時はいつでも魔法の杖で
急に両親から連絡がありましてね。
7年ぶりに故郷の愛媛県宇和島市へ帰ることになりました。
僕が住んでいる関西から宇和島まで行こうと思ったら、約6時間ほどかかるわけです。
だから、今まで帰ることに対して後ろ向きだったんですが、丁度、今無職で時間もあるので、ここは一つ帰ってみるかと思いましてね。まあ、7年会ってない家族と話す戸惑いもありましてね。紅條の家は4人兄弟で僕は長男なんですが、僕だけ関西にいるのもあって、下の弟たちとは会わず仕舞いだったんですね。昔、住んでいた家はとっくに売り払って新しい家に住んでいるということで、どこかも分からないので、一度帰っておこうとも思いました。
まあ、さだまさしの名言で「親孝行は親が生きてるうちにしなければいけない」というのがありましてね。確かに、と思って新幹線に乗り、岡山へ。そこからアンパンマン号に乗って、松山へ。
そして、松山から宇和島へ。
またアンパンマンデザインでしたよ。
平日の夜だったので、指定席にしなくても結構余裕だったと、指定席に座りながら思いました。
16時10分に京都を出発して、到着したのが22時04分。
いやあ、流石に新書1冊読み終わりましたよ。
本郷和人先生の「考える日本史」を読みましてね。
「知っている」ことと「考える」ことの違いが印象的でね。「知っている」ことが多ければ多いほど「考える」ことも効率よくできていく。そして、深く考えて行く上では重要だというのはとても賛成でしてね。
日本史というジャンルですが、僕も曲を考えて行く上でのヒントになりましたよ。
家は新築の2階建てですが、自分の家感はまだ全然なくてですね。なかなか眠れませんでした。
翌日、昔住んでいた家を観に行こうと、日本映画でこすり倒されたことをする為に、町を歩いてみたんですが、まあ、何もかも変わってましてね。AKB48の名曲「seventeen」で、「時はいつでも魔法の杖で 道の景色を変えるけど」という歌詞があるんですが、まさにその通りでね。子供の頃に通った駄菓子屋さんはなくなり、仲の良かった友達の家はとっくに無くなって駐車場になっていて、隣りの家の人はもう引っ越していました。
昔は道行く人も知り合いが多かったんですが、今はもう僕が完全に異邦人になってましたね。そこで、手持ち無沙汰で何か変わっていないものはないかと探したところ、あっ、宇和島城に行ってみよう、と思いましてね。ブラブラ歩きながら宇和島城を目指しましたよ。写真の右上への方をみると、城の天守閣がぼんやり見えますよ。
そして、お城の方に歩いていくと、上り立ち門が見えてきます。武家の正門である薬医門の造りをしていますが、子供の頃の紅條は、裏門だと思っていました。
で、こっち側からは登らずに、さらに城の周りを迂回して、正門だと子供の頃、思い込んでいた長屋門の方から登っていきます。
ちなみに道は2種類ありましてね。
なだらかにゆっくりと登る道と。
昔からの石段を登っていく道と二つの道を選べます。
勿論、紅條は石段の方にチャレンジです!
「夢の階段を上れ!」を頭の中で流しながら、登ります(楽園の階段でも可)。
石段には、ヤブ椿が散り椿。
結構、石段はあります。
ただ、登って3分ぐらいで辛くなってきましてね。
「運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり」と映画「天と地」とみたいなことを言い聞かせながら石段を登っていきましてたよ。で、うろ覚えなんですが、天守閣に行く途中に公園と自動販売機なかったかな、と思い、石段を登っていくと、公園と自販機が!いやあ、文化遺産とかに自販機とか置くのはけしからんという人もいらっしゃるかも知れませんが、紅條は今回のことでバリバリの賛成派に回りましたよ。
再び、石段を登り天守閣へ。
この頃には頭の中は「夢の階段を上れ!」ではなく完全に大河ドラマ「真田丸」のテーマに変わってましたよ。
さあ、天守閣が見えてきましたよ!
登り切ったらこんな感じ。
振り返ると宇和海。
天守閣に近づいていくとこんな感じ。現存する12天守の一つなんですね。
なんとなく、黒澤明の映画「乱」の城を思い出しましたね。仲代達也さんが燃える城から出てくるところは、本当に城を燃やすという黒澤のスケールのでかさを感じます。さて、お城の中はこんな感じ。時代劇で切り合いしたら楽しそう(バカの感想)。
階段が急こう配なので、怯えながら登りました。
スマホを落とさないように外を撮影してみると・・・。
おお、こんな横顔も持っているのか。
2階には愛媛出身のイラストレーターの方がかかれた屏風もありましたよ。
最上階には宇和島の城下町が描かれた屏風が!
天守閣からの風景はこんな感じ。
さて、ある程度お城を楽しんだ後は、祖父のお墓参りにいきまして、墓掃除をしました。そして、帰りに伊達博物館へ!宇和島って、実は伊達藩とゆかりが深いんですよ。あと、何気に歴史好きの方でしたら、幕末に名前が出てきますよね。
受付の横に何やら写真とサインが!
うおっ!STU48きてるじゃん!
詳しくはこちらの伊達博物館のブログを。
兵頭葵さんは、僕と同じ愛媛県宇和島市出身とは!
よし、STU48では彼女を応援しよう。
基本撮影禁止なんですが、お雛様だけは撮影オッケーということで撮影してきました。伊達家のお姫さま特集が丁度してたんですが、幕末から明治期のお姫さまって写真が残ってるからどんな顔が分かるのがいいですね。みんな美人でしたよ。
こちらは、宇和島藩2代藩主伊達宗利が元々、埋め立ててで作ったお庭を7代藩主伊達宗紀が増築したものです。なんとも素敵なお庭なので、見てみましょう。
風が吹く度に微かに葉がゆれる音が気持ちよくて、なんというか、こういうところで思索をしたら、良いこと思い浮かぶんだろうなあ、とぼんやり思いましたよ。
自宅に帰って久々に再会した弟たちともぎこちないながらも会話し、映画の話で盛り上がり、最終的に兄弟4人で映画「コマンドー」の吹き替え版を観て解散するという謎の現象が起きていました。
故郷はすっかり変わってしまったところも多いですが、今でも変わらないところもあって。新しい発見もあり。このままここに居たい気もしますが、また元の暮らしに戻らないとと思っています。