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2020年5月10日日曜日

おすすめの映画と本「小倉トースト」

時代遅れ


 皆さんの思い出は、どんな形で残っているでしょうか。
 新型コロナウイルスの影響による外出自粛のおかげか、最近は過去に観た映画や過去に読んだ漫画、昔の思い出話をする人が増えたように思います。
 ここ数年の思い出は、スマホやPCのメモリーの中に入っている方が多いかも知れませんし、もっと前の思い出は写真としてアルバムの中に残っているかも知れません。

 今回紹介する大矢真那写真集「小倉トースト」は、2018年刊行にも関わらず、誰かの遠い想い出を覗いているような懐かしさを最初感じました。

 朝起きて、朝食を食べる。
 洗濯物を干して、ゴミを出す。
 町に出る。
 モノローグのように昨日のことが思い出される。
 公演でお昼ご飯を食べる。
 花やしきで遊ぶ。
 晩御飯を食べる。
 初めて引っ越してきた日を思い出す。

 勝手に構成を考えてみたんですが、どうでしょう?
 真那の何気ない1日が、フィルム撮影で切り取られています。
 SKE48に在籍していた頃と比べて、さらに透明度が上がったのではないか、と僕は思っています。こんなに朝の光と相性が良いとは。
 また、時々出てくるこちらを見つめる視線の美しさ。接写に耐えうる肌の白さ。
 大矢真那という人の素材の美しさを感じます。

 この写真集を観ていると、とても不思議な気持ちになります。
 何か、少し前に消えてしまった大切な文化というか美しさの在り方を勝手に感じてしまいます。あまり、グラビアや写真集に詳しくはないですが、今の流行りのベクトルとは違う何かを感じます。
 それは、大矢真那という人の物の考え方や言葉を読んでいても思います。今では軽く考えられるようなものや忘れてしまわれそうなことを、雑に扱わずに大事にしているように僕には思えます。
 そういうことを、人は「時代遅れ」というのかも知れません。しかし、真那にはずっと大事にしてい欲しいですし、僕らも時々思い出したい、そう思わせてくれます。
 だからこそ、「フィルム撮影」という、少し懐かしい世界を作って、時代を関係ないものにしたのかもしれません。

 色々と小難しいことを書きましたが、食べる幸せ、笑顔になる幸せを教えてくれる写真集でもあります。
 こんな世の中で、ちょっとほっこりさせてくれたり、ちょっと大事なものを思い出させてくれる、丁寧な写真集だと僕は思っています。
 何か色々なものに流されそうになったとき、変わらないものがあることを思い出させてくれる、懐かしいけれど新しい1冊でした。 
 
 

2020年5月9日土曜日

君は「あおぞらじお」を知っているかね?

まだまだ進化していく




 新型コロナウイルスの影響で、まだまだ自粛が続く2020年5月9日現在。
 48グループも各種イベントが中止。
 「おうちで握手会」など、映像による発信がメインになっています。
 そんな中、SHOWROOMで面白いことをしているメンバーが居たので、今日は書きたいと思います。
 それがSTU48の兵頭葵さんです。
 「あおぞらじお」というタイトルで、SHOWROOMを利用したラジオ番組をしていてですね。

 ① Twitter、前日の放送でテーマを募集。
 ② ファンがTwitterで「#あおぞららじお」とつけて、メッセージとテーマの回答、リクエスト曲を書く。
 ③ その日の放送で読んで行く。

 まあ、こんな流れなんですが、SHOWROOMってファンからくるメッセージをすぐに読んで打ち返すイメージがあったんですが、ちょっとだけ時間をおけるというのが良くてですね。
 僕みたいな、コメントを考えているうちに配信の話題が次に移ってしまう人間からしたら、ありがたいルールです。
 もともと、僕と同じ、愛媛県宇和島市出身ということで、STU48の中では応援していたんですが、ますます注目したいメンバーですね。
 
 この試みですが、前からやってたみたいなんですね。
 なんで気づかなかったんだよ、お前だけ別の時間軸で生きてるのか?プリテンダーか?という方もいらっしゃるかも知れませんが、Twitterを開くのが、記事の更新のお知らせをした時か、お昼休みと寝る前ぐらいなので、なかなか気づけなかったんですね。気づくのが遅くなりました。
 
 さて、昨日のお題は「好きな映画」でした。
 僕は自分の故郷を舞台にした「海すずめ」をチョイスしましたよ。
 ここで、熱心な僕のブログの読者なら、「えっ?」と思ったかも知れません。
 お前、2018年のベスト、「愛しのアイリーン」だよね? 
 2019年は「メランコリック」だよね?
 っていうか、3度の飯より「魔界天生」や「悪魔の手毬唄」が好きだよね?
 そういうツッコミがあるかも知れません。
 いや、兵頭さんみたいな素敵な女性に、人の命が鳩の羽みたいに軽く失われていく映画をおすすめできるか!
 「スターウォーズ」も一瞬浮かんだんですが、オリジナル3部作派とプリクエル派と新3部作派の泥沼抗争を招く恐れがあるので、やめておきましたよ。
 全部、良い映画なんですけどね。
 
 放送は23時からで、メッセージを読んだあと、テーマトークへ。
 ラジオ番組と同じようにリクエスト曲を流すんですが、個人的には、STU48の「暗闇」のカラオケバージョンが、BGMとして素敵だという発見がありましたね。
 久々に「僕の投稿読まれるかなあ」というワクワクを感じることが出来て嬉しかったですね。
 また、紹介された映画に関して、兵頭さんだけでなく観に来ている人たちのコメントも一緒に読まれるのも良かったですね。
 映画版の「パトレイバー」が好きな人やキアヌ・リーブスの「イルマーレ」を知っている方も居てちょっと嬉しかったですね。
 何より、配信とコメントまでの時間を置くことで、内容の質が高くなっているんですよね。ラジオという構成があるので、ダラダラもしていない。
 知らないところで、SHOWROOMの使い方をアップグレードできているなんて、凄いメンバーだな、と改めて感じました。
 また、チャンスがあれば参加したいと思います。


 それにしても、甲斐心愛ちゃんって可愛いよね。


 まさか、noteでも読めるなんてね。
https://note.com/stu_second_term/n/n346846c260cf

 くふふ。
 いや、待て、待て待て。
 このまま甲斐心愛ちゃんにうつつを抜かし続けたらどうなる?
 多分、こうなるぞ!
 
 


 ふう、危なかったぜ。
 話を戻すと、「あおぞらじお」は、デジタルとアナログの間というか、ちょうど面白い感じでアプリの様式をハックしているな、と思いました。
 次のお題が「好きな時代劇俳優」とか「好きなネオショッカーの怪人」とか、「好きな韓国バイオレンス映画」とか、「好きな大河ドラマの回」が来たら、また勇んで参加したいと思っています。

 

2020年5月8日金曜日

出逢ってしまった二人

同じ時代にいたこと


 最近、ここ数年、NHKの大河ドラマをビンジウォッチするのにハマっています。
 昨日も「太平記」を見ながら寝落ちしてしまったらしく、目覚めたら、鎌倉の北条氏が滅んでいて驚きました。
 大河ドラマの面白さは、約50回近くのドラマの中で歴史という大きな波に、人間たちが飲み込まれたり、うまく乗ったり、という不思議な人間ドラマがあるので面白いんですよね。
 それから、この人がこの身分で生まれていなかったら、とか、この二人がもし、もっと違う時代で出会っていればと、妄想を広げることも多いです。

 「SKE48」という大河ドラマならば、どうでしょうか?
 僕は、江籠裕奈と小畑優奈の二人について考えてしまいます。
 
 江籠裕奈は、2011年10月16日、まだ小学生の時にSKE48に5期生として入ります。翌月のリクエストアワーでお披露目。
 まだ幼いけれど、整った顔立ちで静謐な美しさに満ちていました。
 少し照れ屋だけれど、真面目にレッスンに取り組んでいることが、「最強研究生」時代の真木子の口や生誕祭でのご家族の手紙から語られています。
 同期で同い年の市野成美との「えごなる」コンビが、SKE48の未来を作っていくことになるんだろうなあ、と2012年頃に本店からSKE48にスライドした僕は感じていました。
 
 
 時は流れて2015年。
 彼女は「コケティッシュ渋滞中」で選抜入りします。
 この年は、彼女は総選挙での速報にランクインするも、残念ながらランクインは出来ませんでした。この時の総選挙のソフトの特典で江籠ちゃんが、控室で人知れず涙を流しているのが、とても印象的でした。何か、彼女のイメージを勝手に自分はつけていないか、と反省しました。
 ただ、彼女にもSKE48にとっても2015年は節目の年で、松井玲奈がこの年に卒業し、SKE48を支える大きな何かが失われてしまった気がしました。
 そして、奇しくも2015年にSKE48に合格し、「コケテッシュ渋滞中」でお披露目されたのが、7期生の小畑優奈。後のSKE48のセンターでした。

 
 小畑優奈の良さは、彼女が醸し出す和やかさだと思います。
 奇しくも同時代に欅坂46のセンターをしていた平手友梨奈さんと真逆のベクトルの輝きだと当時は感じていました。その人が笑うだけで、周りが明るくなる感じ(ちなみに『けやけ』の運動会とかで笑うてちも好きです)。
 「意外にマンゴー」で彼女がセンターになった時、SKE48に新しい風が吹いた気がしました。
 なんだか抽象的な表現になりますが、「こういう選択肢もあるよ」というのを提示された気がしました。
 彼女がセンターになるまでの布石としては、2015年の加入から湯浅支配人が「エースの大本命になる可能性も」と評価していましたし、同年、SKE48の次世代ユニット「ラブ・クレッシェンド」に江籠ちゃんと共に選ばれています。
 2016年のSKE48全員でのソロコンサートでは、各グループの曲を唄い、様々な表情を魅せることで引き出しの多さも見せつけ、カワイイだけではなく、表現力もあるところをファンに見せていきました。

 江籠ちゃんとゆななの共通点を考えると、入ったばかりの頃は、二人とも自分から喋るタイプではないこと、実は負けず嫌いな努力家なところ、そして、同期が逸材揃いだったということがあります。
 江籠ちゃんが加入した期である5期は、菅なな子、古畑奈和、新土居さやかを達が、どんどん選抜に入っていき、宮前杏実は「12月のカンガルー」でWセンターになります。
 同じくゆななが加入した7期も、「前のめり」で選抜に選ばれた後藤楽々を始め、野島樺乃、末永桜花、浅井裕華たちもいますし、ここにドラフト2期の5人が加わる「7D2」というくくりが生まれます。
 どちらも、SKE48の歴史の中で重要な期だったと思いますし、今も残っている各期のメンバーは、それぞれのポジションで活躍しています。
 二人の違いを強いて挙げるとするならば、江籠ちゃんが期の最年少グループだったのに対して、ゆななは、期の平均年齢ぐらいだったということぐらいでしょうか。
 そういえば、江籠ちゃんは「天使」と形容され、ゆななは「カワイイのレアル・マドリード」など凄い形容をされていましたね。
 
 「意外にマンゴー」のリリースと共に、SKE48運営はゆななの売り出しをスタートします。雑誌の表紙や各種ポスター等にゆななが前に出ていきます。この時、江籠ちゃんの方は、「P4U」のイベントで1位になって獲得した、初めてのセンター曲である「奇跡の流星群」を唄っています。それぞれが自分のセンター曲を手に入れていたわけです。

 SKE48がリリースされた2017年の総選挙では、ゆななは72位にランクイン。江籠ちゃんは、36位にランクイン。この年、江籠ちゃんは速報圏外というまさかのスタートでしたが、そこから見事にまくってランクインします。
 この時のブログが凄く良いので、是非、ご一読ください。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12284704226.html

 「どんなときでも 諦めない心が大切なんです!」をまさに体現した選挙だったと思います。また、江籠ちゃんが自分の気持ちを熱く語る文章に、今読んでもちょっと泣きそうになります。
 2017年は江籠ちゃんとファンの方たちにとって、大躍進の年だったんですね。
 

 翌年の始め、「無意識の色」がリリースされます。
 センターは前作に引き続き、ゆなな。 
 このMVは、ゆななや楽々、菅原たちが、これまでのSKE48の歴史をラーニングしていく風に感じます。ナゴヤドームの映像が少しだけ出ていて、ひょっとしたら、もう一度目指せるかも、という過去と未来が繋がるMVで、僕は大好きです。
 きりっとした顔のゆなながカッコ良かった記憶があります。
 10周年という節目の年であり、この年に何か大きな発表があるのではないか、とコンサートの度にワクワクしたものです。


 
 さて、この2018年の総選挙では、速報の時点でゆななは16位、江籠ちゃんは95位にランクイン。二人とも昨年の速報値を超える順位でのスタートに成功します。最終的には、ゆななは34位に、江籠さんは35位にランクインします。奇しくも二人が並ぶ形でランクインすることになりました。

 この次にリリースされた「いきなりパンチライン」では、松井珠理奈がセンターに復帰。しかし、休養のため、メディアでのセンターは須田亜香里中心でした。この曲のカップリングでは、「花の香りのシンフォニー」が収録されています。
 この曲は「P4U」のイベントで再び江籠ちゃんがセンターを獲得した曲で、この曲の優しいサビのメロディが素晴らしくて、春先の散歩でよく聴いたものです。
 曲との相性もあると思うんですが、総選挙2位となっただーすーを代理のセンターとして持っていき、彼女の知名度はこの年に爆発的に上昇していきます。
 「Stand by you」のリリースで松井珠理奈が復帰。こちらもセンターは、松井珠理奈です。

 そして、2019年2月12日。
 小畑優奈は突然の卒業発表をします。
 3月26日には卒業公演が行われ、最後の握手会も後日して、彼女はSKE48を去りました。
 
 ゆななが書いた最後のブログを観てみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12439811663.html

 「アイドルとしてやりきってしまった」という言葉が重くてですね。
 センターとしてグループの最前線に立って、テレビにも沢山出て、雑誌の表紙にもなってと、確かにアイドルとしてやれることのほとんどをやってしまった感がありますね。

 もし、2020年の今なら、もっと柔軟にゆななのハンドメイド作品をグッズとして、売るという柔軟な選択が出来たのではないか、とも思うんですが、彼女は卒業後、ユナとして、Youtubeでの動画配信や自分が作成したハンドメイドのアクセサリーの販売を始めます。
 「SKE48」という看板を捨てて、自分の力だけで自分の好きなことをしていく、という彼女の姿勢は尊敬できます。
 ただ、SKE48としては、大きな柱どころか、何か未来への可能性の核となるものを失ってしまった気も当時の僕はしていました。
 ゆななを中心に描いていた円があるとすれば、その円の周辺に居た楽々、菅原、愛理たちにも何か影響があるのではないか、と凄く心配でした。
 そして、この活動期間の短さは、なんとも儚い感じがします。
 
 やがて、夏に江籠ちゃんセンターの「FRUSTRATION」がリリース。
 この曲のカップリングには、江籠ちゃんセンターの「ゲームしませんか?」が含まれています。こちらも「P4U」でのイベントでの勝利からです。
 そして、この年、江籠ちゃんは6月10日に行われたイベントで、牧野アンナ先生からMVPをもらいます。
 「ENTAME next」の中では、2018年を「何をやってもうまくいかない1年」と語っていましたが、昨年の悔しさを払拭するかのように活躍していきます。
 江籠ちゃんは、奈和ちゃんの初センターに対して、「悔しいよりも嬉しい」と語り、自分の立ち位置にこだわらない、という思考に変化していきます。
 また、江籠ちゃんのちゅりへの信頼度が高まっていくのもそうなんですが、後輩たちの「先輩」として活躍していきます。
 最近では、江籠ちゃんの配信とかを観ていると、何かホッとするような安心感を覚えることもあります。
 この嬉しさと悔しさを感じた4年間が、江籠ちゃんの歴史の中で重要な4年の気が僕はしています。

 一方、ゆななは、動画配信と自分で作ったアクセサリーを販売していきます。
 「Lien」というブランドを立ち上げて、自分がデザインした商品をどんどん販売していきます。また、プロデュースブランド「Plume Calin」ではモデルもしています。このブランドの名前は「愛らしい羽」で、ロゴには「天使」の羽をイメージしたものがついています。
 自分のやりたかったことを、ゆななも具現化していったわけです。
 個人的には、すーめろさんとコラボしてほしいな、と願っています。
 
 2020年5月8日現在、SKE48の歴史は進み続けています。
 僕がよく見る大河ドラマでは、長い歴史の中で、表舞台に出た期間は短くても大きな改革をした人物もいれば、浮き沈みがありながらも最後には何かを成し遂げる人物もいます。

 コロナウイルス後のSKE48がどういう動きをするかは、全く予想ができません。
 ただ、二人が出会い、一緒に居たこの4年と少しの間は、長いSKE48の歴史の中で、そして、江籠ちゃんとゆななの歴史の中で、重要な期間だったと後々になって再考されるのではないか、と最近は思っています。

2020年5月7日木曜日

二人に惹かれる理由

受け継ぐのか断絶するのか?


 「温故知新」という言葉が好きです。
 あの頃は良かったと思い出に浸るだけなら、「どうぞご自由に」で終わりますが、明日を作るためのヒントに昔のことを知るのは、とても重要だと歴史を見ていると思っています。

 先日アップした「5月3日松井珠理奈 SHOW ROOM配信の感想」と、そのもう一つ前の古畑奈和を題材にした「涙は知っている」や「誰かの耳」の記事を読んでくださった方々の感想を読んでいて、ふと思ったことがあります。

 なんで、この二人のことをよく書くんだろう、と。

 松井珠理奈と古畑奈和の共通点って皆さんはどんなことを思い浮かべますか?

 一見すると、あまり共通点がなさそうなんですが、二人の間に一人の人物を置くと、少し見てくる気がします。

 それは、大島優子です。「マジすか学園」風にいうと優子さんです。

 まず、奈和ちゃんと優子さんの接点を考えてみると、同じチームK兼任の前の武道館での「制服が邪魔をする」です。

 奈和ちゃんは、ゆりあや花音と一緒に若手選抜として、この曲に挑みます。しかし、リハーサルが終わった時点で、大島優子に若手選抜が集められます。
 2013年の「水着サプライズ」によると、「あ、ちょっと違うな」と思ったそうです。「白黒つけようじゃないか」のソフトを持ってらっしゃる方はメイキングを確認していただきたいんですが、ここで優子さんは、「制服が邪魔をする」の歌詞の意味、表現について後輩に丁寧に指導していきます。
 なぜ、ここでこういうふりつけをするのか、なぜ、こんな歌詞なのかを考えること。そして、どんなことを考えてサビの振りで腕を動かすのか、などをアドバイスします。
 「本当はこういうのを丁寧に教えたい」という思いもメイキングの中で語っていました。
 また、インタビューの中では「怖がられたり嫌われたりするのは嫌だが、嫌われる覚悟を持つこと」、それは「未来のためであること」を語っています。
 この指導を受けたその夜、奈和ちゃんは、AKB48のチームKへの兼任が告げられます。

 チームKに上がってきた奈和ちゃんは、めきめき頭角を現します。
 「表現力があるな、っていうのは、今回のドームのKのリハを見て思った」と2013年8月31日放送の「AKB48のオールナイトニッポン」で当時はまだ、SKE48に来る前だった宮澤佐江ちゃんが言うと、優子さんは次のように語ります。

「あたし、『ヒグラシノコイ』をさ、一緒にさ、公演でやってるんだけど。16歳なの。なんだけど、凄いよね。表現力凄いなと思ったもん。16歳で、えーっと9歳違うのか。

 で、『ヒグラシノコイ』っていうのが、16歳の歌なんだよ。
 でも、難しいの凄く。
 だから、あたしが、一生懸命読解しても歌詞を『この曲凄い難しいなあ』と思って。どう表現すんだろう奈和ちゃんって思ったけど、なんかね。16歳なんだけど。
 過去の16歳の自分を見ているかのような表現の仕方をするの。
 だから、凄いの。
 こんな風な顔をしてこんな感じで唄うんだ、と思って。
 大人びてて、なかなか難しくて。自分の中でかみ砕くことできてないんだと思うけど。でも、出てくるものが凄い違う」

 子供のころから演技の仕事をしていた、というのもあるんでしょうが、優子さんの歌詞を読み解いていくという姿勢は、曲の世界を表現するのに必要だと僕は思います。
 凄いめんどくさいですけどね。
 でも大事だと思います。
 「カラオケ」じゃなくて、ちゃんと「表現する」には。
 曲と向き合い、考えることが出来ている古畑奈和。
 彼女なりに、武道館の時に受けたアドバイスの影響もあるのかも知れませんし、元々、曲と向き合うことが出来ている人なのかも知れません。ただ、あの大島優子を納得させることが出来るのは凄いと思います。
 他にもツインタワーやチームKの先輩、そしてチームAに移っても、様々な経験をしていきます。
 2014年、大島優子の卒業公演に出た時、彼女はブログの中で次のように書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-11874889928.html


 やがて、彼女はミュージカルに出演し、2015年には大島優子も出ている「ヤメゴク」の第3話に、今度は女優として再会します。

 そして、SKE48のユニットコンでは、今度は先輩として、後輩たちに「ファーストラビット」や「スクラップ&ビルド」の曲の世界を演出、綺麗に見える指の見え方まで指導していくことになります。
 もちろん、ソロプレイヤーとしての魅力もあり、「誰かの耳」の歌詞の世界と現実の世界を2重のレイヤーで描いた「感謝祭」での演出や「10クローネとパン」、「ガラスを割れ!」、「誰のことを一番愛してる?」と言った表現するのが難しい曲もしっかりと、歌詞の世界に向き合って表現しています。
 やがて、2019年、彼女はSKE48のセンターになります。



 次に、珠理奈と優子さんの関係を考える時に、同じチームKということもありますが、選抜で様々な曲を共にし、AKB48第2章の幕明けを告げる「UZA」ではダブルセンターを務めました。
 観る度に戦争映画を見ている気分になるAKB48のドキュメンタリー2作目の地獄の西武ドーム。あの修羅場を共に経験し、翌年に前田敦子を送り出した二人には、これからグループを背負っていくという使命がのしかかることになります。
 武道館のステージから、二人が飛び上がってでてきたUZAは、抜群にカッコ良かったです。
 選抜として共に戦い、総選挙では競い合った二人。
 珠理奈から見れば、あっちゃんや麻里子様と同じように頼れるお姉さんだったのかもしれません。
 珠理奈は優子さんの卒業公演で次のように語っています。
 
「優子さんのステージやパフォーマンスに対しての全力さを私はずっと見てきました。その背中を見て、私は優子さんのことを本当に尊敬してるなって、今日もステージに立って思いました。
 でも、優子さんの真似をしても、優子さんと同じことをしても、優子さんにはもちろん敵いません。
 人それぞれやり方があって、だからこそ自分らしく、一番大事なことは全力になることだよって、優子さんの背中からそういうことを教えていただけたなと思います」

 時々、忘れそうになるんですが、珠理奈って、本店の選抜にいる時は自分よりもキャリアの長いお姉さんたちに囲まれてるんですよね。頼れる先輩の熱い姿を見ていたんだと思います。そもそも、チームK自体が、チームAに負けないという気持ちが初期は強かったように思います。さらにチームBという超がつくほどのアイドル集団(飛び道具あり)まで来たわけですから。
 なんとなく、SKE48のAKBのパフォーマンスに負けるか、というものに近い感じがするのは、僕だけでしょうか。
 
 珠理奈もまた、全力を大事にし、曲を大事にする人でした。
 2015年7月5日。
 7D2が研究生公演に向けて、「SKE48」を練習している様子を松井珠理奈は見ていて、この曲についてのアドバイスをしていきます。
 
「ごめんね、こんなこと言うのもあれだけど、あんまり良い評判を聞かないので。
 そんなにあれかなあ、と思って観に来てみたけど。
 『SKE』だけ特に観たかったのね。
 その他の曲はSKEの為に作られた曲じゃないじゃん。もともとAKBの為に作られた曲で、「コケテッシュ」とSKEだけは、SKEバージョンというか、SKEの為の歌詞があるから。
 そこは、絶対そのSKEのパワフルさっていうか、見せなきゃいけないとこだと、私は凄く思ってて。
 SKEはアンコールの1曲目かな?
 ファンの皆さんが『もう1回出てきて~』って、もしかしたら、かからないかも知れないからね。かかるないこともあるから。
 その前で楽しいと思わなかったら、ファンの人が見たいと思わなかったら、アンコール言われないからさ。そういう可能性もあるから。そこで呼ばれて。
 一番最初に出ていくって行ったら。本当にね、出ていくところから、思いっきり走って出て行かないといけないと思うの。
 その曲が始まるとか、台詞しゃべるのが始まりじゃないの。もう一歩目踏み出した瞬間が、スタートだから。そこでどんだけ元気に、若いからさ。
 走る、走って、出たかったぁという気持ちで出るものだから。そういうのも意識しながら。
 踊りと歌だけじゃない。そういう気持ちがやっぱり大事だから。早く出たい、ステージに立ちたいという気持ちを、もっと見せて欲しいなあって。レッスンの時から。うん」

 かなり、長い言葉かも知れませんが、これって。「SKE48」という曲の本当に最初の部分なんですよね。「アンコールがかからないかも知れない」というのは、彼女と同じ1期生だった中西優香推しの僕としては、全く脅しではなく、現実に起こりうることだと本店研究生時代の歴史から感じます。
 そこから、珠理奈は研究生たちに寄り添って、一緒に踊っていきます。
 もし、「アイドルの涙」の4枚組をご購入されている方は、この辺りをじっくり見ていただけると、珠理奈が曲の一つ一つの歌詞と振り付けを大事にしていることが分かるかと思います。
 
 そして、更に研究生たちに厳しい言葉をかけていきます。

「全然元気じゃん。
 ごめんね、こんなこと、本当は言いたくないけど。
 全然さ笑顔とかできる体力あるじゃん。
 こんだけさっきレッスン終わってさあ。
 申し訳ないけど、集めちゃってさあ。
 やらしちゃったけどさあ。
 それでも、こんだけ出来るんだからさあ、だったらさあ、最初っからリハでそれ出してよ。
 なんか全然体力あるなら、まだまだやるよ?
 なんなら。私別に頭から全部、こうやってやっていってもいいよ。
 それぐらい、やんないとヤバい。
 と、思う。
 普通こんなに体力余ってない。うん。ストレッチとかできない。
 してくださいって言われても。もう、みんな倒れこむぐらいやんないと。
 前とか後ろとかね関係ないから。ファンの人はどこに居ても見てくれるし。
 でも、前の人がちゃんとやんないと、後ろで見てる、てか、後ろで踊ってる子たちは、ムカつくからね。
 まあ、ポジションとかは関係ない。正直。
 だけど、前に立ってる目立つポジションに居るんだったら、ちゃんとやんないと。
 みんな引っ張っていかないといけないから。
 後ろに居たって目立つ子は一番目立つよ?
 みんながそうなんないと。どこに居ても一番目立つって思われないと。
 それぐらいやって欲しいな。
 あんま言いたくなかったけど。
 なんか、見てたら。
 そういうことも言ってくれる人、多分、あんま居ないんだろうなあ、と思って。
 私たちの時はそれが居たんだけど。
 だから、ちょっと言ってしまったけど。明日笑顔で」

 自分が1期生の時のレッスン。
 センターとして後ろの子たちを納得させる為に努力してきたこと。
 後ろにいた子たちの視線。
 自分の前でセンターを踊ってきた人たちの背中。
 そして、リハーサルから全力で取り組むことの大切さ。
 それを伝えることが出来る人がもう居なくなっていること。
 ちなみに、SKEの歴史としては、この映像の前後でも、真木子やだーすーが、アドバイスをもちろんしています。
 しかし、センターを張っている人物が言う言葉の重さは違うと思います。
 この言葉を聞いている時のゆななの視線が印象的でした。

 翌日に珠理奈は、研究生公演初日も観に来ます。
 しかも、初日に出られなかった菅原やほののれなひゅーに、優しくこの経験が実は色々と分かることだということを語っています。
 休養が多かった彼女ならではだな、と思います。
 「悔しいけどさ。楽しみじゃん、出るとこ楽しみ。教えて下さい、見たい」
 この言葉を受けて、れなひゅーが凄い明るい笑顔になります。
 珠理奈にこんなこと言われたら、そりゃ新人は頑張るよ、となりますね。
 
 関係者ゲネプロ後、それぞれの曲の振り付けについてアドバイスしていく珠理奈。
 「スカートひらり」は、わざわざ自分の衣装まで用意して踊る珠理奈。
 アドバイスの最後に「引っ張っていって、みんなのこと。頑張ってね」という言葉は、2020年現在、とても重く感じます。

 それから、48グループもSKE48も様々な試行錯誤をします。
 全体コンサートでの終盤は、大人数である為についついぶらぶらと歩くための曲になってしまうことには、勿体なさを感じますし、バラエティ色を全面に出していく試みも増えていきます。
 その中でブレイクしていったメンバーがいるのは嬉しいんですが、でも何か大事なものが薄れていく感じもしました。
 AKBの曲で「バケット」という曲があり、珠理奈も歌唱メンバーとして入っているんですが、この曲が描く世界にすっかりなってしまった気がします。
 
 やがて、その変化と珠理奈のズレがピークとなり爆発したのが、2018年の総選挙のリハーサルだったのではないでしょうか?
 これまで先輩たちが背負ってきたものを、責任感の強い珠理奈が背負うことになる。
 その為に全力を尽くしていく。
 文化が違うもの同士がぶつかったら。
 世間は部分的な切り取りがあったというのが、僕の考えです。
 その背景に何があって、何故起こったのか?
 何故、大人たちはこの現象が起きる前に対処できなかったのか?
 「48」というネーミングライツをして、それぞれの独自の文化が育っていくのは良いことだと思うんですが、大事にしていることは共通していたかったな、とも思いましてね。
 今でもこのことは、考えます。
 
 やがて、2019年、「FRUSTRATION」で奈和ちゃんがセンターになったことに関して、珠理奈は「月刊エンタメ」9月号の中で、奈和ちゃんの同期や近い期の子たちに「すごく刺激になっている」と感想を語っています。そして、新体制になって「肩の荷が下りた」ということと、これまで攻めの珠理奈だったが、私がSKE48を守っている間に暴れまくってくれ、ということを一緒にインタビューを受けていたるーちゃんや後輩たちへの期待として語っています。

 今でも、ちょっとした本店のカップリングで参加した曲でもSHWOROOM配信で口ずさんだり、フリが入っている珠理奈。
 表現力の凄さで、下手に触れると大怪我をする欅坂の平手さんポジでも違和感なく自分のものにして、歌詞の世界を読み取り、ストンと自分に落とせる素養を持っている古畑奈和。

 この二人と奇しくも関わった大島優子。

 彼女を二人の間に置いてみていくと、なんで僕がこの二人に惹かれるかが、だんだん見えてきました。

 それは、「曲を大切にしていること」。

 こんな面倒くさいブログを書いている人間からしたら、ちゃんと曲の意味を考えて、体を動かせる人だと二人とも思います。
 よく、ダンスのSKE48と言われますが、僕としては「曲を大切にしているSKE48」で居てくれたら、まだまだ応援できるな、と思っています。
 その文化を珠理奈が後輩たちに残していって欲しいですし、奈和ちゃんはまだまだ見せて行って欲しいな、と思います。

 今回、大島優子という人をヒントに考えてみましたが、これが松井玲奈だったら、どんなことが見えてくるでしょう?
 また、文化の継承が出来るのが、珠理奈だけでしょうか?
 ちゅりは?
 だーすーは?
 本店9期生で超選抜たちと1年目から仕事をしていた大場美奈は?
 「ソーユートコあるよね?」のお家ダンス動画で抜群のパフォーマンスをした山内鈴蘭は?
 キャプテンの真木子は?

 時代の変化と共に滅びる文化なのか? 
 それとも形を変えてでも遺伝子として残るものなのか?
 
 この二人なら、そして、SKEなら。
 明るい未来を作ってくれると信じています。


※この記事はこの1か月間で皆さんからいただいたコメント無しには、思いつけない、書けない内容でした。本当に引用リツイート等でコメントをしてくださった方々、僕のTwitterアカウントに感想を書いてくださった方々に感謝して、この記事を終わります。

2020年5月6日水曜日

5月3日 松井珠理奈showroom配信の感想 

セットリストをかき乱せ!


 哲学者であり思想家の東浩紀「弱いつながりー検索ワードを探す旅」を読んだのは2014年のことでした。
 ざっくり書くと、たとえば僕らがGoogleで検索する言葉は偏っていて、毎日、同じような言葉を検索していないかい?という発見からスタートするこの本は、かなりの衝撃でした(本当にざっくり書いてるから、この問題の解決策を含めて、一読することをお勧めします)。
 無意識のうちに、無限に世界と接続するツールを、自分でその機能を狭めているのではないか?
 これは、別に検索ツールに限ったことではありません。

 たとえば、「ああ、48の曲になんだか飽きたなあ」とか、「プレイリストが決まり過ぎて退屈だなあ」とか、「軽い気持ちでSKE48の楽曲と映像についてのブログ始めたけど、なんか最近、メンバーの歴史ばっかり追ってないか?」という袋小路に突き当たる人も多いと思うんですね。
 そんな僕らの憂鬱をぶっ飛ばしてくれたのが、世界王者、松井珠理奈のカラオケ配信ですよ。
 彼女が先日唄った曲を、覚えている範囲で挙げていきましょう。

 ・チューしようぜ!
 ・センチメンタルトレイン
 ・誰かのせいにはしない
 ・叱ってよ、ダーリン!
 ・Mystery Line
 ・永遠プレッシャー
 ・エリアK
 ・花占い
 ・トイプードルと君の物語
 ・お手上げララバイ
 ・わるきー
 ・眼差しサヨナラ
 ・チューよりkiss
 ・ハレーション
 ・アボガドじゃねえし
 ・花火は終わらない
 ・大声ダイヤモンド
 ・スキャンダラスに行こう
 ・世界が泣いてるなら
 ・We`re All This Together
 ・Glory days

 正直に書くと、初めて聴いた曲が何曲かありました。
 さらに昔の本店の曲を改めて聴けたのも良くてですね。
 「アボガドじゃねえし」とか、久々に聴きましたよ。
 そういえば、珠理奈のキャリアの半分ぐらいは、本店のカップリングや公演曲も経験してるんですよね。
 もはや、「超選抜」とか「神7」という言葉は時代遅れとなってしまったのかも知れません。しかし、黄金期を知っているメンバーは48グループを見渡しても、峯岸さん、柏木さん、珠理奈ぐらいじゃないでしょうか(ゆいはんたち9期生はもう一つ次の波ですかね)?
 メンバーの中にはアイドル曲が好きで48グループの曲を沢山知っている子も多いですが、あの時代を経験した珠理奈が唄うことで、彼女が何をしていて、誰と歌っていたかなんかも連想できていいいな、と思っています。
 あと、ちゃんと定番も押さえているのも嬉しくてですね。
 「大声ダイヤモンド」のイントロを聴くと、やっぱり盛り上がります。

 携帯電話に入れている曲も、「シャッフル」設定にしても、最近は聴く曲に結構偏りが生まれているんですよね。そもそもダウンロードしてる時点で、曲を選別しているわけなので。
 昨日からは、「Spotify」なんかで知らない誰かの作った48のセットリストとかを聞いて楽しんでおります。
 そうすることで、いつも聴いていた曲が、違った聴こえ方がしてくるかもしれません。
 自粛期間中で、どうしても色々なことのマンネリ化が進む中、新しい発見やまた違った曲の魅力を知ることが出来た方も居たんじゃないでしょうか、「ああ、そういえばこういうブログにしたかったんだ!」という人もきっと居たと思います。
 彼女がSKE48に居る間に、曲の思い出を色々と聞きたいです。また、知らなかったり忘れてしまっていた曲も、魅力を知るきっかけをくれる人だな、と改めて感じました。

 

2020年5月5日火曜日

涙は知っている

誰かの未来を選び、育てること




 今更ですが、48グループでは、何度もメンバーたちは自分の価値を他者からの評価で選定されていく。
 総選挙なんか一時期までは全員参加でしたし、握手会の売り上げなんかもそうでしょうか?
 僕が結構辛いなあ、と思ったのが、ドラフト会議です。
 それまで一般人だった子が、先輩たちやファンに選ばれて、アイドルになる。
 かなりドラマチックな瞬間です。
 しかし、その逆もありきで、選ばれなかった人は名前や顔が知られた上で、一般人に戻ることになります。
 その子の物語はそこで終わってしまう。
 いやいや、それはオーディションも同じでしょう、という方もいるかも知れませんが、ドラフトの場合、それが生中継のリアルタイムで行われるんですよね。
 選ばれた者と選ばれなかった者の悲喜こもごもをリアルに我々も観ることになる。この進化系が毎週放送されていた「ラストアイドル」なのかな、とも思うんですがね。

 話を戻すと、惣田さんが選ばれた時の感動は、忘れられませんし(その後の彼女の快進撃も)、「ここがロドスだ ここで飛べ」の曲がじんと来るわけですが。
 
 その反面、選ぶ者たちにも葛藤があります。
 2013年11月10日に行われた第1回48グループドラフト会議。
 高柳明音を始めとするK2メンバーが5人取って行った背景に佐藤実絵子さんの「同期は多い方が良い」という考えや、チームSの卓が松本慈子を取ってじっくり育てようとしたこと(ちなみに、珠理奈が惣田さんの指名が決まった時に喜んでましたね)。

 じゃあ、チームEの卓はどうだったか。
 ここでは、まだ松井チームEだったので、松井玲奈、木下有希子、木本花音、梅本まどか、古畑奈和の5人が座っていました。
 中継やドキュメンタリーの映像を観ていると、皆の意見を聞きながら決めている感じでしたね。
 小石ちゃん、さーなん、どんちゃんを獲得した後で、4巡目をどうするかでチームEの卓は相談していました。

 ここでは、奈和ちゃんが獲得したい子と花音が獲得したい子のどちらを取るか、それともどちらを取らないかで揺れていました。
 「もし、この子が成長したとしたら、チームEの何かあれになるかなと思う。なんか下から来て絶対面倒はみたい」という奈和ちゃんのアピール。
 「チームの今の人数も合わせて全部考えて選ばないとだめだよ」、「今、もう3人取ってるんだよ。今19人なった」という梅ちゃんと玲奈ひょんの冷静な現状認識。
 さらに梅ちゃんから研究生が増えるかも知れないことや、自分たちが獲得した子たちと競っていくことになることが語られていきます。
 玲奈ひょんは、将来性を考えて花音が推している子を取った方が良いという考えです。
 花音は「私はここで終了するのが1番だと思うけど、もし、どっちか採るんだったらこっちだと思う」という考え。
 ゆっこは「止めておくのが1番いいかも、もう」と言います。
 最終的に玲奈ひょんは「でも、やっぱり今、奈和ちゃんがこの子の良さをみんなに話したけど、それでみんなが『あ~』ってならなかったってことは、やっぱり10はいってなかったなんだと思う」、「でも、すごいスタイルも良くて、いい子だなとは思う」とまだ迷います。
 梅ちゃんは、「でもさ、成長する子はいっぱいいるやろ、Eに」と奈和ちゃんに語りかけます。
 奈和ちゃんは、「ずっと見ていたら、この子が1番さ、出来ないながらもさ、ちゃんとやっているのが、あたしは見ていて良かったなと思ったの」と推している子の魅力を語ります。
 最終的に「これは、揉めるならやめよう」という玲奈ひょんの鶴の一声で、選択終了となります。
 この後の玲奈ひょんの言葉が凄く良くてですね。
 「奈和ちゃん。その分、これからチームEの今いるメンバーの中で今回採った子を良くしていこう」と真っすぐな瞳で語りかけます。
 涙がこぼれだす奈和ちゃん。
 さらに玲奈ひょんは語りかけます。

 「奈和ちゃんが初めて今回、誰かが成長する所を近くで見たいなと思ったよね?それはすごい奈和ちゃん自身の成長だと思うよ。だったら、今回採ったドラフトの子に一緒に観てあげるべきだと思う。私は。そういう風に気持ちを持っていこう。大丈夫?」
 
 こぼれる涙を両手で押さえながら、頷く奈和ちゃん。
 「気持ちは分かるよ、ごめんね」と玲奈ひょんが謝ります。
 
 この日の気持ちを奈和ちゃんは、ブログの中でこう書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-11683971693.html


 もともと、優しい子だとは思っていたんですが、想像力のリーチが本当に広い子なんだな、と思いました。
 ここから、彼女がドラフト生3人たちを育てていくことになるかというと、そうではありませんでした。
 大組閣で奈和ちゃんは、チームK2に行くことになってしまうからです。
 ただ、誰かの成長をみたいという彼女の熱い思いと涙は、多くの人の心を揺さぶったと思います。

 あの日の涙から約4年後。
 2017年11月12日。
 SKE48のユニット対抗戦が行われます。
 奈和ちゃんは、4人組ユニットで、彼女以外は、8期生の石黒友月、岡田美紅、白雪希白の4人。
 選んだ曲は「ファーストラビット」と「スクラップ&ビルド」の2曲。
 この時のことについては、以前書いた記事を読んでいただきたいのですが(記事の最後にリンクを貼っておきます)、奈和ちゃんが先輩として、後輩たちを引っ張っていく日がついに来ました。
 当時、岡田美紅を推していた僕は、奈和ちゃんしか先輩いないけど、大丈夫か?というのが正直な気持ちでした。
 しかし、当日のライブヴューイングを観た時、その不安は消し飛びます。
 「ファーストラビット」の時の後輩たちをメインにしてあげる演出。
 いやあ、この時ほど、推しの歌い方がさや姉をめちゃくちゃ意識してるじゃない、と感じたことはないです。
 そこからの「スクラップ&ビルド」の新しい世代がSKE48を作っていく期待感が良くてですね。あえて、2番の「確かに良い時代だったんだ、老人たちは懐かしむけど」を唄う奈和ちゃんのカッコ良さ。
 この時の気持ちを奈和ちゃんは、ブログの中でこう書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12327896004.html

 「いろは」というユニット名はそういうことだったんですね。
 また、結果ではなく、後輩の成長を望んだパフォーマンス編成も良かったですね。
 ちなみに、後輩目線からはどう映っていたのか。
 岡田美紅のブログを確認してみましょう。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=867994519082272227

 また、『100% SKE48』第4号の中では、振りを覚えてこれてなかった後輩を奈和ちゃんが「知らないよ」と怒ってからの指導をした話も載っていますが、真剣に向き合っているからこそ、彼女たちに成長してほしいと思ってるからだと思います。
 さらに言うと、彼女が見てきた先輩たち。
 それこそ、彼女にドラフト会議の席で優しく語りかけた松井玲奈が、名古屋ドームの前日に、後輩たちをどんな風に怒っていたか。
 3期生の木下有希子がコンサート前のリハーサルをどれだけ大事にしてきたか。
 そして、途中からの昇格とはいえ、梅本・木本の4期生二人が初代チームEでどれだけ苦労してきたか。
 いや、それだけではなく、大島優子や秋元才加といった歴史の証人たちともパフォーマンスをしているわけです。
 様々な歴史を彼女は受け継いできた人物でもあると思います。
 だからこそ、SKE48の本質を変えずに後輩たちを指導していったのではないでしょうか?
 おかげ様で僕の推しは、総選挙にランクインし、次はSKE48の選抜を狙っていました。だーすーを始めとする先輩たちを目指して頑張ることが出来ました。
 あのユニット対抗戦の日に届いたモバメの内容は、今でも忘れられないので、奈和ちゃんにはありがとうを言っても言い足りないぐらいです。当時、研究生だらけの環境の中で、選抜常連の先輩と真剣に向き合えたことは貴重な経験だったと思います。
 
 2020年5月現在、チームK2は彼女の後輩の方が多いです。
 彼女は率先して育てるというタイプではないのかも知れません。
 しかし、きちんと場を与えればきちんと、素晴らしい育成が出来る人だと僕は思っています。
 いや、ユニット対抗戦は短期モデルだろ、という方もいるかもしれませんが、長期モデルでも僕らの目に見えてないだけで、年中続いている公演の中で成長を促しているのかも知れません。
 ちなみに、僕はどちらかというと、ソロプレイヤーとしての奈和ちゃんが好きです。なんというか、SKE48の中のジョーカー的な強さというか、どの色の札でもない感じが好きなんですね(凄い抽象的な説明)。彼女の背中に憧れる後輩も少なくないと思います。ただ、先輩としての彼女もやっぱり素晴らしいんです。

 センターとなって、前に誰も居ない状況で踊った2019年を経てのこれから。
 いつかまた、古畑奈和とこれからを担う世代が交わる機会があれば、きっと後輩たちを成長させてくれるのでは、と思います。
 あの日の涙を覚えている人間としては、そして、ユニット対抗戦を知っている人間としては、これから来る者たちも大事に育ててくれると信じています。
 
 ※スクラップ&ビルドについての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_63.html

 ちなみに、今回の記事のタイトルはこの曲からとっています。


 
 

2020年5月3日日曜日

4月下旬のnoteを更新しました。

削られていくから浮かび上がるもの



 すっかり更新を忘れていた4月下旬にアップしたnoteの記事が2つあるので、こちらにリンクを貼っておきますね。

 一つ目は、映画秘宝が帰ってきたぞ、という記事ですね。
 本当に嬉しい限りです。
 最近は、「凪待ち」と「工作~黒金星と呼ばれた男」が面白かったですね。
 明日は、「よこがお」を観る予定です。


https://note.com/oboeteitekure913/n/n5d2c3b2a76ef

 2つ目は、SNSという繋がるための機能を持つものを、あえて繋げない、という試みをした記事です。こういう何かをハックして新しいことができないか、最近は色々と考えております。

https://note.com/oboeteitekure913/n/n057ff3abffb6

 あと、noteのサポート機能で、僕にサポートしてくださった多分、真那ファンの方々。ぺフォワード、この幸せを次に回します。