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2021年12月12日日曜日

スケアクロウ

 誓いもなく信じあえた

 真っすぐな努力や誠実さというものは、いつまで持ち続けることが出来るんでしょう。
 僕の好きなバンドにthe pillowsというバンドがあります。
 有名な曲として「Funny Bunny」という曲があります。
 名前は知らなくてもサビの部分はCMソングやアニメの曲としても使われたことがあるので、聴き覚えのある方もいらっしゃるかも知れません。
※the pillows公式サイトより


 サビで歌われる「君の夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで走ってきた」というフレーズは、とても多くの夢を追いかける人々を励ます言葉ではないか、と思います。
 the pillowsが「音楽と人」とのインタビューを中心にまとめた自伝「ハイブリッド・レインボウ」を読むと、同期がどんどん売れていく中、彼らは取り残されていたそうです。メンバーもこれからどうしていこうか、という悩みを抱えつつも自分たち好きな音楽を時代に流されずに続けていきました。ボーカルの山中さわおは、自分たちをパン屋に例えて「おいしいパンがあるよって言っているのに、誰も足を止めてくれなかった。去っていくお客さんの方ばかり見ていて、買ってくれているお客さんのことを忘れていた」と当時のことを語ります。それは彼らが作っていたオルタナティブロック自体が時代の空気とあっていなかったからかもしれません。
 しかし、時代とは関係なく真っすぐに好きなことを続けていった彼らは、多くのミュージシャンたちからカバーされ、対バンを組まれるようになり、結成20年目にして武道館公演を成功させます。
 僕も何度かコンサートに足を運んだことがあります。
 直接彼が、僕らに語り掛けた言葉でこんな言葉があります(多分、PIDEPIPERツアーのZEEP OSAKAのアンコールだったはずです)。
「すぐに理解されなくても良い。明日のことは誰にも分からない。君たちから見たら、俺たちなんて僕らはもう終わってる人間かもしれない。でもさ、10年前の僕らはこんな未来予想してなかったんだ。自分の好きなものを信じて明日も生きて行こうぜ!」という叫びから演奏された「Funny Bunny」は忘れられません。
 自分たちの信じたものを持って武道館まで行った、彼らが歌うからこその説得力がありました。

 SKE48にも「Funny Bummy」が似合うメンバーは沢山いると思います。
 けれど、2021年12月現在の僕が似合いそうだと思うのは、8期生のよこにゃんこと北川愛乃さんです。
 彼女については、様々な才能の持ち主だと思っています。
 まずは、アイドルとしての魅力。
 努力家で研究生時代のアンダー出演も沢山し、昇格してからは切れのある動きで我々を魅了します。しかし、喋ってみると意外と天然というか愛すべきポンコツ感も少しあって、またその魅力がファンの方には魅力だと僕は思っています。
 同期の目からはどんな風に見えているんでしょう?

 2018年1月25日に行われた彼女の生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。

「よこにゃんへ
 

 よっしー!17歳のお誕生日おめでとう!


 よっしーと初めて話したのはSKE48・8期生の最終審査の時。第1印象は髪が長くてツインテールしてる子でした。


 まだ初めての頃は8期生のみんなのことをそんなに知らなかったけど、髪が長いよっしーはすぐ見つけられて、それに話してみるとおっとりで、優しくて、話しやすくて一気に仲良くなれました。

 よっしーは8期生の中でも一番にアンダーに出て、3チームすぐに制覇してるのを見て、私はよっしーに追いつくのが精いっぱいでした。

 でも、よっしーは自分に厳しく、レッスン場に行くといつも練習してて、人一倍努力家で、そんなよっしーに凄く刺激を受けていました。そして、そういうよっしーを尊敬しています。


 研究生の頃、みんながうまくまとまらず、話し合いをした時がありました。その時、いつも何もいわないよっしーが関西弁で泣きながらスバっと自分の溜めてた気持ちを離してくれた時、凄くビックリしました。


 でも、よっしーが言うと説得力があるし、本当にみんなのこと、そしてSKE48のことを考えて言ってるんだなと思います。

 よっしーは内に溜め込んでしまうタイプかなと思うところがあるので、これから同期で同じ時期に昇格した私、実代ちゃんにも色々話してね。そしてたくさん頼ってほしい。


 お互いを刺激い合いながらチームSを下から盛り上げていきましょう。

 

 最後にSKE48に入って1か月ぐらい経った頃、アンケートでライバルは誰ですか?っていう質問に私は北川愛乃ちゃんと書きました。そしたらよっしーも私の名前を挙げてくれていました。ライバルって思ってくれていたことが嬉しかったです。


 今も私にとってよっしーはライバルです。そして最高な仲間。いつも一緒に帰ってくれてありがとう。

 素敵な17歳になりますように。

 改めてよっしーお誕生日おめでとう。

 真面目だけど実は天然で、ちょびっと抜けてるよっしーのことが大好きな井上瑠夏より」

 この年のスピーチで彼女は4つの目標を挙げます。
 ① SKE48シングルの選抜メンバーに入ること。
 ② チームSのセンターになること。
 ③ 総選挙で45位になること。
 ④ SHOWROOM、Instagramのフォロワーを1万人に増やすこと。

 この4つです。

 ストイックな努力家の彼女が言うからこそ、説得力があり心に響くものがある。
 そして、彼女がいることが同期やチームの刺激にもなっていく。
 それは何もメンバーだけでなく、僕らファンもそうかも知れません。
 僕は、2度彼女の舞台を観ました。
 「猩獸」と「BlackSmith」です。
 いずれも舞台の上で演じるよこにゃんの姿に、毎回会場を出る時には生きる力をもらっていました。特に「BlackSmith」は本当に力をもらいました。

 そう、よこにゃんには女優としての魅力もあります。
 翌年の2019年2月8日の生誕祭で読まれた彼女への手紙では、女優としての彼女について語られています。


「よこにゃんへ


 18歳のお誕生日おめでとう。


 お手紙の依頼をいただいたのは握手会。よこにゃんのファンの方がわざわざ私のレーンに足を運び、頭を下げて頼みに来てくれて『うっそだー。なんで私?』って言ったら『委員の満場一致だったんです』って。ほんなら委員全員連れてこいや!

 とそれは、まぁ冗談なんですけど、とは言えなかなか直接お祝いするタイミングがなく、お手紙という形にはなりましたが、こうした機会をいただけて嬉しいです。

 去年の生誕祭では一緒に昇格した同期のメンバーとの差について悩んでることを明かし、4つの目標を挙げ、そして加入前にNMB劇場で観た『会いたかった』公演についても話してくれました。

 実はその公演では私はステージの上に立っていて、私たちを観てSKEに入ろうと決めた、そう言ってくれたこと、大阪在住で身近に他のグループが存在しながらもSKEがいいと選んでくれたことが本当に嬉しかったです。


 どこまでも熱い気持ちを持ってくれているよこにゃん。その熱さをひしひしと肌に感じたのが私と綾巴のレギュラー番組『K'zStation』でした。

 一度の出演依頼、なんとびっちりと内容のある企画書を制作してくれて、私たちだけでなくケーズスタッフもみんなよこにゃんにメロメロです。

 それからというもの隙あらば『よこにゃん、よこにゃん、よこにゃん』とオファーの連続。着々と数を重ね、当然最多出演です。

 メンバーの熱さを伝えるこの番組には相応しすぎました。本当にいつもありがとうね。これからもいつでもお待ちしています。

 そして、なんといってもよこにゃんとの距離がぐっと縮まったのは舞台の出演。実は去年2作よこにゃんと同じ板の上に立ちました。1つ目はロミオとジュリエット。ロミジュリは組が違ってなかなか接点がなかったけれど、稽古場で見るよこにゃんの演技に度肝を抜かれました。

 17歳という年齢でいながらも年の離れた『ばあや役』を自分のものにしていた姿に『化けもんだ!』って思いました。何を参考にしてそんな演技ができるんだろう?この子の頭の中はどうなっているんだろう?疑問でいっぱいだった。同時に、これが実力なんだって思い知らされました。本当に衝撃だった。

 そして、その芝居が結果を結んだ『ネギま!』の舞台は予定が合わずに見には行けなかったんだけど、稽古の様子を嬉しそうに話してくれて嬉しかったなー。芝居が好きなんだなって、私まで嬉しくなったよ。

 そして、『刀使ノ巫女』主要キャストにSKEから5人選んでいただき、約1か月の毎日を一緒に過ごし、アイドル活動ではなかなか感じられない貴重な経験が私たちをたくさん成長させてくれたね。本当に楽しかった。

 でも、素直なことを言うと正直複雑で、申し訳ない思いもありました。

 でも、柳瀬舞衣ちゃんとして生きるよこにゃんの背中がいつも頼もしくて、まっすぐな瞳に吸い込まれそうになるくらい毎日たくさんの刺激を受けました。本当に本当に感謝しています。ありがとう。

 よこにゃんの芝居へのストイックなところ、座組の誰も認めていたし、礼儀正しく真面目で謙虚な姿勢が稽古中はもちろん、本番での空気を引き締めてくれていました。

 谷、綾巴、彩姫、私と先輩ばかりの中、ときどき見せる不器用な甘え方や変わらないザ・ポンコツなところ。私たちは可愛い妹ができたようで、5人でいることの心地よさや安心感、芝居のことになるとライバルのように出るバチバチ感も全部全部が大切な宝物です。


 17歳のよこにゃんの人生にたくさん携われて良かった。もちろん私の1年にもよこにゃんがたくさんだったよ。

 18歳も素敵な実りのある1年になりますように。演劇の世界でも、アイドルとしてのステージでもキラキラと輝き続けるあなたを応援しています。

 お誕生日おめでとう。

 斉藤真木子より。

 PS

 先日、彩姫からよこにゃんにいつか握手会で刀使ノ巫女メンバーでコスプレがしたいと言っていると聞きました。チャイナドレスとタクシードライバーとメイドとナース以外だったら何でもいいです。ご検討よろしくお願いします。」

 女優としての彼女の想像力のリーチの長さとそれをアウトプットする演技力が彼女の凄さだと思います。
 そして、忘れてはならないのが、番組からまた呼びたいと思わせてくれる真摯な姿勢。
 どんな仕事でも全力で取り組むという姿は、今メディアに沢山出ている須田亜香里とも通じるところがあると思いますし、これから後輩たちがメディアに出ていく際に参考になるのでは、と思います。
 この年のスピーチで彼女は「4つの目標を叶えることができなく申し訳ないなって思っていて」と語ります。目指していたアイドル像との違いや泥臭くチャレンジしていくことへの迷い、努力が必ずしも報われなかった時の悔しさも語ります。それでも彼女はくじけず、進学という選択肢をせずにSKE48のみで進むことを語ります。
 

 それから、次の生誕祭までの1年で彼女は、見事にSKE48の選抜に選ばれます。
 現在のSKE48のシングル選抜には、握手会の売り上げが大きく影響するのではと語られています。この握手会の売り上げが大きく影響するシステム自体は、僕はあまり賛成派ではありません。ファンへの握手対応以外にもアイドルの魅力は沢山あるので、そちらを評価する枠も欲しいと思っているからです。また、握手会の会場には行けないファンの貢献度が低くなってしまう可能性もありますしね。
 ただ、よこにゃんに関しては、握手会の売り上げも勿論なんですが、ネット上でのファンの方への向き合い方も非常に素晴らしいです。
 皆さんは、よこにゃんのアメブロを読んだことはあるでしょうか?
 毎回、ファンの方々のコメントを拾ってその答えを返しています。
 それはなかなか真似のできないことですし(この記事を書くためにいつもアメブロを読んで行ったんですが、いつもの倍時間がかかりました)、それを続けていられることもなかなか出来ることではないと思っています。
 会える人にもこれから会うかも知れない人にも、きちんと言葉を届けていく姿勢は、忙しいだろうに本当に頭が下がります。
 ファンサービスや公演だけではなく、外仕事も舞い込んできます。
 その外仕事とも誠実に向き合います。
 結果、彼女のメディア出演は徐々に増えて行きます。
 努力が実を結んで行きます。
 

 今度は2020年1月26日の彼女の生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。

「よこにゃんへ

 お誕生日おめでとう。

 お手紙を書かせていただけることをとても嬉しく思います。

 どうも!SKE48のニューシングル『ソーユートコあるよね?』のセンターの人でーす。パチパチパチ。

 よこにゃんとは同じチームってわけじゃないけど、デビュー当初から目を引く、気になる存在でした。

 いつも一生懸命なパフォーマンスで優等生のタイプかと思いきや、全力で描いた絵は型に嵌ってなさすぎて、凄まじくて、中毒性が半端ないよね。

 どんなことも周りよりも一ひねり二ひねりしていて、他の誰にも真似できないものばかり。見ている人を飽きさせない工夫の一つ一つに私はいつも感動しています。

 かと思えば一生懸命喋っている時はだいたい天然発言が飛び出しちゃうところなんかは本当に面白くて、愛おしくて、もう最高!ずっと見ていられる人です。

 でもそんなよこにゃんに期待をしつつも少し心配しながらいつも見ています。

 頑張るぞってスイッチが入った時にまっすぐ突っ走る姿が素敵。でも少し頑張り過ぎちゃうところが危なっかしくてソワソワしながら見守らせています。

 でもね、やっぱり頑張りすぎたらどんな人だって疲れちゃうし、長くは頑張れない。それにファンの皆も私も頑張るよこにゃんも好きだけど、頑張ってるからこそよこにゃんが笑顔でいられるように支えてあげたいし、時には頑張ってないよこにゃんに甘えてもらうことも楽しみたい生き物なんです。

 だから大変だなと思う時ほど更に頑張るんじゃなくて、頑張るよこにゃんの隣のスペースを少し開けてみてね。ちゃんと隣で支えるからさ。くれぐれも一人で頑張らないように、だよ。

 だからね、最近は何か困ったことがあると時々私にも頼って連絡をくれたり、相談をしてくれることがあるのも凄く嬉しいです。でももっと甘えてもいいよ、って言ってあげようとしたんだけど、この前は逆に私を支えてくれた日もあったね。本当に頼もしくて凄く凄く嬉しかったよ。ありがとうね。

 よこにゃんは『私なんか…』ってよく言うけど、そろそろ胸を張ってもらわないと困ります。ここぞという時は『私に任せて』って言ってくれたら皆喜んでついて行くからね。もちろん私も。

 全力でアイドル頑張ることの素晴らしさ、努力って報われるんだよってことを一緒に皆に伝えられたら嬉しいです。

 努力っていつどんな形でかわからないけど必ず報われるって思ってる。もちろん望んだ形で叶うとは限らない。それは芸能界に限らないこと。

 でも頑張った分だけスタッフさんやメンバーだったり、そしてもちろんファンの方だったり、人と思いを重ねる分だけその時の自分にピッタリな形で報われるって私は信じてるよ。頑張ろうね。でもそれ以上に楽しもうね。

 よこにゃんは本当にファン思いだから今後もファンの方を思うが故に、行動や考え方で考えたり悩むこともあるかもしれないけど、私が思うのはよこにゃんとファンの皆は人間的な芯の部分でつながってると思うんだ。だからよこにゃんが前さえ向いていれば絶対に応援してくれると思う。

 髪の長さのおかげだけじゃない。目を引く魅力の一つ一つは本当に努力の賜物です。北川愛乃そのものです。

 これからも色んなよこにゃんを見せてね。

 いつも刺激をくれて本当にありがとう。

 そして、最後になりますが、SKE48シングル『ソーユートコあるよね?』選抜おめでとうございます。

 よこにゃんがいる選抜、私好きです。

 以上、SKE48チームE 須田亜香里でした。

 お手紙一緒に聞いてくださった皆様、読んでくれたメンバー様、ありがとうございました」

 もうね、SKE48のベテランメンバーは、みんな良い手紙書きますよね。
 よこにゃんの熱さが刺激になる、そして、そんなよこにゃんだからこそ、応援したくなるし、時には頼って欲しくなる彼女の人間としての魅力が伝わる素敵な手紙だと思います。
 ちなみに、よこにゃんはこの1年をアメブロではこんな風に振り返っています。

♡よこにゃん♡ 生誕祭のコメント No.39 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)

 このブログの中に出て来る「生きがい」という言葉が凄く心に残っていましてね。
 自分の頑張りが誰かの元気になる。
 自分が頑張る意味を見つけた彼女は、より強くなります。
 怪我で止まっても、応援してくれる人たちが待っている。
 だから新しい夢を持てる。
 ちなみに、この生誕祭の時の写真展も凄く良いので気になった方は、生誕祭から2月4日までのアメブロをチェックしてみてください。

 真木子の手紙にもありましたが、彼女の熱さは外仕事にも繋がって行きます。
 たとえば絵の仕事です。

 ちょっと彼女のアメブロを連続して2つ読んでみましょう。

♡よこにゃん♡ キャラクター紹介『ぴちこスター』ちゃん NO.92 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)


 ♡よこにゃん♡プレバトさんのお絵かき動画③ No.545 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 1つめのブログでは、彼女の絵の奥行が伝わってきます。
 よこにゃんの絵をみると、アート思考で描いている絵だなあ、と毎回思います。
 アート思考というのは、上手に模写するということではなく「①自分だけのものの見方で世界をみつめ、②自分なりの答えを生み出し、③それによって新たな問いを生み出す」ものだと、「13歳からのアート思考」の著者である末永幸歩さんは定義しています。
 よこにゃんの絵には上記の3つが全てあると僕は思っています。ピカソの「アビニヨンの娘たち」のように「模倣ではなく再構成」という視点が近いのではとも思っています。
 2つ目のブログでは、彼女のストイックさと彼女の夢に寄り添うご家族の温かさが伝わってきます。
 その結果、アーティストとしての彼女の素晴らしさは、いまやテレビのゴールデンタイムにまで届いています。
 今、ご家族について書きましたが、よこにゃんの真っすぐさの根源には、ご家族も関係しているのではないか、と思います。
 彼女のアメブロと極真空手のサイトでのインタビューを読んでみましょう。

♡よこにゃん♡ まんまんばあちゃん NO.80 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

大山倍達極真会館 | 極み人| KITAGAWA (mas-oyama.com)


 一つ目のアメブロは、初めて読んだ時に涙したのを覚えています。
 後悔しないように、今を全力で生きる。
 そして、2つ目のインタビューで両親が提案してくれた空手の道。試練に負けずに向き合うところと、笑顔で向き合えることの強さ。
 どちらも今のよこにゃんを作る重要なものだと思っています。
 

 いきなり話は飛びますが、先日、遅いインターネット会議という対談で評論家の宇野常寛さんと「平成のヒット曲」を上梓した音楽ジャーナリストの柴那典さんの対談が、渋谷SAAIで行われました。その中で、48グループの総括になった時に、美空ひばりの「川の流れのように」のアンサーソングとして「RIVER」があり、その延長線上に指原の歌である「恋するフォーチュンクッキー」があるという話になりました。
 指原は、48のファン参加型システムのボトムアップであり、旧世代的なワイドショーの文脈をハックした存在でもあると語られます。新しさと古さのどちらも持っているプレイヤーながら「結果として指原莉乃というワイドショーのコメンテーターを生み出す装置になってしまった」と総括し、指原莉乃の限界の方に報復されたのが今の48だと思っていると宇野さんは語っています。
 既存のシステムとは違うシステムを作れば川に流されず運命を信じられるはずが、象徴である川に指原も行ったのではと更に付け加えています。
 僕はこの対談を全て見終えた後、暗澹とした気持ちになりました。
 確かにそうなんだよなあ、と。
 でも、何かその閉塞感や限界のカウンターになるメンバーはいないか、と考えました。
 残念ながら、その時には見つからずに暗澹たる気分で過ごしました。
 それから週末に向けてよこにゃんの芸術性について書こうかと過去のブログを順番に読んだり動画を探していました。

 そんな時、よこにゃんのあるブログを読みました。


♡よこにゃん♡生誕祭  No.401 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)

 彼女の手紙を読んだ時に、こんなにまっすぐに自分の、そしてグループの夢を語ってくれるメンバーがこの2021年にいるんだ、と感動しました。
 いつからか、語ることが少なくなってきた紅白やドームでの公演、僕がしる限りでは同じような夢を語っていたのは倉島杏実だけではないか、と思います(もし、いらっしゃったら是非、教えてほしいです)。
 そこから、改めてよこにゃんについて違う角度からブログや手紙を集め直してたら、こんな時間になりました(本来は日曜日の8時に更新予定が今は22時になろうとしています)。
 なんというか、正統派のワクワク感が彼女の手紙にはあるんです。
 彼女が演じる姿や踊って歌う姿、生み出す絵画も素敵なんですが、それ以上に彼女が作る「希望」が今はとても貴重だと思います。

  the pillowsの曲に「スケアクロウ」という曲があります。
 「スケアクロウ」というバディものの映画を元にした曲なんですが、そのAメロでこんな一節があります。

「夢の向こうまで僕は旅を続けるつもりだよ 君を連れて 誰かが語った現実という物語が答えじゃないぜ」

 


 この曲の「僕」はファンの皆さんかも知れませんし、よこにゃんかも知れません。
 来週に行われる8期生から10期生たちによるコンサート。
 きっとここから、新しい物語が始まる、それは多分、「風の強い日」になるかも知れません。でも、よこにゃんなら、きっと進んでくれる。だって、彼女には夢がちゃんと見えているから。そう信じてこのブログを終えたいと思います。

 ※本当はよこにゃんと「モノ」との向き合い方とその豊さについても考えていたので、またチャンスを見つけて書きたいと思います。