太陽のように上から差し込むんですが、MVの前半で上を向いて歩く真凛ちゃんが印象的です。メンバー一人一人の花の色も違いますし、そのままNFTトレカに使えそうなカットも沢山あります。これは、それぞれの推しの方にはたまらないんじゃないでしょうか。
 
 ちょっと曲との距離を離して考えると、センターの坂本真凛ちゃんは、かつて「青春ガールズ」公演で「雨の動物園」を担当していました。「雨の動物園」は女の子視点で、雨が降る動物園を二人で貸切るようにデートする世界観です。今回の「雨のち奇跡的に晴れ」は「雨の動物園」と兄弟のような関係の曲かも知れません。雨のデートと雨上がりのデート、どちらも二人きりで動物園を楽しむというモチーフです。
 坂本真凛ちゃんのこれからともリンクしそうな素敵な曲になっています。
 ちなみに、センターを務めることについて、少しだけ彼女はアメブロに書いていますね。
 連続して読んでみましょう。



 センターが自分に務まるかな、という不安から実際にセンターとして笑顔いっぱいで活躍している今を見ていると、まさに「雨のち奇跡的に晴れ」。
 いや、今回のプリマステラのメンバーたちには、雨の期間を経験したメンバーも居るのではと思います。僕は坂本真凛ちゃん視線で曲を楽しみましたが、たとえば、水野愛理視点で聞いてみたら、上村亜柚香視点なら、岡本彩夏視点なら…。
 一人一人の視線でも楽しめる曲だと思います。

 青天を衝く彼女の笑顔が、今度は虹をかけるところを見てみたいと思いながら、今回の記事を終えます。
 やったね!