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2018年12月31日月曜日

恋を語る詩人になれなくて①

名刺代わりの一撃


 SKE48の曲と言えば、何ですか?
 あまり詳しくない方や他店ヲタの方からすれば、「パレオはエメラルド」かも知れませんね。僕の周りの難波ファンの方は「チョコの奴隷」、坂道ファンの方は「マンゴー」と仰ってました。

 じゃあ、SKE48の入り口になった曲は何ですか?

 僕がまだ、AKBのゆるーいファンだった2012年頃、SKE48があるらしいというのを知りましてね。その頃、「SKEの『恋を語る詩人になれなくて』が凄い」という噂を聞きましてね。まあ、ネットなんですが。

 で、当時はYOUTUBEにこれでもかというぐらい色んな48グループの動画が上がってましてね。その中に確か公演だったか「思い出せる君たちへ」だったかの動画がありましてね。それを観てぶっとんだわけですよ。

 なんだこれ。
 なんか、凄いやつらがいるぞ。
 当時、W松井ぐらいしか知らなかったんですが、全員、凄い勢いで踊ってるな、と思いました。
 それは、アニマルスピリットと呼ばれる、言語化できない肌感覚。
 言語化できないけど、凄いことは分かる。
 そんな感覚でした。

 それから、まだDMMの存在すら知らなかったので、CDショップで公演のCDを買い、何か月後かの握手会の物販で公演DVDを買って観たわけです。


 初代チームS。
 それは牧野アンナの厳しいレッスンを乗り越えて舞台に立った者達。
 (厳しいレッスンの内容はドキュメンタリー映画『アイドルの涙』を観てね。背中の痛みでのたうちまわるひょんさんとか、観てて辛いですけど)

 その「制服の芽」公演の1曲目が「恋を語る詩人になれなくて」なんですが、まあ、イントロから爆発力が凄い。メンバー一斉にジャンプするんですが、リクアワのオーディオコメンタリーによると、このジャンプの高さでメンバーのその日の体調が分かるそうです。


 最近だと「春コン2018」のガイシ夜公演の「恋を語る詩人になれなくて」のジャンプを観て欲しいんですが、だーすーの流石は元チームSというジャンプが観られますよ。
 
校庭の楡の木陰 リルケの詩集を捲り 唇が動いている」でいきなり、珠理奈、玲奈、くーみんという1列目、今考えても豪華です。


 ゆりあも、ゆっこもいる!
まさなもいる!


 だーすも中西もいる!

 しーたんもりかちゃんすも、あきすんももきゅもいる!

 るみもカツオもいる!

 チームS最高!
 いやあ、取り乱してしまいました。
 スポーツもそうですが、自分が好きになった頃のチームって思い入れがありましてね。
 さて、歌詞の世界に戻りましょう。

 「遠くから気づかれずそっと守ってあげたい 眼差しは君を暖かくするよ 太陽」詩集を読んでいる女の子を遠くから見守っているという「ポリスストーリーリーボーン」のあらゆる職に就き娘を見守るジャッキーみたいな感じですかね。

 「恋を語る詩人になれなくて・・・ 言葉を飾るより 無口な僕でいる

 詩人のように言葉を飾ることは出来ない。だから無口でいる。ううん、なんて不器用な主人公。
恋を語る詩人になれなくて ときめきはときめきのまま 野に咲く花であればいい

 言えないのなら、そのときめきは「野に咲く花」つまり、手を入れずにそのままにしておけばいいということなんですね。これって、後ろ向きにも取れるんですが、奥ゆかしさとも考えられます。また、映画「ロッキー」のロッキーは本当に言葉を持ってなくて、映画の最初の方は、マジで言わなくていいことばっか言うんですね。そんな口下手なロッキーは、ボクシングで魅せていく。じゃあ、SKE48は?全力のダンスで魅せていく。

 2番では女の子とすれ違って「ほのかな石鹸の香り」を感じてその後ろ姿には「木漏れ日」があたっています。ここでも太陽が見守っています。
 なんか、「青空片思い」とのつながりも考えたくなります。

 語るだけで消えてしまいそうな・・・ 伝えることよりも 大事なものがある
 うう、伝えずに終わってちゃうの・・・。
 「大事なもの」とは、何でしょう。
語るだけで 消えてしまいそうな・・・。切なさは切なさのまま 愛しい花であればいい
 ああ、やはり伝えずに「切なさ」を抱えながら生きて行こうという考えなんですね。

 そして、また大サビです。
 「恋を語る詩人になれなくて 言葉を語るより 無口な僕でいる

 やはり言葉では伝えない。
 でも、恋愛は言葉だけとは限りません。
 遠くから見守りながら、いつか、その眼差しに向こうが気づくかもしれません。
 その時、どうなるか。

 さてさて、公演に話を戻すと、やはりチームSの全力が伝わってくる楽曲でしてね。ワクワクするというか、うわあ、S公演が始まる!という感じなんですね。さらにこれが、48グループコンになると「詩人」が来た時の盛り上がりたるや。2013年のAKB48のドームツアーの名古屋ドーム初日の「少女たちよ」の後の「詩人」が来た時の盛り上がり!隣の席の人が「きたああ!」と叫んでましたが、僕も全く同じ心境でした。

 ちなみに詩人といえば、感想のダンスですよね。
 指さしからの足上げ!




 この足上げは、カツオからゆっこへと受け継がれていきました。さらに宮前にも受け継がれていきましたね。

 この曲はSKE48イズムというなんとも説明しにくいけれど、確かにあるそのイズムを感じさせるかけがえのない曲です。昔のファンで好きな人も多いでしょう。今のメンバーと比べて「昔はよかった」と思うかも知れません。僕はこの記事を書いている時、そう思っていました。ですが、今のメンバーも必ず追いつけると信じています。なので、いつか、若手メンバーにも受け継がれていってほしい曲です。ロッキーからクリードへチャンプを継いだように。









2018年12月30日日曜日

2018年 紅條的 SKE48曲 ベスト5

2018年 紅條的 SKE48曲 ベスト5


 SKEが今年リリースしたシングルが3枚。それだけだと寂しいので、本店カップリング曲なども対象にベスト5を作ってみましたよ。トップ3はかたかったんですが、後ろの2つが迷いました。

第5位「波が伝えるもの」


 今年の総選挙曲ではベストだと思います。
 映像と曲のバランスも良かったなあ。
詳しくは「波が伝えるもの」の記事を参照。

第4位「観覧車」


 本当に良くてね。まだ買ってない人はおすすめです。 
 来年のリクアワはこれいれようかな。
詳しくは「観覧車」の記事を参照。

第3位「Stand by you」


偶然にも生じた「前のめり」の伏線回収と松井珠理奈復帰を含んだ曲と映像が、非常に素晴らしいです。曲もワクワクする前奏が良いですよ。
詳しくは「Stand by you」の記事を参照。

第2位 「誰かの耳」


 もう、今年、この曲を連想させられることが何度あったでしょう。
 あまりにも溢れている匿名希望の誹謗中傷。危うく自分もそっちに流されるかもしれない現代、この曲の存在感はでかいのではないでしょうか。
詳しくは「誰かの耳」の記事を参照。

第1位「無意識の色」


 曲、映像、どちらも今年最高の1本ではないかと思います。
 SKE10周年のメモリアル色が強いですが、これまでの思い出を振り返り、新しいところへ向かっていくMVのワクワク感は、素晴らしいと思います。
詳しくは「無意識の色」の記事を参照。

 曲と映像の楽しみ方は人それぞれなので、「あの曲が入ってない!」という方もいると思いますが、SKEの曲に順位をつけるなんてナンセンスだぜ。アンタが良いと思ったその曲がベストオブベストなのさ(急に翻訳口調)。来年も良曲に出会えることを楽しみにしています。   
  

2018年 紅條的 映画 ベスト10

2018年紅條が面白かった映画ベスト10

※今回のブログは映画「アイドル」大好きな人は読まれて不快になる可能性があります。


 普段、映画ばっか観てるんで、今年劇場で観た映画の中でベスト級を10作挙げていきますよ。

 ちなみにワーストは下記の通り。

3位「デトロイト」


 いや、映画自体はいいんですがね。観終わった後の、ダメージが半端じゃなくてですね。心がここまでしんどくなるともう一度観たいとは思えないんですね。本当に映画自体はいいんですよ。




2位「暁に祈れ」


 前半で心が折れそうになるぐらい、タイの刑務所の描写がえげつなくてですね。後半の盛り上がりっぷりは大好きなんですが、そこにたどり着くまでに、2回ぐらい「劇場を出ようか」と思うぐらい恐ろしい映画でした。ただ、キックボクシングのとこは本当に燃えるんだよなあ。



1位「アイドル」


 初日の1回目に観たんですが、もうSKEファン辞めようかなと思ってしまいましてね。この映画のおかげで一部のメンバーのことが一時期本当に嫌いにまでなってしまいましてね。紅條は、出来るだけ多様性を認めていく方針なんですが、なんかなあ、と思いましてね。しかも、メンバーがお勧めすれば、するほど、自分の価値観と今のSKEの方針がずれてんのかなあ、と思いまして。いつか書くタイミングがあれば書ければと思います。どうしても「アイドルの涙」と比べてしまうんでねえ。今は、またSKEへの熱が戻って、みんな大好きになってますが、2作目に期待したいなあと思います。





 うーん、思い出してもモヤモヤしてくる。さて、いよいよベスト10ですよ!

第10位「華氏119」

 
どんどん、今の日本とリンクしているところがあって、ホラー映画みたいでした。ムーアの映画は観たことなかったんですが、今後はチェックしたいなあ、と思わされた作品です。






第9位「億男」


 お金との付き合い方について考えさせられる映画でしてね。僕のお金の使い方は、果たして正しいのか、と考えさせられましたよ。主題歌のバンプオブチキンの「話がしたいよ」は会社辞める頃によく聴いていたのもあって、思い入れがありますよ。





第8位「パパはわるものチャンピオン」


 実は新日本プロレスファンでしてね。一番好きなのは、中邑真輔なんですが、WWEに移籍したので、今はそのライバルの棚橋中心に応援してますよ。現実世界で怪我を抱えている棚橋と、作中の大村が重なってみえてねえ。主題歌の高橋優さんの「ありがとう」もお勧めですよ。




第7位「レディ・プレイヤー1」


 スピルバーグの新作ということで、公開前から楽しみにしてたんですが、流石の出来ですね。「俺はガンダムで行く!」が流行語大賞に入らないのは、納得いかないところです。映画秘宝の「俺はメカゴジラで行く!」も面白かったなあ。



第6位「斬、」

 
 みんながみんな好きなタイプの映画ではないですが、刀の怖さ、それを抜くことの怖さを描いた映画は、今の日本映画では珍しいのではないでしょうか。「戦わない」という選択肢を選ぶのも、また勇気がいることです。




第5位「アイ、トーニャ」


 屑の見本市のような映画でしてね。特にショーンは超ヤバいので、ぜひ観て欲しい。僕も一歩間違えたらショーンになるな、という自覚があるので、自分の発言には責任を持ちたいですね。もうね、ライバルを襲うシーンのポンコツさは、「ナイスガイズ」のライアン・ゴズリングの潜入シーンの目も当てられない感じを思い出しますよ。




第4位「ボーダーライン・ソルジャーデイズ」


 詳しくは書けないんですが、「マジか、うわ、マジかマジか」と言いたくなるシーンが来てしまいましてね。そのあとのしばらく何も動かないシーンの「うわあ、やっちゃったよ」感が凄いです。終わり方も凄く印象的なので、3作目が楽しみな1作です。


第3位「孤狼の血」


 東映、やれば出来るじゃねえか!という映画でした。こんな昔の匂いを残しつつ、現代にアップデートできたのは、凄い。ストーリーもかなり練られていて、ミステリー好きな方にもお勧めです。松坂桃李の今年のベストアクトではないかと思っています。



第2位「イコライザー2」


 マッコールさんの生き方が格好良すぎてですね。続編になったことで普段の生活や家の中まで明らかになっていったのも良かったですね。「お前たちを1回しか殺せないのは残念だ」は一生使っていきたい名言ですね。




第1位「愛しのアイリーン」


 愛ってどんなものかを形に出来た映画ではないかと思っています。言葉もあまり通じない、何なら金で買った買われたの関係だった二人に愛が芽生えるシーンは、もう今思い出しても泣けてきます。ここまで思える相手に生きてる間に何人会えるだろうと思った映画でした。主題歌の奇妙礼太郎さんの「水面の輪舞曲」は、今でも聴いてますよ。




「カメラを止めるな!」とか「ミッションインポッシブル」が入ってないのは、自分でも何故だと思うんですが、好きな順に並べていくとこうなりました。「ギャングース」や「タクシー運転手」、「デッドプール2」も入れたかったんですが、残念!
 2019年は1月から大作の公開ラッシュなので、今から楽しみにしてます。来年は、もうちょい観る数減らしたいなあ。


  
  

観覧車①



永遠に思えた夕暮れ



 すっかり注文を忘れていた古畑奈和ちゃんのソロアルバム「Dear 君とボク。」を注文しましてね。締め切りが近づいているということで「一瞬で掴み取るのさ are you ready?とゲットしましたよ。



 これが中々良いアルバムでね。オリエンタルラジオの中田敦彦さんが作詞した曲も3曲収録されてますよ。2日ほど前に届いたんですが、この数日間ずっと入ってた「シング・ストリート」のサントラからこのアルバムにチェンジした次第です。

 で、基本的にこのブログは曲と映像についてのブログなので、「映像」が無いものは「どうしたもんかいのう」とオードリー春日のように悩んでいたんですがね。別に「映像」がないものを取り扱ったからって、「コンチネンタルホテルで殺しは厳禁だ」とルールを破ったジョン・ウィックみたいに世界中の殺し屋から狙われるわけでもないし、と開き直って書きたいと思いますよ。


 曲はいつもみたいにYOUTUBEとかにないから、みんな注文して聴いてみよう!

 じゃ、まずは歌詞の世界を見ていきましょう。

 夕暮れが近づく「薄紫色の空」、観覧車に乗ろうとするカップルの「僕」が歌詞の主人公なんですが、「君が観覧車に乗りたいと言うから 僕はなぜか少し緊張している」と普段という観覧車という普段は乗らないものに乗ることに少し緊張します。「別れの時が近づいて来ているね 君に何か言いたいけど言葉にできない」と緊張のわけが少し分かる状況なんですね。ただ、ここでの「別れの時」というのは、デートの終わりの方ですね。と、思ったら、奈和ちゃんのインタビューを読んだら未来のための別れのようですね。

 1番のサビでは、「一番上まで行けたらどれだけ 綺麗な景色見れるだろう 君の横顔はどれだけ美しいのだろう いま観覧車を見上げ 僕は目を細めた」とあります。まだ観覧車に乗ってないんですね。 上に行くというのは、総選挙や選抜のポジションも連想されますね。

 2番では出逢った時を振り返りながら、今の君との景色を目に焼き付けたいんですが、「眩しすぎてうまく見れない」んですね。彼女が輝いて見えている、一見するとくさいセリグのようですが、これが後から効いてきます。

 2番のサビでは「君が願うなら全て叶えたいと 僕は思ってる いま君の手をひいて 階段を上がりだした」やはり、ファンの目線を連想させられる歌詞があります。って、こいつらまだ観覧車乗ってなかったのか!サッポロ黒ラベルのCMぐらいのスピードで進んでるんですかね。※思い出せない人のために張っておきますね。このCMの豊悦好きだったなあ。
https://youtu.be/p5q-UV5lwYk

 「ありがとう これからも 僕はずっと好き 手の温もりで思い出す 初めて会った日を」きっとこれが言いたかったことでしょうね。初めて会った日を手の温もりで思い出すといのは握手会を連想してしまいます。

 いよいよ大サビへ。
僕と君が乗るゴンドラがゆっくりと近づいてくる
 まだ乗ってない!
 でもね、青春時代って、こんな短い時間が永遠とも思えるほど、長い時間に感じるものですよね。そして、そのシーンが思い出になるというね。
僕の切なさが君の微笑みが宵闇に輝いている」とさっきまでは、眩しかったのは彼女だけだったのが、今は自分も輝きに加わっています
 曲は「夢を追いかけた2人の約束が回り始めていく この観覧車に乗って回り始めていく」で終わります。
夢を追いかけた2人の約束」は色々と思い浮かびますが、奈和ちゃんとファンの方々の関係のようで、良いですね。

 超どうでも良いことですが、僕の48グループ初の握手が古畑奈和ちゃんだったんですね。たしか、「キスだって左利き」の名古屋全国握手会で「中西・原・古畑」レーンで一人目が奈和ちゃんだったんですね(紅條は中西推し)。こんにちわ!と元気にジャンプして握手してもらいましてね。「手の温もりで思い出す 初めてあった日を」と個人的にリンクしましてね。

 あと、「観覧車」というとサンシャイン栄も思い浮かびますよね。


 アルバムの中の曲順は6曲中の5曲目。
 スリリングな「本性」、アニメの主題歌とかいけそうな「MESSIAH」、ギターのメロディーが印象的なイントロからちょいポップなサビの「ミライクル」、ダンスナンバーの「4me」と続くので、この曲の優しい進行がより際立ちます。その後、6曲目オルフェスになるんですが、このアルバム曲前半から中盤にかけて激しい感情が続きますが、徐々に冷めていって、5、6曲目から優しくなっていく気がしますね。もうちょっと聴いていくとまた見えて来るかもしれません。


 とにかく、「観覧車」いう題材をここまで上手に使って歌詞を完成させた中田敦彦さんと優しいメロディをあてはめて行ったJUVENILEさん、そして、優しく歌い上げた奈和ちゃん。名曲だと思います。
(観覧車より引用)




   

2018年12月29日土曜日

この涙を君に捧ぐ①



NO NAMEのこと



 このNO NAME、2011年12月13日にデビューしましてね。AKB48を元に作られたSFアニメ「AKB0048」の中に登場するキャラのオーディションから誕生した選抜なんですね。
 AKBからは渡辺麻友、仲谷明香、佐藤亜美菜、石田晴香、岩田華怜、佐藤すみれ(!)、SKEからは矢神久美、秦佐和子、NMBからは三田麻央が選ばれました。

 1期と2期に分かれて放送されたこのアニメ。
 「この涙を君に捧ぐ」は2期のエンディングテーマなんですが、ちょっと曲を聴いてみましょう。
https://youtu.be/ubnzBL2xt6E

 宇宙でしたね。
 この歌詞なんですが、「いつかの願いが土の中で眠って 約束の時刻に 希望の芽が出るんだ」と「願い」を「土の中」に埋まる植物に喩えているんですね。「二人が出逢った頃 夢などまだ種だった」、「花は咲くのだろう」と。
 そして、1番のサビです。
 「この涙を君に捧ぐ もっと君が輝くのなら ずっと見守ってた沈黙の空から 今 僕は雨になろう

 植物が育つための「雨」が「この涙」なんですね。しかも「今 僕は雨になろう」と自分から「雨」になろうとする「涙」を流そうとする。アニメを最後まで観た方ならご存知の通り、これって、アイドルとファンとの関係ですよね。
 
 2番では、未来こそ「蕾」とし、「心が渇いた時、誰かの愛を求めた」とあります。つまり、渇きをいやせるものが「誰かの愛」であるということ。「悲しみの風が吹き 花が枯れる日まで」と続きます。「花が枯れる日」で、「悲しみの風」、卒業を連想させられるフレーズですね。

 そして2番のサビです。
この涙を君に捧ぐ たとえ君が気づかなくても 少し温かくて 何となく懐かしい そう 僕は雨になろう

 うう、ヲタ目線で考えれば、少し悲しい歌詞。でも、アニメの「NO NAME」の解釈が宇宙に漂う名もなき者達の声を力にしているからいいのか。

 「瞼を閉じて 目尻から 流れ落ちた熱いもの あの空へと昇って 俯瞰で見る愛に変われ…

 涙は「俯瞰で見る愛」に変わる。
 これって結構難しいですよね。自分の推しを私情を交えずに俯瞰で見られるか。

 そして、大サビ「ずっと見守ってた 沈黙の空から 今 僕は雨になろう」「こんな僕にできることは 君の空しさを 少しでも癒すこと さあ 僕は雨になろう」で終わります。

 ファンが出来ることって、本当に少ないと思うんです。でも、「君の空しさを 少しでも癒すこと」が出来るのであれば、「たとえ君が気づかなくても」何かできるかもな、と思いますよ。だからこそ、雑誌に出た時のアンケートやラジオや番組へのメールは大事ですね。


 
 さあ、次はMVの世界を見ていきましょう。映像を流しながら読んでね。
 MVは、宇宙刑事が乗ってそうな宇宙船が舞台!
メンバーはコールドスリープされて、目覚めの時を待っています。
 それを上から見ているもう一人のメンバー。えっ、魂?クローン?アンドロイド?ブレードランナー?
宇宙船を活かした感じで唄うメンバー達。
 トルコアイスのCMでありそう。
 そして、宇宙船は目的地の地球にたどり着きます。
 麻友選手が突如、宇宙船のハッチを開けます。スターウォーズエピソード8の序盤か!
 さらに他のメンバーも地球に向かってダイブ!
 いったいどうなんの、ということで終わります。
 これ、ガンダムでよく見かけるシーン
 メイキングでは、メンバーがワイヤーで釣られてるシーンも入ってますよ。

 ふりを撮影中のなかやんに伝えている亜美菜も。

 このNO NAMEなんですが、かなり好きな選抜で、曲も良い曲ばかりなんです。これがきっかけで紅條は難波の三田麻央ことまおきゅんを知りましたから。しかし、2018年12月現在、オリジナルメンバーが難波のまおきゅんしか残っていない!
 だがしかーし、だがしかし(キン肉マンファンしか分からない)2016年のSKEのソロコンで「希望について」を歌ったので、いつかチャンスがあればこの曲も歌ってほしいなあ、と思う次第です。

 このNO NAMEから実際に声優になった、なかやん、あみな、はるきゃん、秦さん。それぞれの活躍していてますが、いつかまた、NO NAMEの再会があれば成長したみんなの姿が観てみたいなあ、と思う次第ですよ。

 SKEでもアニメ好きなメンバーが多いんで、またこういう、大々的なオーディションと20話以上のレギュラーがあればなあ、と思いますね。

 アニメは、佐藤亜美菜が演じた一条友歌と幼馴染の護との関係が凄く良くてですね。1期の「大声ダイアモンド」の「感情吐き出して 今 すぐ素直になれ」がこんな皮肉な感じになるのか、という涙だったり、2期の最終回の「この涙を」だったり、とても切ないので、こちらもお勧めですよ。各話の特典映像でオーディションとかも入ってるんですが、最終巻のメンバーの最終アフレコの涙が好きですよ。あと、AKBのヒット曲がオーケストラ仕様になってるのもいいですよ。

 はあ、それにしても声優矢神久美も観てみたかったなあ、とこの映像観てると思いますね。
(「この涙を君に捧ぐ」より引用)


 
 

反射的スルー①



変わり続けていくもの


 「ラブ・クレッシェンド」が発表されたのは、2015年の10月5日のことでした。SKE48の選抜7人組ユニットでしてね、チームSから松井珠理奈と北川綾巴、チームK2から江籠裕奈と小畑優奈、チームEから熊崎晴香と後藤楽々と菅原茉耶の計7人が選出されましてね。SKE48名義ではなく、ラブ・クレッシェンド名義で「コップの中の木漏れ日」というシングルを出したんですね。凄い良い曲なんで、これもいつか記事を書く予定です。

 このラブ・クレッシェンド、言葉を選らばず言うと、期待の若手に珠理奈をどーんという選抜だったんですね。で、次のシングルのカップリングでもラブクレだけ曲をもらってたわけですよ。まあ、運営が推してんだろうな、とそこまで気にしてなかったんですね。

 ところが、2017年11月29日に追加メンバーの発表がありまして。
 チームSから一色嶺奈、井上瑠夏、野村美代、松本慈子の4名が追加されたわけです。まあ、これが萎えましてね。なんでこんなにチームSばっか優遇すんのよ、と思ってしまったわけです。いくらチームSメンに若手が多いと言ってもね。特に松本慈子に関しては、当時チームSの副キャプテンにもなっていて、もう運営がゴリゴリに推したいというのが伝わってくるわけですよ。ただ、ちょっと早くない?しかも、慈子はネクストポジションじゃない?とか色々と思うところがあったわけですね。元推しの中西がドラフトで獲得したメンバーだっただけに余計にね。そんな厳しい目で観ていたところに「無意識の色」のカップリングとして、「反射的スルー」が発表されます。
ちょっと聴いてみましょう。

 https://youtu.be/wPSL-YV3Na8

 色彩的に美しいMVですね。
 女性と植物とのバランスが本当に美しくて。色は抑えているんですが、色彩が実は豊かなMVです。

 ちょっといつもとは逆ですが、映像から観ていきましょう。
 最初はゆななのアップから始まるんですが、ゆななや珠理奈が追加メンバーを起こしていくんですね。だから、映像が少し揺れてぼんやりしてるんですね。

 で、どうやらこの人達、植物と関係が深いらしくて、りょうはとくまちゃんが研究してますよ。


 どうやらこの人たち、植物を食べてるんですね。
 なんで、食べるかって?
 美しい者は美しい物を食べて美しくなるんじゃよ(根拠なし)。

 雑にあらすじを書いて行くと、ゆななと珠理奈が何かを見つけるんですね。
 そこには、眠っている新メンバーが!
 
 
 珠理奈とゆななが花びらを当てて、目覚めさせていきますよ。

 新メンバーの加入を目覚めという形で、表現しているわけですね。
 で、めでたくお屋敷で楽しい食事会となるわけです。

 このMV、衣装も良くてですね、紅條は一番ゆななの花柄ワンピースが好きですよ。

 歌詞の世界を見ていくと、歌の主人公は「春に着替えたショッピングモール」の「満車だった駐車場で待って」る状態で始まります。まさか、「コマンドー」のあのショッピングモール?警備員が来るぞ。

 「何年かぶりに君を見かけて 僕は何故だか下向いた 反射的…」と来るわけです。
 皆さん、元恋人にあった時はどうしてますか。
 どうやら「君」は変わってしまっていたわけです。

 ええ、こんな感じで変わってたらショックですが。
 「あれから話してなかったね かなり大胆なショートカットに意味はあるのか?
 髪型も自分が付き合ってた時と変わったちゃったわけですね。

 まあ、こんだけ変わってたら、ただじゃすみませんが。
 ここからサビです。
 「愛しさをスルーして 見送るだけさ 声をかけても今さら始まらない
 もうね、ここが凄くよくてですね。僕もかつて、別れた彼女と電車の中でばったり会ってしまったことがありましてね。僕もまだ若かったんで、何も考えずに声をかけたら、反射的スルーされましたよ。かと言ってこんな風に積極的に言うわけにもいきませんしね。


もしここで サヨナラを償えたとしたら もっと深く傷つけてしまう そんな気がするんだ

 もう一回やり直した恋愛をしたことがある方ならお判りでしょうが、スタート時はかなり贖罪の念があるんですが、じょじょに前より悪くなるってことはないでしょうか?
元コマンドーならなんとかなるかもしれませんが、中々難しいんですよ(経験者は語る)。

 2番では去年の夏のことを思い出して、もう海にはいかなくなったし、二人は変わってしまったと、「長い黒髪が好きだった」と気づくわけです。
悲しみをスルーして ありふれた日々よ ふいに切なく心がざわついてる
 もうね、これは個人差あると思いますが、過去の恋を引きずつタイプの人間には、超共感できる歌詞ですよ。

傷口の絆創膏 少しずつ剥がして やっと痛み 忘れられたのに… 何を思い出した?

 これは2番で思い出した「去年の夏」や「恋の甘さ」ですね。
ルームミラーに映ってる懐かしい時間
ここ!
もう、秋元先生、「ぐーぐーお腹」とか「お兄ちゃんコレクション」を書いてる人とは思えないぐらい素晴らしい歌詞。
もう二度とは追いかけられない 遠い場所へ 君はいなくなる
 ああ、行ってしまう。
 そして、大サビへ。
 大サビは1番のサビと同じなんですが、2番と大サビ前の心情説明を聴いてから、この大サビを聴くと、より心にしみますよ。
 たぶん、彼女はいなくなっているんでしょうね。

 元恋人との再会って、本当に不意に来ますよね。
 しかも、自分の思い出の恋人と変わっていようものなら、衝撃も大きいですよね。
 ただ、花が枯れてまた咲くように変化を常に続けているんでしょうね。
 
 それを感じたのが、「SKE48 春コン」のDVDなんですが、MVと4月のガイシホールを見比べると、明らかに変化しているメンバーがいるんですね。それは、松本慈子です。ぜひ、ガイシの方の慈子の歌っている時の表情に注目してください。より曲の世界観にあった表情が出来ていると思います。ああ、だからラブクレにいるのかと。知らないうちに彼女も変化していっているんだな、と感じました。慈子は、来年、運営のプッシュとヲタの頑張りが重なりそうな年なので、ぜひ、頑張ってほしいなあと思っています。


 この記事を書いているところ、一色嶺奈さんの卒業のニュースが入ってきました。
 本当に辛い。
 今年の総選挙名古屋ドーム。
 僕は推しの応援席が当たらず、だーすー応援席から観ていましたが、れなひゅーがランクインした時のれなひゅー応援席の紫色のサイリウムの波は、今、思い出しても涙が出ます。美人で漫画の話を楽しそうにするのが、印象に残っています。彼女とファンの皆さんの物語の続きが、まだ観たかった気持ちがありますが、どうかこれからの彼女の毎日が幸せでありますように。