人気の投稿

2022年4月17日日曜日

二人ならたりる

「たりない」何かを補える人

 

 皆さん、好きなお笑いコンビはいるでしょうか?
 僕はオードリーの大ファンで、彼らが「オールナイトニッポン」で語る昔の話や仕事での失敗談に励まされたことも多かったし、若林さんの著作は毎回読むたびに「うわあ、その感覚を言語化してくれたの凄い嬉しい」と思います。最近だとテレビ東京でプロデューサーをしていた佐久間宣行さんの著作でも同じことを感じます(仕事にプレイべートまでは渡さないという発想は自分もしていたことなので、まさに、と感じました)。
 そんな若林さんがテレビ番組の企画で、南海キャンディーズの山里亮太さんと組んだ「たりないふたり」も大好きです。
 世の中を生きていく上で毎回、足りない要素がある二人が、「飲み会から逃げる方法」や「『私っていくつに見える?』みたいな質問への対処法」など、社会に上手くやっていくにはを試行したこの番組は、何度も何度も繰り返し観るぐらい好きな番組でした。
 2019年に横浜みなとみらいで行われた「さよなら たりないふたり」では、本来打合せを入念にやって行う漫才を何の打合せなしに2時間30分で2本も行い、若林さんのサイコパスなボケと山ちゃんの天才的なツッコミで次のステージに進む二人を感じさせる漫才を完成させていました。
 なんでアドリブでそんな漫才をしたのかというと、若林さんは「山ちゃんとなら、会ってすぐに漫才ができると思った」と語ります。お互いにリスペクトを持ち、ラジオでお互いの良いところを語り合え、良きライバルでもある二人。 
 残念ながら、昨年の「明日のたりないふたり」で解散した二人ですが、またニッポン放送の「ミュージックソン」などで共演して欲しいなと思っています。
 この「たりないふたり」の演出を担当した安島隆さんは二人について「同じ傷を持っている人だから」と語っています。
 だからこそ、二人で番組を作ってみたかったそうです。
 人と人とが惹かれ合ったり、良いものを作ったりしていく上で重要なのが「好きなもの」や「目指すもの」だけでなく「同じ傷」というところが新鮮でした。感受性が豊かだからこそ、様々なことを感じてしまう。でも、その溜まった感情をフルパワーで発揮できる相手がいる。時には「賭け」に近い試みができる。

 僕はこのエピソードで思い出す人物がいます。

 それは、SKE48の8期生である野村実代と9期生の青海ひな乃です。
 

 野村実代と青海ひな乃はSKE48のチームSで同じチームですし、カミングフレーバーでも同じメンバーです。松井珠理奈プロデュースのBlack Pearlでも同じユニットです。シングル選抜でも「あの頃の君を見つけた」でも同時に入っています。
 しかし、みよまるは第2回ドラフト経験組ですし、同期に選抜入りは先をこされています。「心にFlower」の選抜では、丁度撮影の時期であった2022年1月に青海ひな乃さんが、新型コロナウイルスに感染して選抜から外れてしまいました。
 様々な要素があったにせよ、表には出さない悔しい思い、つまり「傷」もあったのではないか、と思います。

 二人の関係を考えていく上で、重要になってくるのが、2021年12月末から2022年2月にかけての期間に行われた二人の生誕祭だと思います。

 まずは、2021年12月5日 青海ひな乃生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。

 

「青海さん、21歳のお誕生日おめでとう。

 20歳の1年はどんな1年でしたか?

 とても目まぐるしくて大変な時もあったかもしれないけど、忘れられない思い出がたくさん詰まった楽しい1年だったよね。

 一緒にいる時間が凄く長かったから私は青海さんが毎日頑張っていることを知っているよ。

 青海さんはどんな時も明るくて、人を惹きつける魅力があって、アイドルの才能がある人だと思う。

 そして、何よりしっかり者だからパフォーマンスもトークも『この子になら任せられる』と誰もが思っているよ。

 私は青海さんと一緒に過ごしていて驚いたことがあります。それは絶対に弱音を吐かないこと。

 青海さん自身が覚えているのかはわからないけど、『疲れている時、疲れを人に見せたくない』って私の前で言っていたのが凄く印象に残っていて、本当にプロ意識が高いなと思ったし、ちゃんと支え合っていかなくちゃって凄く思った。


 私は一応先輩だけど年下だし頼りになるかわからないけど、いざという時になれば何でも助けるから、いつでも近くにいるから頼ってね。

 しかし、そんなことを言っても、きっと一人で何でもできちゃうスーパー人間が青海ひな乃。私の方が頼りにしちゃいそうだけど、これからもよろしくお願いします。

 チームS、カミングフレーバーそして、同時選抜入り。性格は真反対だけどビックリするぐらい私たちって共通点が多いよね。それは偶然じゃなくて必然だと思ってる。根拠はないけど、隣にいるとしっくりくるし、安心するからきっとそう。だから、本当に出会ってくれてありがとう。

 21歳の1年も自分らしく楽しんでね。

 そして、お手紙を書かせてくださった生誕委員の皆さん、本当に素敵な機会をありがとうございます。

 改めて本当にお誕生日おめでとう。

 SKE48チームS 野村実代より」

「根拠はないけど、隣にいるとしっくりくし、安心する」という表現が、みよまるにとって青海さんがどんな存在かというのが伝わってきます。「疲れているところ」を見せないというプロ意識も素晴らしいです。普段から一緒にいる彼女だからこその手紙だと思います。
 性格が真反対でも気が合うというのも素敵ですよね。

 次に2022年2月16日に行われた野村実代生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。

「みよまるさん、お誕生日おめでとうございます。

 そして、手紙を書かせてくださった生誕委員の皆さん、ありがとうございます。

 みよまるさんとは振り返ると私がSKE48に入ってから今日までたくさんお世話になってるなって思います。

 覚えてないと思うけど、私が初めてチームSの公演にアンダーで出て、研究生の私は凄く不安で何が正解かもわからず頭がいっぱいの時に『ほんとに凄いね。完璧だったよ!』ってわざわざ声をかけてくれて、それが嬉しくて、安心させてくれました。

 みよまるさんからしたら些細な一言かもしれないけど、私にとっては自信につながって、本当に助けになりました。

 それからカミングフレーバーやチームSとして同じチームになって信じられないくらい仲良くなって、今ではくだらない話をしたり、ご飯を食べに行ったり、一緒にふざけられる仲になりました。それはみよまるさんの心が本当に人間とは思えないくらい広いからだと思います。

 私たち後輩がどれだけふざけても、『本当に後輩かよ』って思われるぐらいに絡んでも笑顔で受け入れてくれて本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

 みよまるさんは本当に努力家で、いつも第一にファンの方のことを考えていて、『こうしたほうがもっとファンの方が喜ぶ』とかファンの方の視点になって意見を出していたり、自分のことだけじゃなくて私たちメンバーにも『こうしたほうがもっとよくなるよ』って声をかけてくれて本当に頼りになるし、尊敬できる先輩の一人です。

 私はアイドルになってすぐにカミングフレーバーとしてたくさんの活動を一緒にしてきたので、みよまるさんの背中を見てここまで成長できたと思っています。だから次はみよまるさんから教わったことを後輩に教えられるように頑張ります。

 みよまるさんは努力家の分、悩んだこともつらかったこともたくさんあると思います。

 みよまるさんは『カミングフレーバーができる前は私には何もなかった』って言っていたことがありますが、私は勝手かもしれないけど、そんなことないと思います。

 私がSKE48に入る前のみよまるさんを何も知らないけど、出会った時からキラキラしてて、みよまるさんのファンの方を見てるとカミングフレーバーの実代だけじゃなくて、アイドルとしての野村実代が好きなんだなって凄く伝わります。それはみよまるさんがアイドルになってからずっと頑張ってきたからだと思います。

 みよまるさんのストイックな性格は本当に尊敬するけど、SKE48に入ってから今までの努力は一つも無駄な時間じゃないし、無駄なことなんてなかったと思うから自分を褒めてあげてください。

 しつこいくらいに言ってると思いますが、みよまるさんはほんとに美人です。可愛くて、スタイルもいい。だから、みよまるさんの夢であるモデルに本当に心からなって欲しいって思ってるし、ずっとファンの一人として応援しています。

 私も夢を追いかけてるかっこいいみよまるさんに追いつけるように、まずは選抜に戻れるように頑張ります。

 『青海さんが選抜にいないの寂しい』って言ってくれてありがとうございます。本当に嬉しかった。だから待っててください。また隣にいて相応しい女になって帰ってきます。

 本当にお誕生日おめでとうございます。

 成人式の振袖、早いけどもう楽しみにしてます。

 実代ちゃん、大好き!

 青海ひな乃」


 手紙の中に出てくる「ストイック」という言葉は、先ほど読んだ青海さんの姿とも重なるところがあると思います。
 また、彼女への手紙の中に出てくる「ファン思い」という言葉は、みよまるとファンの方々との関係があるからかも知れません。
 ちょっと彼女のアメブロを連続して読んでみましょう。

 野村実代です❤️ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 野村実代です❤️ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 一つ目のブログでは彼女がいかに感情豊かな人間で、その放出を受け止めてくれるファンの方々の優しさが分かります。
 二つ目のブログでは彼女に寄り添うだけではなく、ファンの方々が一緒に走っていることが伝わってきます。
 ファンの人を大切にする思いは、手紙にも書かれている通り、青海さんにも伝わっていますね。

 話を二人の関係に戻すと、今後僕が期待するのは、みよまると青海さんのダブルセンターです。
 個人的には、フィロソフィーのダンスの「ドント・ストップ・ザ・ダンス」的なアプローチだとかなり輝く気がするんですが、皆さんはいかがでしょう?
 

 外からみると「もっている」側の人間に見えるふたりですが、「たりない」なにかが二人が揃うことで補われていく、そんな理想的な関係がみよまると青海さんなのかも知れません。その背景にあるのはお互いへの尊敬ではないかと僕は思います。お互いの良いところを学びつつも、またお互いに上のステージでの再会を目指す。それが出来るのがこの二人だと思います。

 あなたにとって、「たりない」何かを補ってくれるもう一人は誰でしょう?

2022年4月10日日曜日

プライマルに戻る

どんな夢も叶えるあなたに会えたよ


 皆さんは、ずっと見ていて良かったなあ、というグループやバンドはあるでしょうか?

 僕はバンドマンだと志摩遼平のファンで毛皮のマリーズ、ドレスコーズと彼の音楽や音楽周りのカルチャーが好きで、今でも聴き続けています。更に、その志摩遼平が影響を受けたザ・イエローモンキーも少しだけ聞きます。
 ザ・イエローモンキーは、一度解散をしています。
 解散前に出された最後のシングルは、「プライマル」という曲で、僕はイエモンの曲の中で一番好きな曲です。

※未聴の方はイエモンの公式チャンネルで。


 

 凄く明るくて解放感があるメロディが大好きで、未だに僕は自分が推しメンの卒業動画を作るとしたら、これを使いたいぐらい好きです。笑いながら次のステージに進む「君」を少し寂しそうに歌詞の世界の「僕」が見つめている世界観が本当に良くてですね。

 本当にどうでも良い話ですが、僕が高校を卒業した日の帰り道にこの曲を聴いていたのも好きな理由の一つです。

 さて、イエモンは解散した数年後、再結成します。
 その復活ライブの1曲目が「プライマル」でした。
 「プライマル」には「最初の」とか「原点」という意味があります。
 バンドの活動の中で曲に物語が生まれていく。
 そんな例がこの「プライマル」だと僕は思っています。

※ちなみに復活後の東京ドーム公演でのアンコールラストも「プライマル」でしたね。 


 

 さて、物語を帯びるのは曲だけではありません。
 場所もそうです。
 SKE48にとっての物語性を持った場所。
 それはナゴヤドーム(今はバンテリンドリーム ナゴヤっていうんですね)ではないか、と僕は思います。
 かつてSKE48のメンバーたちが目指し、2014年に辿り着いた場所。
 そして、2018年に総選挙が終わった場所。
 そこから、静かにナゴヤドームを目指す物語は、浮き上がったり沈んだりを繰り返しました。ただし、その浮き沈みは以前と比べると社会情勢もあって小さいものだったと思います。

 先日、みなるんこと、大場美奈さんが卒業コンサートで「名古屋ドーム」を目指す物語にまた命を吹き込みました。

 SKE48大場美奈「ナゴヤドームをもう1回本気で目指してほしい」と卒業コンサートで後輩たちへの期待を吐露 (msn.com)

 果たして、この物語が進むのか、それとも違う物語を選ぶのか、これからのSKE48を見守っていきたいと思っています。
 さて、ナゴヤドームという場所の物語とつながるメンバーがいます。
 それはナゴヤドームからSKE48が始まったメンバー。
 そう、ドラフト1期生です。
 ドラフト1期生の一人、松本慈子。
 彼女は現在、チームSのリーダーを務めています。
 今年は、チームSに新公演が披露されます。
 これはナゴヤドームへとつながる物語の大事な線の一つだと僕は思っています。
 果たして、チームSは大丈夫なのか?
 松本慈子はチームSを導けるのか?
 まずは彼女のチーム観から見ていきましょう。
 

 チームS*松本慈子 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 チームSというチームは、SKE48の中でも一番「過去」や「思い出」と闘ってきたグループではないか、と僕は思います。曲によっては過去のメンバーたちと比べられることもあったかも知れません。実際に、中西優香推しだった僕も「仲間の歌」の煽りが大箱コンサートで起こる度に、「思い出」が蘇ってきてしまうことが多かったです。目の前の現実に広がる現役のメンバーたちよりも「思い出」の幻影が勝ってしまう。そんな体験がありました。
 今年の5月に発表される新公演は、誰の手垢もついていない彼女たちの為の曲たちです。
 そこには「思い出」というレイヤーは、観客に重なりません。
 ブログの中にあった純粋であり、どちらでも行くことができる彼女たち。
 彼女たちを先導していくのは、慈子だけではありません。
 ブログにも名前が登場しましたが、上村亜柚香もいます。
 このチームSのリーダー、副リーダーコンビが、新公演に向けてどんなチームを作っていくのか。今回は、この二人の関係性に注目していきたいと思います。

 まずは、加入から約3年が過ぎた頃の2018年1月28日に行われた上村亜柚香生誕祭の手紙を読んでみましょう。

 「亜柚香へ

 亜柚香と初めて出会った時、『なんだこの子供は』とその時、15歳で子供だったちかも思いました。

 先輩にたくさん甘えていて、ちかが先輩といた時、横から『ちかさん、ちかさん』と来て、ちかが話してた先輩はみんな『亜柚香可愛いねー』って言われ、いつも嫉妬していました。

 そんな亜柚香も今はたくさんの後輩がいます。

 でも、最近の亜柚香を見ていると、どこを目指しているのか正直分からないことがあります。

 亜柚香は今、自信を持って、これだけは誰にも負けへんってことがあるかな?もしあったとしてもちかから見て、伝わらないなーって感じる時もあります。あなたはもっと殻を破れます。楽屋のあの亜柚香をステージでもっと出してほしいです。

 他のチームにいるメンバーに『チームSに私がいたらもっと前に立てる』って言われること、めちゃくちゃ悔しくない?

 ちかが今一番伝えたいことは、もし組閣があって、した時に、今与えられているポジションには絶対に立てへんし、立つにはめちゃくちゃ時間がかかるし、相当な努力が必要です。だから、今を当たり前と思って欲しくないし、チャンスを無駄にしないでほしいです。

 でも、これは亜柚香だけじゃなくて、チームS一人一人そしてちかこも自覚を持たないとダメです。

 亜柚香は今自分が思っている以上にもっと頑張らないとダメだよ。でもね、焦り過ぎないでほしいです。焦ってしまうと周りが見えなくなっちゃったり、ファンの人も不安になってしまうからです。亜柚香は亜柚香のペースで進めばいいんだよ。

 そして、亜柚香は可愛いんだから、もっとツインテールをしなさい。
 

 ファンの皆さんはツインテールに弱いんだよ。
 

 『年齢が』とかよく言ってるけど、もっと周りを見てみな。亜柚香より年上の人なんて、やってるんだよ。


 誰とは言いません。

 ツインテールに年齢なんて関係ないよ。ちかはもっと可愛い亜柚香が見たいです。

 

 まだまだ大人っぽくなんてならなくていいし、今しか出せない上村亜柚香をこれからも出していってほしいです。困った時はいつでも頼ってね。

 ちかは卒業された『らりるれりーん』の先輩にこの言葉を言われたことがあります。あの時、ちかがたくさん支えてもらったように、今度はちかが亜柚香のことを支えられるように頑張ります。

 もちろん、亜柚香に負けないようにちかももっともっと頑張ります。

 改めて亜柚香、14歳のお誕生日おめでとう。

 亜柚香のことが大好きな松本慈子より」

 この頃は、チームSもまだ試行錯誤の段階だったのかな、と先ほどのブログの内容を踏まえると感じます。そして、厳しい言葉の端々から慈子の亜柚香への期待の大きさを感じます。「私の知っているあなたは、こんなもんじゃないはず」と僕は読み取りました。
 以前、この生誕の手紙を引用した記事と重なるところがあるので省略しますが、一つだけ言えるのは同じ最年少で先輩から期待されてきた境遇にある彼女だからこそ、分かるものがあったのかも知れません。
 
 続いて、2021年11月19日に行われた松本慈子生誕祭で読まれた手紙を見てみましょう。


「ちかさんへ

 22歳のお誕生日おめでとうございます。

 今のタイミングでのお手紙が本当に私でいいのかなと思いましたが、私が14歳の生誕祭の時にちかさんにいただいたお手紙のお返しをいつかしたいなと思っていたので、普段はなかなか言えないことをこの機会にお手紙で伝えたいと思います。

 私から見たちかさんは一言で言うと尊敬する先輩です。

 なかなか直接言ったことはないと思いますが、だいぶ前から尊敬しています。

 これもまた直接ちかさんに言ったことはないと思いますが、私が副リーダーやリーダーになりたいと思うきっかけになったのはちかさんとちかさんの相方でした。

 その時、SKE48でどうなりたいと何がしたいとか明確な夢や目標がなくて、何がしたくてSKEになりたかったのか、どうしてSKEになりたかったのかわからなくなっていた私に夢と目標をくれたのがお二人でした。

 ちかさんはいつも助けてくれて、頼らせてくれて、私にとってとても大事で大きな存在です。本当にいつもありがとうございます。

 チームSメンバー二人の卒業を控えていて、その後の新公演。嬉しい、楽しみの気持ちの反面、不安もたくさんあると思います。

 新公演の初日、劇場公演の幕が開くまできっと色んなことがあると思います。でも絶対に一人で抱え込まないでください。

 私もちかさんを、チームSを支えて皆の力になりたいです。

 ちかさんには私たちチームSがいます。今までよりももっと一丸となって新しいチームSを見てもらえるように皆で一緒に頑張りましょう。

 私にとって今SKEにいたい理由、今SKEが頑張りたい理由の一つがチームSです。そう思わせてくれたのも全てちかさんです。だからこれからも私はちかさんについていきます。チームSの皆は私たちについてきてください。

 これからもビシバシお願いします。

 いつでも駆けつけるので、いつでも呼び出してください。

 ちかさんの近くで色んなことを経験できて、色んなことを学べて凄く幸せですし、SKE人生で今が一番楽しいです。

 本当に『ちかさんのおかげで』なことがたくさんあります。ありがとうございます。大好きです。

 気負わず、ちかさんらしくSKE人生そして22歳を楽しんでください。

 本当にお誕生日おめでとうございます。

 今回お手紙を書く機会をくださった生誕委員の皆様、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


 上村亜柚香より」

 活動の中で、「夢や目標が分からなくなった」そんな彼女に希望を見せてくれた慈子と「相方」さん。今、副リーダーになった彼女は「夢や目標が分からなくなった」後輩メンバーのロールモデルになっているかも知れません。
 そして、「今SKEにいたい理由の一つ」である松本慈子の存在は、とても大きいと思います。
 慈子はこの日の生誕祭をアメブロで下記のように振り返っています。

22歳の生誕祭*松本慈子 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


「あゆか丸の存在に沢山すくわれてるねん」。お互いを助け合いながらチームSを作っていることが分かります。また、「歴代のリーダーや、周りのリーダーと比べて」というところなんて、まさに先ほど僕が挙げた「思い出」について、メンバーである彼女も闘ってきたんだな、と感じます。
 この生誕祭のスピーチで慈子は、チームSでは「この子がセンター」ということを決めなくて良いのでは、ということを語りました。
 確かに今のチームSは、センター候補だらけです。 
 おそらく、SKE48のシングルのリリースが年4回ならば、センターになっているのでは、という子もいます。
 でも、慈子にもあゆか丸さんにも後ろに引かずに、まだまだ前に出て欲しいな、と思います。センターも選抜も。
 二人とも入ってきた年齢が若いので、ついつい昔のイメージのまま見ているファンの方もいらっしゃる方もいるかも知れませんが、キャリアだけでいえば、もうベテランの域に入り始めてるんですよね。

※詳しくは6年目の時のアメブロをお読みください。

 上村亜柚香のアメブロ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 そのギャップについて、他のメンバーはどう思っているんでしょう?
 2022年2月21日に行われた上村亜柚香生誕祭で読まれた手紙をみてみましょう。

「亜柚香ちゃんへ

 ヤッホー! 元気にしてる?

 最近会えなくて寂しいな~。

 時々連絡くれたりして、ありがとうね。

 でも、私がいつもストーリーにメッセージを送ってやり取りするって感じじゃない?」いつもそのだる絡みに『一応先輩だし、対応しとこっか』みたいな感じで返信してくれる。

 でも、昨日は亜柚香ちゃんから『いつ帰ってきますか?』ってメッセージが来て嬉しかったなー。

 あっ、18歳のお誕生日おめでとう。

 ここ1年でまた距離がぎゅっと縮まった気がしてるんだけど、どう? 私だけ?

 現場で亜柚香ちゃんを見つけると元気になるし、仕事が一緒だと『嬉しいな、遊んでくれるかな』ってワクワクするし、どこへ行くにもついてきてくれるし、どこへ行くにもついてきてくれるし、美味しそうにご飯食べてくれるし、私のボケにもつっこんでくえっるし、ガチアレも頑張ってたし、『重ねた足跡』公演教えてくれるし、『SKEフェスティバル』公演助けてくれるし、『会いたかった』公演も助けてくれたし、あなたって本当に良い子よね。

 ただ、いつもどこか周りの同期や同世代のメンバーとは違う落ち着きや冷静さがあって、かと思えば底抜けに明るくて無邪気な一面もあって、『何この子、なかなかつかめないなー』と思ったりもしたんだけど、でもそれは周りを見る力に長けていて、気を使いすぎるゆえの行動だったということ、最近になって気づいたよ。

 違うチームではあるけど加入当初か、いやドラフト合宿の頃から亜柚香ちゃんの今までを見てきて『本当に立派に成長したな』と心から感じています。

 もちろん私の見てきたものが全てではないだろうし、きっと知らない部分で挫折や苦労なんかも少なからずあったかもしれない。

 でも亜柚香ちゃんはそれを一切表に出すことなく、いつも明るく笑顔で、時に冷静沈着に、自分以外の誰かに迷惑をかけないようにって子供なりに沢山考えて我慢して頑張って頑張って過ごしていたんじゃないかなと思います。

 そういう頑張りっていうのは目に見えて感じる部分があって、特に先輩メンバーたちは亜柚香ちゃんのその姿勢に気づいているからこそ、そんな亜柚香ちゃんのその姿勢に気づいているからこそ、そんな亜柚香ちゃんが愛しくて仕方がなくて、皆が赤ちゃんのように亜柚香を可愛がるんだね。

 私の前ではどれだけ甘えてくれていいし、わがままだってたくさん言ってほしい。本音や野望だって聞きたいと思ってる。

 副リーダーとして、7D2として、プリマステラとして大変なこともあるかもしれないけど、きっと亜柚香ちゃんは『全部楽しいです』って嘘偽りなく、あの屈託のない笑顔で言ってくれるんだろうなー。

 でも、亜柚香ちゃんの力になりたいと思っている人が周りにたくさnいることを忘れないでね。

 リーダーは周りを頼れてこそ一人前だし、同期と並んでステージに立っている時間は永遠ではないし、それこそティーンズでいられるのにも限りがある。

 プリマに期限があるってことはないよ。4位、おめでとう。これからも頑張ってね。

 でも、その瞬間瞬間を大事に一生懸命取り組んでる亜柚香ちゃんは偉いし、好きなことに熱中できる人ってとっても輝いてるよ。だからこれからもしっかり自信を持ってね。

 あと、これちょっと恥ずかしいんだけれど、取材で『私みたいになりたい』って言ってくれたの、あれ嘘じゃないよね?

 正直私の活動って、メンバーが憧れるようなものではないだろうなーって思ってたから衝撃だったけど、『ファンの人や大人以外にもちゃんと近くで見てくれて認めてくれる人はいるんだ!』って嬉しかった。

 亜柚香ちゃんはもう既に必要とされている人だし、皆をまとめる力も、引っ張っていく力も持っていると思う。

 私ももう長くやってるけど、未だにうまくいかないなーってことは沢山あるし、いつまでたっても漢字読めないし、大事なところで噛んじゃうし、振り付けもなかなか覚えられないし、ほんとどうしょうもないキャプテンだけど、これからも亜柚香ちゃんの憧れでい続けたいからもっと頑張るね。

 だから、亜柚香ちゃんも『選抜に入るより』なんて考えはやめて、ちゃんと選ばれる人を目指してね。

 いくつになっても上を目指すこと、歩みを止めないこと。私もそう示せるよう、導けるよう頑張るから。

 そして、最後にひとつだけ。無理に大人になる必要はないけれど、かといって子供にももう戻れない。でも、どっちものいいとこ取りをできる最高の時代を生きていると思うから、自分の思うままに素直に生きてこ。自分こそが人生の主役じゃん。

 私が18歳の時なんて『うちが世界の中心。アゲ~!』って思ってたから、亜柚香ちゃんもそんな感じで楽しんでこ。

 何かあったらいつでも言って。力になるし、答えが出るまで一緒に悩んであげるよ。任せて。

 じゃあ、もうすぐ名古屋帰るから一緒に遊ぼうね。

 斉藤真木子」


 上村さんの18歳になることに対して、「どっちものいいとこ取りをできる最高の時代」と真木子は言いますが、これはSKE48のキャリアと年齢との関係にもあてはまる気が僕にはします。
 そして、手紙を読みながら気づいたんですが、そうか、ドラフト2期生の時は合宿の様子をメンバーたちが見に行ってましたね。スタートから知っている真木子だからこその言葉だと思います。
 中でも「『選抜に入るより』なんて考えはやめて、ちゃんと選ばれる人を目指してね」という言葉は、まだまだキャプテンも選抜も経験した彼女ならではの言葉だと思います。そして、まだまだ後ろに引くには早いよ、という願いだと思います。
 実際に慈子のアメブロを読むと、自分よりも「みんな」の方を考えてしまって悩んだことが書かれていますね。

ちかリーダー1周年記念バレンタイン配信v(・∀・*)chikako | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 


 物語は曲だけに宿らない、場所にも宿るということを最初に書きました。
 きっと、チームや公演にも宿るのではないか、と僕は思っています。
 チームS新公演。
 松本慈子と上村亜柚香のリーダーコンビに降りてきた新しい物語です。
 きっとこの二人なら、最高のハッピーエンドにしてくれるのではと信じています。
 そして、いつか、単独名古屋ドームで動き出したアイドル松本慈子が、まだ未体験の上村亜柚香という最高のパートナーを連れて、最高の「里帰り」をして欲しいなと思っています。

※最高の仲間に出会えたことを歌うイエモンの歌を貼ってお別れです。


※以前、書いたあゆか丸の記事はこちら!

栄、覚えていてくれ SKE48の曲と映像の魅力: 静かに流れる言葉 (oboeteitekure.blogspot.com)

2022年4月3日日曜日

過剰な期待と過剰な幻滅の先に

最後まで信じられるか?

 

 先日、幻冬舎から発売された佐藤航陽さんの「世界2.0」が面白いです。
 メタバースの歩き方と創り方について書かれた本で、この1ヶ月間で何冊Web3.0関係の本が出たんだ、と思うんですが、その中でも語り口が見事な1冊だと思っています。


 ちなみにシステム的に理解していきたい方には、國光宏尚さんの「メタバースとWeb3」(MdNコーポレーション)がおすすめです。ビジネス活用のヒントが多かったです。当事者の話が聞きたい方は、バーチャル美少女ねむさんの「メタバース進化論」(技術評論社)がおすすめです。なぜ、人は美少女のアバターや声を使いたがるのかが面白っかったです。雑誌の特集だとWIREDのVOL44の執筆陣が非常に豪華です。コムギさんの図表がピカイチでした。なんでこんなにWeb3.0関係の本ばっかり読んでいるかというと、完全に自分が勉強したいだけなんですが、SKE48とも関連した記事をそのうち書けたらいいかなあ、と思っています。


 さて、話を佐藤航陽さんの「世界2.0」に話を戻すと、彼の語り口のうまさとしては、システムを歴史の軸に乗せて語っていくということがあります。
 早すぎた天才テスラの物語から、テクノロジーの進歩と民衆が気づくまでの速度についてなどごりごりの文系出身の僕にも親しみやすい語り口で書かれています。
 その中で印象的なエピソードがありました。
 新しい技術は「過剰な期待」と「過剰な幻滅」に交互にさらされながら、普及していくそうです。
 何かのきっかけであるテクノロジーが注目を集めると、大衆は「過剰な期待」をします。期待から多くの投資家たちは資金を投入します。しかし、期待というのはずっと続きません。なぜならテクノロジーが実際の経済の中で活用されて価値を生むまでは時間がかかるからです。
 目の前のリターンが期待できなかったり、参入してみても四半期単位で結果が出ないので、多くの投資家たちは撤退し、市場からそのテクノロジーは消えていくことになります。
 そんな幻滅期の冬の時代でも一部の人たちは市場に残ってコツコツと技術を磨き続けるそうです。そして、社会実装が進みいよいよ本格的に経済価値を生む状態になった時に、残った人々が収益を大いに得るわけですね。
 僕はアイドルにも「過剰な期待」と「過剰な幻滅」のサイクルはあると思います。
 新人としてデビューした時に、「この子ならグループに新しい風を吹かせるかも未来のセンターだ」と「過剰な期待」を持たれ、「でも、なかなか選抜に入らないなあ。みんなが期待しているほどでもないのかなあ」といった「過剰な期待」をした分だけの「過剰な幻滅」もされるのではないかと思います。
 

 SKE48なら誰を思い浮かべるでしょう?

 僕は水野愛理を思い浮かべます。

 彼女ほど多くのファンに「過剰な期待」をされ、そのせいで「過剰な幻滅」をされたメンバーもいないのではないでしょうか?
 ドラフト2期生としてSKE48に来た彼女は、多くのファンが「期待」しました。
 しかし、当時のSKE48は群雄割拠の世界でした。
 先輩にはセンター候補がゴロゴロいますし、同世代には新センターになる小畑優奈や最速選抜入りの後藤楽々、後に本店超選抜まで行く菅原茉椰や配信の女王である白井琴乃がいました。
 才能が渋滞中だったわけです。
 やがて、彼女にかけられた期待は「幻滅」に変わっていきます。
 それが彼女のせいなのか、周りの「期待」のせいなのかは、分かりません。
 何度か波のようなサイクルでそれは続きました。

 やがて、時は経ち2021年10月11日。
 この日は彼女の生誕祭でした。
 ちょっとその時、読まれた手紙を読んでみましょう。


「愛理へ

 19歳のお誕生日おめでとう。

 まさか、卒業してから約5か月経つのにお手紙を書かせてもらえるなんて思っていなくてビックリしています。

 愛理もファンの皆様もお久しぶりです。竹内彩姫です。

 愛理と仲良くなったのは同じチームになってからかな?由麻奈さんと3人で毎日のように一緒にいたあの時を思い出します。

 公演終わり、盛れなかった写真を見ながら誰が一番ひどい顔をしているか勝負したり、急に3人でミュージカルを始めてみたり、動画配信を始めようって1日中撮影したり、いつもひっつき虫の愛理は冬、ニットを着ている由麻奈さんの服を引っ張って『伸びるからやめてよ』って毎年怒られていたり、SNSを更新しないで遊んでいると、『由麻奈さん、愛理、ブログ・メールやったの?』って私にしつこく言われたりはいつもの恒例で、傍から見たらきっと何が面白いのかわかんないようなくだらない出来事だらけだと思うけど、毎日息が苦しくなるくらい笑ってたね。

 今考えても3人とも加入してきた時期、年齢、性格もバラバラなのに未だにぜっと仲良しなのって凄いことだよね。

 だからこそ、愛理を残して2人とも卒業しちゃって寂しい思いをさせちゃってるかな?ごめんね。

 最近はこの状況だから会うこともできないし、話せてないから無理を隠して活動していないか心配です。

 愛理は強がりだし、素直じゃないから誤解されやすいけど、誰よりもアイドルが好きで、アイドルがファンにもたらすパワーがどれだけ凄いものか知ってるよね。

 急なポジション変更に徹夜で対応して完璧にこなしていたり、振り入れがある日はあらかじめ予習してきて誰よりも早く踊れていたり、最近では後輩に注意してたり、教えてあげている愛理を見かけると『先輩になったんだな』と微笑ましく思います。

 アイドルに対して本気だからこそ納得できないことも多くて反発したり、病んでしまうことも多いのかな?

 でも『由麻奈さんと彩姫さんがいなくなったら愛理はもう無理です。やっていけません』って泣きながら言っていた子が、私たちが卒業してからもアイドルとして輝いているところを見ると頼れる先輩、同期、可愛い後輩ができたんだなって嬉しく思うし、安心します。

『公演でセンターがしたい、もっと上に行きたい』きっと思う気持ちがあると思います。本当の気持ちに蓋をせず、素直な気持ちで真っすぐに努力を惜しまず、愛理が大好きなアイドルってお仕事を楽しんでね。

 私にとってはずっと可愛い妹みたいな存在だから、いつでも甘えて頼るんだよ。

 ずっと応援してるからね。

 改めて19歳のお誕生日おめでとう。

 竹内彩姫より」

 

 ついつい、僕らはメディアやSNSなどの彼女の発言や物販での大活躍に目が行ってしまいますが、忘れてはならい水野愛理という人の根幹の部分をさきぽんが、何か思い出させてくれた気がします。
 可愛い後輩だった愛理が、やがて先輩になっていく過程が伝わってくる手紙でもありますが、中でも後輩に注意や振り付けを教えてあげられるようになったところが素晴らしいですね。
 いや、ドラフト2期なんだから当たり前だろ、と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、K2の妹だった彼女が今は引っ張る側になっているんだなあ、と感じます。
※昔の彼女が分かるアメブロはこちら!

トラウマを成長に...水野愛理 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 彼女はこの日のスピーチで、「ファンの方がいれくれること」に対して、嬉しさや救いを感じていると語ります。また、自分がアイドルに向いてないんじゃないか、辞めたいと思ったこともあると語りながらも、皆との関わりを切りたくないからここにいるとまだアイドルを続ける理由を明示していきます。
 そして、忘れられないのが、スピーチが後に江籠さんとの会話でちらりと言った一言です。


「このご時世になってファンの方のありがたみが凄く伝わったし、いなくなっちゃった方もいるし、知らない間に。だから、凄い今いる方を大切にしたいなって思います」

 

 「期待」と「幻滅」はひょっとすると、ファンからアイドルへだけではないかも知れません。
 居なくなっていくファンに「幻滅」することもあるかも知れませんが、それでも残ってくれるファン、新しく入ってきたファンへの「期待」をし続けることが出来る。そんなファンに僕らはなっているでしょうか?
 双方向的に「期待」と「幻滅」が起こっていたのではないか、とふとこの記事を書きながら思いました。
 ブロックチェーンが誕生した時、ビット・コインに関するサトシ・ナカモトの論文がはっきりとわかる人は専門家たちだけだったそうです。
 そこから普及していくまでに時間がかかりましたが、最初からチェックしている方は、現在多大な収益を得ているそうです。
 同じく、水野愛理から目を離さなかった人は、きっと「推してて良かった」と思える瞬間が来ると僕は思っています。
 彼女はアイドルについて、続けてこう言っています。

「ライブがしたい。そう、アイドルである意味ってやっぱライブだったりとか、特典会とかもそうなんだけど、こうやってイベントして踊ることがアイドルの職業だと思ってるから、それが出来いのは凄く悲しいので、ライブがしたいなと思います」

 水野愛理の「回遊魚のキャパシティ」のサビ前のキックが大好きです。
 水野愛理の「雨のち奇跡的晴れ」のMVの1分20秒ぐらいの手の動きも好きです。
 歌って踊る水野愛理は、彼女の発する言葉よりもファンの方々の言葉よりも、アンチの言葉よりも饒舌で説得力があります。
 ああ、だからこの子はSKE48なんだな、という説得力です。

 もし、歌って踊る水野愛理が素晴らしいのだとしたら、もっとみんなが見られる場所に配置してみるのも面白いと僕は思います。
 チームでもなくユニットでもなくあの場所へ。


※以前、水野愛理について書いた記事はこちら!

栄、覚えていてくれ SKE48の曲と映像の魅力: 共鳴が証明する瞬間を待つ (oboeteitekure.blogspot.com)


2022年3月27日日曜日

故郷と決断

いつかその日のために

 

 大人になってから聴くと初めてその曲の世界観が明確になっていく曲があります。
 たとえば、中島みゆきさんの「ファイト」。
 1983年にリリースされた「予兆」というアルバムの1曲です。
 ちなみに、僕は1983年生まれなので、当然リリース当時は知りません。
 1994年にCMソングに採用され、同年5月14日に発売された「空と君とのあいだに」で両A面シングルとして発売されました。
 当時小学生中学年だった僕は、「ファイト!」というサビの力強さと魚よ頑張れ、ぐらいの感想しか持てませんでした。
 しかし、大人になってから聴くと、「わかる、めちゃくちゃ分かるぞ!」という箇所が沢山あります。サビの「闘わないやつら」なんて曲が書かれた時代よりも目につきやすくなった気がしますし、海になった「あいつ」のところとかは、涙が止まりません。
 その中であの田舎を出ていくところですよ。
 「薄情もん」呼ばわりとかあと足で砂をかけるなんて、酷い言い方ですが、人生の決断の中でどうしても何かを切り捨てていかなければいけない時もあります。
 その選択で、切り捨てられた側からしたらたまったもんではないですが、切った側も決して軽い気持ちではないのは、自分も社会人になってから様々な取引の中で学びました。
 僕が切り捨てたものの中で自分のふるさとがあります。
 周りの人は高齢者が多くて、文学に興味なんか無くて、映画も芸術もここじゃあ学べない。早く抜け出したい。
 そんな気持ちでふるさとを離れました。
 18歳の時にふるさとから離れて38歳で戻るまで、長い間切り捨てていました。
 今、ふるさとに戻ってそこで職を見つけて、今、ふるさとを盛り上げるための仕事についているんですが、自分があと足で砂をかけたふるさとと今、うまく付き合えているのだろうか、と考えることがあります。
 花房尚作さんが光文社新書から出した「田舎はいやらしい 地域活性化は本当に必要か?」を読んでいると、地方の現状を九州の鹿児島を中心に追った本で、かなりダウナーな内容なので、もし読まれる方はそれなりの覚悟が必要な1冊なんですが、自分のふるさとを考える上で非常に参考になりました。
 実は、人口が多い街はチームプレースポーツが強くなり、人口が少ない町は個人プレースポーツが強くなるなど、面白いデータがありましたし、地方から都会へ流出する理由として大きく3つに分けられるところも興味深かったです。
 ① 学問を求めて。② 専門職を求めて。③ 選択肢を求めて。
 この3つを1つずつクリアーしていくことが重要だそうです。
 しかし、地方に上記の3つが揃っているとは限りません。
 なりたい自分になるためには、遠くへチャレンジするしかない。
 

 前置きが長くなりましたが、中島みゆきさんの「ファイト」を聴いていて思い出すメンバーがいます。

 SKE48の9期生。
 池田楓さんです。

 まずは、彼女の自己紹介のアメブロを読んでみましょう。
 \はじめまして/ #池田楓 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 長崎県の佐世保市出身なんですね。
 しかも早くも地元のハウステンボスのサイトにも載っているなんて凄いですね!

 Motto!ハウステンボス!Motto佐世保 (huistenbosch.co.jp)

 なんで僕がこんなに凄さを感じているかというと、まさに今、僕が住んでいる愛媛県宇和島市出身のSTU48の兵頭葵さんと地方の観光や商工をつなげられないか、とじわじわ動いているので、羨ましいことこの上ないわけです。
 話をかえにゃんに戻しましょう。
 

 長崎の佐世保から愛知県の名古屋にやってきたかえにゃん。
 彼女はどんな思いでSKE48にやってきたのでしょう?
 2019年7月12日の彼女の生誕祭の手紙を読んでみましょう。

 「楓、お誕生日おめでとう。

 19歳の楓がアイドルになって、こんなにたくさんの人にお祝いしてもらうなんて想像もしてませんでした。

 思えば幼稚園の頃から楓の夢はアイドルになることでしたね。おもちゃのマイクで歌をうたったり、公園のステージでダンスを披露してくれたり本当にキラキラしていました。

 だけど、小学5年生の時に引っ越し、転校をして、なかなか新しい学校に馴染めず、つらい思いをさせてしまいました。

 中学高校とあなたは本当に真面目に学校生活を送っていて、いつしかアイドルになるということを口にすることもなくなり、『地元で就職して早く親孝行をして家計を助けるからね。お給料をもらったら17匹の猫のためにキャットタワーを買ってあげたい』なんて言ってくれるようになりましたね。

 高校では簿記電卓部で全国大会に出場したりとか日商簿記2級などたくさんの資格を取ってコツコツと努力を積み重ねてきました。

 その結果が実って高校からの推薦で、地元で一番いい就職先に内定をもらって家族みんなでお祝いしましたね。この先も楓とは一緒にいるんだなと思っていました。

 そんな楓が高3の秋に突然『アイドルになるという夢を叶えられるのは最後かもしれない』と、驚くほどの行動力でオーディションへ向かった時は、アイドルへの夢や憧れはずっと心に秘めたまま消えてなかったんだなって嬉しかったよ。

 本当はそれまでも何度もオーディションに応募していたこともママは知りませんでした。楓の気持ち、何も理解してなかったなと反省してます。

 自分で夜行バスを予約して11時間かけて名古屋に行きましたね。

 初めての名古屋、たった一人で道に迷ってオーディション会場まで2時間歩いたと聞いた時はママに似て方向音痴を受け継いでるなって申し訳ない気持ちになりました。

 そして、まさかのオーディション合格。最終審査まで残った時は『ここまで来たら合格してほしい!』という思いと『合格したらどうしよう』という複雑な思いでドキドキしながら結果を待っていたのを思い出します。

 でも、そこから本当に大変でしたね。

 就職内定を辞退するということがどれだけ大変なことか楓もパパもママも何もわかっていませんでした。

 学校に呼び出されること5回。行く度に先生の数が増え、その度に考え直すように説得され、ママは初めて内定を断ることの重大さを知りました。

 『学校始まって以来の前代未聞の事件だ』とまで言われました。

 だけど、楓は毎回泣きそうになるのを堪えながら、目に涙をいっぱいに浮かべながら自分の意志を貫き通したね。

 担任の先生、学年主任、進路指導主任、教頭先生、校長先生を前にして一歩も引かずに自分の覚悟を一生懸命に伝えました。

 ママは先生方の迫力に圧倒されて何も言えなくてごめんね。

 最後は先生方も納得してくれましたが、その時に背負った責任と覚悟は一生忘れないでください。あなたはアイドルを選んだことでたくさんの人に迷惑をかけたこともまた事実だから。

 12月になって慌ただしく名古屋に引っ越し、あまりに急展開でもう何が何だかわからない日々でしたが12月31日のお披露目に行くことができて凄くキラキラしている楓を見ることができて本当に嬉しかったよ。

 人が沢山いてママはキョロキョロしすぎで挙動不審だったかも。

 そして、地元を離れて半年が過ぎました。田舎から出てきて初めての一人暮らし。希望よりも不安の方が大きくって、最初のうちは毎晩泣きながら電話をしていましたね。あっ、それは今もかな。

 ダンス経験もなく運動をやっていなかったあなたの武器はとにかく真面目なこと。振りの映像を見ても覚えられないからとノートに立ち位置の動きや手の振り、指の動きまでびっしりと書き込んで夜中まで練習したり、本当に頑張っていると思います。

 時間はかかっても真面目に積み重ねた努力はきっといつか花を咲かせてくれるから、今はどんなに苦しくても結果が出なくても決して腐らずに諦めずにコツコツと努力を重ねてください。絶対楓なら大丈夫。両手百握りの手相を持ってるしね。

 田舎もんでもダンスが苦手でも努力すればアイドルとして輝けることをこれから楓が証明していってくれることを心から願っています。

 楓はママの誇りです。悔いのない楓の人生をこれからも精一杯歩んでね。

 最後に。こんな素敵な生誕祭を開いてくださったファンの皆様、スタッフの皆様、先輩の皆様、そして同期の皆様、今日は本当にありがとうございます。たいした取り柄もない田舎の娘ですが、アイドルへの思い、SKEへの思いはどこまでも純真でまっすぐに持っています。どうかこれからも娘を支えてあげてください。よろしくお願いします。

 ままにゃんより」


 もうね、読みながら彼女がどんな覚悟と責任を持ってSKE48に来てくれたのが分かります。高校時代から彼女が凄く真面目で努力家だったことが伝わってきます。そして、内定を断るくだりは、教育業界に10年身を置いていた人間としては、かえにゃん側の気持ちも先生側の気持ちも分かって、読んでしばらくは自分の記憶が色々と蘇りました。良い文章の条件の一つに内省が生まれることだと思うんですが、このお手紙を読んで皆さんも人生の中の痛みと共に選んだ選択を思い出したんじゃないでしょうか?

 涙をこらえながらも選んだ道は、一度は彼女を地元長崎佐世保から離れさせますが、時を経て素晴らしい形で錦を飾らせてくれることになりますが、まだ先の話です。
 

 高校の頃の彼女の勉強家ぶりが分かるアメブロを読んでみましょう。

池田楓(=^x^=)キャッチフレーズの由来☺︎ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 この人は、アイドルを辞めてからも仕事に困らないんじゃないか、という手に職がついてるアイドルですね。いつか、かえにゃんと某資格取得出版社(英語3字のあそことか)のコラボで、彼女の体験談を踏まえた参考書とか出版しませんか?

 さて、彼女はSKE48となり、研究生、正規メンバーと昇格していきます。
 その中で、同期との別れや自分のやりたいことが明確になったりと様々なことがありました。
 ちょっと連続して二つのアメブロを読んでみましょう。

 池田楓☺︎きゃさん卒業公演 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 きゃさんこと、石川花音さんの卒業についてのアメブロは、本当に青春を感じるもので、「To be continued」が本当に似合うなあ、旅立ちと見送りだなあと今更ながら感じます。

 そして、もう一つは生誕祭のことです。

池田楓☺︎生誕祭のこと | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 「先が見えなくて」、「自分は何をしてくてここにいるのか分からなくなって」という箇所は本当にコロナ禍が直接的な金銭やイベントの中止だけではなく、間接的にエンタメに携わる人たちを、苦しめているなと感じますね。
 そんな期間中も彼女をSNSなどで支えてくださったファンの方々との関係が素晴らしいですね。
 そして、「長崎佐世保市の観光大使」という目標。
 

 彼女はその目標にたどり着くために、努力していきます。
 その結果が2021年12月に出ます。

池田楓☺︎観光マイスター | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ただ観光大使になりたいというだけではなく、自分も地元の観光について勉強するという姿勢は本当に素晴らしいです。
 2022年、かえにゃんが観光大使になる姿が見たいですね。
 そうすることで、高校生の時の彼女と同じように、地方からアイドルになりたいと夢を見ている人たちのロールモデルになれるのではと僕は考えます。一度はふるさとを離れてもきっと自分のなりたい仕事でふるさとの為になれると。
 きっとかえにゃんは、今日も静かに闘っていると思います。
 目標に向かって。
 それを嗤う人もいるかも知れません。
 それでも僕は、諦めずに一つ一つ実績を出していく彼女のこれからを楽しみにしています。
 

2022年3月20日日曜日

変異と適応と鎌田さんについて

 進化に必要なもの


 慶應義塾大学特別招聘准教授の太刀川英輔さんの「進化思考」が面白いです。
 生物や製品が進化していく過程を9種類の「変異」と4種類の「適応」で考えていく大著です。
 たとえば、量の変化を想像することで様々な進化や発明が生まれます。
 地球を小さく描きたいと思ったから地球儀が出来たでしょうし、iphoneをもっと大きくしたいと思ったからipadが出来たというような「変量」など、様々な事例が挙げられています。
 中でも生態系の競争での生き残り方が描かれた「適応」の賞が凄く面白くてですね。
 たとえば、「ニッチ」について書いた章。
 生態系ポジションの隙間を狙って自分の地位を作っていくことを生態学で「ニッチ」と呼ぶそうです。
 他の種がすでに生態的地位を確立してしまっているところでは競争に負けてしまうので、なるべく競争がすくないところを生物は狙って生き延びます。
 コアラのことを考えてみましょう。
 コアラが食べているユーカリの葉には猛毒があるそうです。
 他の生き物からみたら、「マ、マジか、あんなの誰も食べないよ。お腹こわしちゃうよ」と心配になると思います。
 実際にコアラにはユーカリを無毒化する免疫はありません。
 ですので、食べながら痺れているそうです。
 だから、コアラはゆっくり動きますし、22時間も寝ているそうです。
 めちゃくちゃ無理をして「適応」をしているわけですね。
 周りの動物、コアラにも食べさせてあげて、と思わず思ってしまいます。 
 僕は、ふとアイドルについても同じようなことが起こっているのでは、と思いました。


 まず、アイドルになるということは、普通の女の子が様々なタイプに「変異」していくことだと僕は思います。
 そして、厳しいアイドル界の中で自分なりの「適応」をしていくことだとも。
 

 鎌田菜月さんのサイリウムカラーを皆さん覚えてらっしゃいますでしょうか?
 紫1本と白2本ですね。
 普通の女の子だと自分の好きな色はあっても、自分を応援するサイリウムの色を持つというのは、アイドルならではだと思います。
 鎌田さんのサイリウムカラーについては、こんなエピソードがあります。
 ちょっと、2019年12月10日のブログを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)<紫は好きな色じゃない。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、お母さまが好きな色だったんですね。
 「ライバルだと思って通したドレスが、相棒になりました」という表現が素敵ですね。
 そういえば、鎌田さんって、私服はモノトーンのイメージが強い感じでしたが、そういうことだったんですね。
 ちなみに、この紫は彼女にとって安心できる「お守り」のような色になっていきます。
 2020年11月16日のアメブロを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)<私にとってのお守り。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
 

 知らない人たちと出会うロケ番組などで、ちょっと緊張するときに「ほっこり」を感じられるスタッフの方の優しさと色に関するエピソードが素敵ですね。
※本題と少しずれますが、ロケに関する素敵なエピソードがあったので、こちらのアメブロも是非!

(鎌ºωº田)<地元と一緒に。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 さて、鎌田さんがいる48グループは、W・チャン・キムが提唱したマーケティングの「ブルーオーシャン戦略」でいえば、非常に「レッドオーシャン」な状況だと思っています。
 2022年現在は勿論ですが、時計の針を5年戻したとしても、色々な席は埋まっていたと思います。それでも、生き残るためにはチャレンジが必要です。
 そこで、鎌田さんはこれまでの連載でも書きましたが、様々なチャレンジをしていきました。
 そんな鎌田さんのスタンスが分かるアメブロを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)< #美浜海遊祭2018 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 「たとえ自分の中の努力が結果と比例しないとしても、それが1つの結果であり評価です

 『何で頑張ってるのに?』ではなく受け止めて、1つ1つ頑張っていくしかないんです」

 そんな彼女のことを見つめていた先輩がいます。
 須田亜香里です。
 だーすーといえば、この長いアイドル生活の中で様々な「変異」を行い、アイドル界どころか、芸能界に「適応」していったメンバーです。
 彼女の目には、鎌田さんはどんな風に見えていたんでしょうか?
 

 #須田亜香里 #カレーはいかが? #鎌田菜月生誕祭 #お手紙 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 「頑張ったこと」に関するスタンスが非常に似ていますよね。
 さらにもう一つ。

 #須田亜香里 #鎌田菜月生誕祭 #Mステ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 このアメブロからも鎌田さんが、アイドルの枠に収まらずに「変異」を続けていたことが分かります。


 ちなみに、鎌田さん関連で「行動すること」について書いたアメブロも読んでおきましょう。

 #須田亜香里 #名古屋ウィメンズマラソン #行動を起こすということ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 ちなみに、だーすーに対する鎌田さんの視点を見てみましょう。

(鎌ºωº田)<須田亜香里のソーユートコあるよね? | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、お互いの良いところを発見し合ってますね。
 

 「ニッチ」の獲得競争には環境負荷を低減させる効果もあるそうです。
 「ニッチ」を獲得することでそこに余剰が生まれ、お互いに価値化をしあえば生態系には効率化や安定化が生まれやすいそうです。
 SKE48もそうです。
 勇気を出して新しい分野に飛び込んでいくこと、自分の色を増やしていくこと、そうすることで周りのメンバーにも良い影響が生まれていくわけです。
 それが伝わるだーすーのアメブロを読んでみましょう。

#須田亜香里 #読み方が分からない味 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


「頑張れ。
 そして
 鎌田のように頑張らせてくれ」


 後輩に対してそんなことを素直に言えるだーすーの凄さと、鎌田さんとファンの方々が起こした「活力をもらえる生誕祭」。
 本当に良い関係だと思います。
 もう鎌田さんたち6期生はベテランのグループに入ると思います。
 多分、これからは若手に混ざってイベントで戦うことになるとも思います。
 でも、鎌田さんには遠慮せずに欲張って欲しいな、と思います。

(鎌ºωº田)<立候補します! #春の鎌田まつり #P4U | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 今までは選ばなかった選択をしていく。それは怖いことですが、勇気をもってファンの方々と進んでいく。
 「変異」と「適応」を繰り返しながら、人見知りの彼女は新しい物や人と出会っていきます。それは時として疲れることや緊張することかも知れませんが、「月」という名前で覚えてくださった方のように、きっと彼女にとって大事な縁になっていくのではないか、と思います。

 2022年、鎌田さんはどんな「変異」を遂げて、どこに「適応」していくのか。
 今から楽しみです。

「Style of ニッポン~古畑奈和の綺麗・絶景・長崎夜景」の感想

 夜景と文化


 いやあ、久々にBS日テレさんと古畑奈和ちゃんの番組ですよ。
 これまでは奈和ちゃんが大好きなお酒や酒場に関連する番組でしたが、今回は夜景!

 しかも、お昼の14時からということで、どんな感じの番組になるのか楽しみにしていました。
 で、感想を先に書くと、「美しくてタメになる!!」です。
※予告動画はこちら!


 まず、最初の10分間は、夜景評論家で夜景プロデューサー、その他夜景関係の肩書をお持ちの丸々もとおさんのお話から。
 驚くぐらい雑に説明すると、夜景の世界は奥が深くて国際的にも注目され始めているんですね。日本は夜景先進国で、経済効果も期待できると。たとえば、音楽や食といったコンテンツは移動が可能ですが、夜景は土地そのものが作るコンテンツなので、直接来てもらわなければいけない。そして、夜に観るのでその土地に宿泊してもらうことも期待できる。
 更に、海外の夜景はイベント的なものが多いということも語ってらっしゃいましたね。それに対して、日本の夜景は生活の光が多いんですかね。
 
 いやあ、非常に勉強になるんですが、番組が始まって10分が過ぎたあたりから「あれ?これはもしや、『Style of ニッポン 丸々もとおの綺麗・絶景・長崎夜景」を付けたんじゃ、という不安が沸き上がってきましてね。
 続く、夜景写真家の岩崎拓哉さんの話も面白くて、夜景との付き合い方といいますか、眺めるとアイディアが沸いてきたり、周辺も散歩するのも良いよね、という話も素敵でしてね。夜景を上から見る「パノラマ」、人工的に演出する「ライトアップ」、非日常的な空間が魅力の「工場夜景」とジャンル分けで夜景を楽しむというのも本当に良いなあ、と思ったんですよ、ええ。
 でもね。
 すでに、この時点で20分に迫ろうとしています。
 あれ、番組が始まってもう3分の1が終わろうとしてるぞ。
 そんな不安をよそについに我らが古畑奈和ちゃんが登場です。

 まず、ランタンが吊るされた中華街のあたりを歩く奈和ちゃんの姿が良いですね。
 僕が6月の終わりか7月の頭に出す雑誌でも(クラファンと自費です)、たまたま長崎にいらっしゃる方に執筆してもらう予定なんですが、その時に使う予定なのが、このランタンやランタンフェスティバル関係の写真と街なので、今回の番組は凄く期待していたんですが、映像で見るとまた良いですね。

 まずは、長崎市の文化観光部観光政策課の遠藤さんからお話を聞きます。
 この時の黒髪に黒のロングワンピの奈和ちゃんが素敵でしてね。
 収録しているホテルの感じもあるんでしょうが、上品な美しさがありましてね。 
 これまでの「えにし酒」や「乙女酒」とは違った魅力を感じます。
 ちなみに僕はこっちの路線の奈和ちゃんが演技をするところとかも見たいです。
 さて、遠藤さんのお話によると長崎の夜景ガイドがあるみたいですね。

 そんで、このHPにも丸々もとおさんがいるではないですか!
 話を番組に戻すと、奈和ちゃんは稲佐山に夜景を観に行きます。
 頭にちょっと粉雪がついていることから、この日は凄い寒かったのでは、と思います。
 で、こちらは夜景を見つめる奈和ちゃんの横顔が素敵でしたね。
 強いていえば奈和ちゃんの感想が聞きたかったかな、という感じです。
 まずは、「パノラマ夜景」を楽しんだわけですな。
 
 今度は、長崎ハウステンボスへ。
 ハウステンボスといえば、パトレイバーですよね。




 ちなみに、僕は映画の「パト2」派です。
 さて、話を番組に戻すと、ハウステンボスの古賀春菜さんのお話を聞くと、ハウステンボスはめちゃくちゃイルミネーションに力を入れてるんですね。
 社員の方々もイルミネーション作りに携わっているというのも大変ですが、ありがたいですね。
 そして、インタービューをしているスペースがまた素敵なんですよね。
 この日の奈和ちゃんは耳を隠している髪型で、ふわふわモコモコファッションですね。
 奈和ちゃんは、「光の滝」や「ウォーターマジック」などを観に行くんですが、小さい拍手をしているところが良いですね。
 で、本編ではアンブレラストリートで、奈和ちゃんの出演場面は終わります。
 「イルミネーション」編の終わりです。
 
 ここからは、ナイトタイムエコノミーとして、東京の夜景が紹介されます。
 品川のお高そうなホテルが紹介されます。
 さらに東京の首都高速道路の夜景情報なんかも入ります。
 都心にお住まいの方は是非チェックを!

 最後は丸々もとおさんのインタビューです。
 ここも「夜景」の定義が面白くて「夜の気配を視覚的に感じられるもの」というところが凄く良くてですね。
 今は、コロナ禍で人が集まりにくい状況ですが、劇場やコンサート会場に僕らファンで色とりどりの「夜景」をサイリウムで生み出す日が帰ってくるといいな、と番組を見ながら思いました。

 最後のスタッフロールで、youtube版の動画の紹介があるんですが、奈和ちゃんのいつもの感じが楽しめる素敵な動画になっていますので、未見の方は是非!

※#1 佐世保バーガー編( スタッフの方とのからみも面白いですよ )


※2 レモンステーキ編( 良い匂い過ぎて跳ねる奈和ちゃんが最高です )


 もう、昼景をレギュラー番組化してくれ!
 流石に丸々さんも昼景は把握してないだろう!
 そんなことが脳裏を駆け巡りましたが、番組を作るための予算を獲得するには、色々とあるのかなあ、と素人ながらに思いました。
 どうか、BS日テレさんと奈和ちゃんの良いえにしがこれからも続きますように!

 
 
 

2022年3月6日日曜日

エンドロールの後も続く物語

今もきっと



 昨年(2021年)の12月に刊行されたダン・ヒースの「上流思考『問題が起こる前』に解決する新しい問題解決の思考法」が面白いです。
 冒頭で出てくる医療社会学者アーヴィング・ゾラが語ったとされるエピソードを驚くぐらい雑に紹介させてください。
 「あなた」が友人と川岸で楽しくピクニックをしているとしましょう。
 すると、川で叫び声が!
 なんと子供が川で溺れているではないですか!
 「あなた」は友人と一緒に川に飛び込んで子供を助けます。
 良かった。良かった。
 これが映画「子連れ狼 死に風向かう乳母車」だったら、「あなた」の武器である銃を奪った拝一刀が川辺に立っているところですが、溺れていた子供も大五郎ではないので、大丈夫です。
 ところが、すぐに違う子供の叫び声が川から聞こえてくるではないですか。
 間一髪、なんとか救うことができました。
 しかし、次から次からへと子供が流れてくるじゃあないですか。
 ふと友人の方を見ると、川から上がって上流を目指しています。
 「上流に子供を流しているやつがいる!そいつをぶっとばす!」

 これは根本的な問題が普段から見逃されているのではないか、という大きな問題提起です。そこから、問題解決について語られていくんですが、この上流思考というのは問題解決だけではなくて、他のことにも応用できるのではないか、と思いましてね。
 
 SKE48における公演職人たちの歴史。
 まずは、あいあいこと、杉山愛佳さんとなるぴーこと片岡成美さんについて書きました。
 その上流にいる、なるちゃんこと、市野成美さんについても先日書きました。
 じゃあ、その上流には誰がいるのか?

 SKE48の4期生、えみりんこと小林絵未梨さんだと僕は思います。
 彼女のことをなるちゃんは「師匠」と呼びました。
 何故、彼女はなるちゃんが「師匠」と呼びたくなる存在だったのか。
 今回は、えみりんについて考えてみたいと思います。

 彼女は2010年9月30日にSKE48の4期研究生として、SKE48に加入します。
 同年12月6日に4期生たちが中心となったチームEが結成されますが、そこに彼女の名前はありませんでした。
 それでも彼女はめげることなく、公演に出続けます。

 2011年の生誕祭の手紙では、「制服の芽」公演の松下唯さんのポジションと、「パジャマドライブ」公演では、阿弥ちゃんポジションを短期間で覚えたエピソードが彼女のお母さまから語られたそうです。 
 その時の彼女は決してダンスが得意でも覚えが早いわけでもなく、泣きながら家でDVDを見ながら覚えたそうです。
 これに加えて「見逃した君たちへ2」で「手をつなぎながら」のアンダーも担当しています。
 2012年になると、「ラムネの飲み方」公演では古川プロと佐藤聖羅さんポジションもマスターします。
 少しこの後書くことと時期が前後しますが、2012年6月17日に彼女がグーグルプラスで書いたことを少しだけ抜粋します。
「小林絵未梨 6/17 22:47
 えみりの初アンダーって
 Eだっけ?Sだっけ?
 忘れた(笑)

 小林絵未梨 6/17 22:47
 3つの公演を一気に覚えたのしか覚えてないわ、、、

 小林絵未梨 6/17 23:02
 水のないプール
 手紙のこと
 覚えるの大変だったなー
 
 小林絵未梨 6/17 23:49
 でもガイシでコンサート
 ほんと良かった!
 生誕Tシャツ見つけたときの嬉しさ半端なかったよー」
 
 最初読んだ時、ちょっと凄すぎて理解が追い付かなかったんです。
 3つの公演を、同時に?
 めちゃくちゃ過ぎます。
 いったい、昔のSKEどうなってんだ、と。
 当時のチームSは選抜メンバーの多さから慢性的な公演メンバー不足だったそうです。
 しかも、当時のチームSは桑原みずきや中西優香という公演の鉄人たちもいました。
 3期生たちのラジオのトークを聞く限り、出るまでのテストもあり、そう簡単に出られるものでもなかったはずです。
 それでも出演できていた背景には、彼女の努力があったからこそではないかと思います。
 

 2011年11月26日に5期生たちがお披露目されます。
 その中には彼女の後に「弟子」となる市野成美の姿もありました。

 2012年、彼女の活動の中で転機となる出来事が起こります。
 2012年2月27日に書かれた彼女のブログの一部を抜粋しましょう。

「前回はブログをあげられなくて
 ごめんなさい。

 ご存じの方もいると思いますが
 パパが脳幹出血で11日に倒れて15日の朝
 お星さまになりました。

 人の命は
 ずっと続くものではありません。
 だけど
 パパの命が尽きるのは
 早すぎました。

 まだまだ
 親孝行してないし
 パパとはしたいことは
 たくさんあったけど
 今はSKEの活動をして
 元気なところを見せるのが
 一番の親孝行だと思います。
 
 いつまでも悲しい姿を
 見せてられないと思って
 17日の握手会にも参加させていただきました。

 握手会では
 『一緒に頑張ろうね』
 『いつでも頼ってね』
 って言ってくださったり
 励ましのコメントも
 たくさんもらって
 ファンの方の優しさ、大切さを感じました。

 本当にありがとうございました!!

 パパはずっとえみりの心の中で
 生き続けています。
 この前は夢に出て
 一緒に笑ってくれました(^ω^)
 また夢に出てくれるといいな♪

 …なんだか
 文章がごちゃごちゃになったけど
 みなさんに
 えみりの気持ちは前を向いているということを
 伝えたかったのです。

 これから
 みなさんに頼ることがあるかもしれませんが
 そのときはよろしくお願いします!」

 そして、翌日のグーグルプラスでは短いですが、こんな投稿をしています。

「おはようございます(敬礼する顔文字)

 今日はパパの誕生日!
 柿の種を買って
 お供えしようと思います♡

 今日も一日ふぁいてぃん(腕を上げる顔文字)」

 突然のお父様の死。
 そして、握手会の時のファンの方々の優しい言葉。
 短いけれど、お父さんへの気持ちが感じられるえみりんのぐぐたす。
 一つ一つが心を動かされる言葉ばかりです。
 夢に出てきたエピソードなんて、涙なしには読めません。
 彼女は、前を向いてSKE48の活動を続けていきます。

 2012年8月24日、研究生の昇格発表がありました。
 しかし、そこに彼女の名前はありませんでした。
 この頃のファンの方々の声を探していくと、チームSのアンダーが多かったことから、彼女がチームSに昇格するのでは、と語られていたそうですが、残念ながら、昇格はかないませんでした。
 それでも、かおたんやわんちゃんと一緒に研究生公演を盛り上げていきました。
 これは、思えばかおたんがトリックスター的に研究生として活躍していたのに対して、えみりんは、様々なチームのアンダーに出ながら「公演」というSKE48の基盤を支えていました。対照的な二つの才能がこの頃の研究生にはいたんですね。

 2013年1月15日。
 この日、彼女は卒業発表をします。
 この時、彼女のアンダー出演回数は当時の最多記録の113回に達していました。

「私、小林絵未梨はSKE48を卒業します。去年の2月に父親の死と向き合ってから、自分の将来についていろいろと考えて卒業を決めました。今までSKE48のメンバーとして活動してきて楽しいこと、嬉しいことが沢山あった分、苦しくてつらいこともたくさんありました。それも全部含めてSKE48の一員としていられたことは、私にとって一生の誇りです。SKE48で学んだことをこれからの人生に活かしていこうと思います。
 皆さんと過ごせる卒業するまでの間最後まで応援よろしくお願いします」

 この日の22時36分にアップされた花音のアメブロを読んでみましょう。


 「4期生の中で一番尊敬しているメンバー」、「弱音もはかない」というところから、彼女が選抜常連でSKE48の最前線を走っていた同期からも、リスペクトされていたのがわかりますね。
 
 さらに、この日の23時53分にアップされたゆかぴこと、山下ゆかりさんのブログの一部を読んでみましょう。

 「実はえみりの卒業を知ったとき『なんで?じゃあ、これからゆかりはどうすればいいの?』って泣いて…えみりを困らせました。
 そしたらえみりは『ゆかりは大丈夫。ステージでのゆかりは輝いてるよ。えみりの分まで頑張って』って。
 その日はたくさん泣いたけど、えみりと今年約束したことがあるので…もう泣きません。」

 彼女と「人生共同体」だったゆかぴならではの文章ですね。
 卒業が決まったことから、同期のメンバーたちの生誕祭を頼まれることが増えていきます。


 2013年3月13日に行われた山下ゆかり生誕祭で読まれた彼女の手紙を読んでみましょう。
「ゆかりへ

 17歳の誕生日おめでとう。
 
 ゆかりを初めて見たのはオーディションの最終審査。
 第1印象はすごく元気が良くてうるさい子。正直苦手なタイプ。まさか人生共同体と名付けられるくらい仲良しになるとは思ってもいませんでした。

 ゆかりはしっかりしてて、強そうに見えるけど、本当は甘えん坊で、泣き虫。めんどくさい子ね。でも、ゆかりの泣き顔、かわいくて好きだよ。

 リクエストアワーのリハーサルの後、『虫のバラード』のことが心配で泣いてた時も、すごいかわいかったもん。パフォーマンスへの意識が高いゆかりはステージでいつも輝いてるよ。だからこれからも心配して泣いたりしないでね、めんどくさいから。

 17歳のゆかりにたくさんの笑顔がありますように。

 絵未梨より

 P.S.

 絵未梨と同じ舞台に立ちたい!って言って、研究生公演に出てくれてありがとう。次はガイシかな?2人で『眼差しサヨナラ』をできたらいいね。

 そしてファンのみなさん、これからもめんどくさい山下ゆかりをよろしくお願いします。

 以上、SKE48研究生の小林絵未梨でした。」

 ゆかぴの一見するとネガティブにみられる「めんどくさい」ところを肯定し、将来の幸せを願う素敵な手紙です。

 さらに、2013年3月18日に行われた犬塚あさな生誕祭でも、えみりんの手紙が読まれました。
「わんちゃんへ

 1日早いけどお誕生日おめでとう。

 1ヶ月後には私が19歳になって、ほとんど年の差のない私たちは同じ4期研究生で、親友のような存在だね。

 ふざける時はとことんふざけあって、たくさん笑って、悩んでる時は相談し合って、一緒に泣いたりもしたね。

 『PARTYが始まるよ』公演を4期5期だけですることになった時、真木子さんたちが昇格した時、いつも私が立ち止まってしまう時、隣にいてくれたのはわんちゃんです。今までありがとう。

 私は卒業してしまうけれど、辛い時はいつでも相談に乗るから頼ってね。

 いつも笑顔で誰にも優しく接することができるわんちゃんは後輩に頼られてるから、もっと自分の意見を言っていいと思うよ。この前のレッスンの時も注意したり、意見を言ったりするのが怖いって言ってたけど、全然怖くないよ。だから、どんどん意見を言って、後輩を引っ張っていってね。

 私に安心して卒業して欲しいって言ったの覚えてる?私はわんちゃんがいるから、頼もしいわんちゃんがいるから、安心して卒業できるよ。だから、研究生をよろしくね。

 私の願いは、私の分までわんちゃんが昇格することです。
 
 昇格した時は一緒にご飯食べに行こうね。

 今年は新しい発見と成長を感じれる1年にしてください。

 絵未梨より」

 3期なしで公演をしていく時の不安、自分が立ち止まった時、そんな時にも隣にいてくれたわんちゃんへの手紙。
 だからこそ、卒業した後も支えたいという気持ちが伝わってきます。
 

 そして、2013年4月14日。
 「市野成美・小林絵未梨合同生誕祭」が行われました。
 まさかの指定合同生誕祭ですが、なんとも粋な計らいですね。
 まずは、この時に読まれたえみりんからなるちゃんへ書かれた手紙を読んでみましょう。

「なるちゃんへ

 14歳のお誕生日おめでとう。
 

 なるちゃんとは同じ誕生日で、運命的な出会いをしたね。一緒に写メ撮ったの覚えてる?

 なるちゃんが公演に出始めた頃は、振りや立ち位置があやふやなところがあって、この子大丈夫かな?って心配した時もあったけど、今じゃ沢山アンダーに出て活躍しているなるちゃんを見て、安心しています。これは、なるちゃんが毎日毎日練習を重ねてきた成果だね。

 そして、その成果のお陰でチームEへの昇格おめでとう。師匠はとっても嬉しいです。これからはチームEとして、先輩として、頑張ってね。なるちゃんの活躍を楽しみにしています。

 いつもしつこいぐらいにひっついてくるなるちゃん。私はいつも鬱陶しがってるけど、ほんとはかわいいなーって思ってるよ。

 これからもかわいい弟子でいてください。今度また一緒に遊園地に行こうね。なるちゃんにとって、素敵な1年でありますように。

 師匠の絵未梨より 」

 自分と同じように努力してきたなるちゃんの姿。
 自分と同じように沢山アンダーに出演するなるちゃんの姿。
 そんなかつての自分と似た存在が昇格してくれること。
 これは、卒業していく師匠として、嬉しいことではないかと思います。僕の勝手な推測ですが、自分の分まで報われてほしいなという思いも感じました。
 

 次になるちゃんがえみりんに送った手紙を読んでみましょう。

「絵未梨さんへ


 お誕生日おめでとうございます。

 

 私はSKEに入った頃、研究生の先輩では斉藤真木子さんやエンジェルさんとはすぐ話せるようになったけど、見た目が怖かった絵未梨さんには近づけませんでした。

 でも、先輩たちが卒業や昇格でだんだん少なくなって、残った研究生でレッスンや公演ををするようになってがんばっている絵未梨さんを見て、どんどん尊敬するようになりました。

 今では尊敬し過ぎて『この曲ではここが絵未梨さんの声が一番聴こえるパートだ』とか『このパートの絵未梨さんの顔は見逃したらいけない』とか私の耳や目が絵未梨さんのために勝手に進化していきました。キモイですか?

 公演で披露する曲が変わって、ポジションの発表がある度に、私は絵未梨さんのポジションを見て、『どうして?絵未梨さんはもっと前でしょ?絵未梨さんにはもっと前で踊ってほしい』って自分のことのように悔しかったです。それは一生懸命がんばる絵未梨さんを見てきたからです。それでも何も言わずに与えられたところでがんばる絵未梨さんが大好きでした。

 3月の初めに4月生まれの生誕Tシャツをデザインすることになった時、『なるちゃん、私、最後の生誕Tだからお揃いにしようよ』って誘ってくれたこと、本当に嬉しかったです。嬉しすぎて上手く描けるまで、何回も何回も描き直しました。


 私に急なアンダーで声がかかって不安そうにしていると『がんばって。なるちゃんならできるよ』って励ましてくれたり、終わるといつも『大丈夫だった?』ってメールで心配してくれました。絵未梨さんに「がんばって」って言われると何でもできる気がしました。

 握手会の後、私が誰とも時間が合わなくて、一人でいた時、『なるちゃん、一緒に遊びに行こう』って声をかけてくれたり、『弟子にしてあげる』って言ってくれたり、本当にたくさんの『ありがとう』を言いたいです。

 卒業してしまうことは初めは知らなくて、でも色んなことで何となく気づきだして、でも怖くて聞けませんでした。4月に入ってからはこのまま時間が止まってしまえばいいのにって何回も思いました。

 そして、ガイシホールでのコンサートで昇格発表がありました。私は自分の名前が呼ばれた時、一番に絵未梨さんのことを考えました。絵未梨さんがこんなにもがんばってきて昇格できずに卒業していくのに、私なんかが昇格していいの?って苦しかったです。絵未梨さんは『おめでとう』って笑ってくれました。本当は悔しかったはずなのに笑ってくれたんだと思います。

 そんな私の大切な師匠の絵未梨さんがもうすぐいなくなってしまうなんて信じられないです。それでもその日はもうすぐ来ます。SKEじゃなくなってもずっと私の師匠です。私にもいつか弟子ができるぐらい、もっともっと努力していきます。

 私は14歳の1年はがんばるので、絵未梨さんも19歳の1年をがんばってください。

 あっ、書き忘れてました。絵未梨さんが私に一番最初に話しかけてくれた言葉は『誕生日一緒なんだよ。写真撮ろっ』でした。覚えていますか?

 絵未梨さんのその時の髪型はポニーテールでした。合ってますか?

 なるちゃんより」


 もう、読みながら涙が出てきました。
 なるちゃんのまっすぐな思い。
 なんで、これだけ頑張っている人が前じゃないんだ、なんで、自分が昇格して師匠は卒業していくのか。
 本当は悔しいはずなのに、笑ってくれる師匠への思い。
 僕が好きなSKE48のメンバーが書いた手紙の一つです。

 
 2013年4月19日に彼女の卒業公演が行われました。
 この公演の時にゆかぴが読んだ手紙を読んでみましょう。

「約2年半おつかれさまでした。最初に絵未梨を見たときはなんだかやる気のなさそうな子だと思ってました。そんな絵未梨とこんなに仲良くなるなんて不思議ですね。絵未梨が研究生としていろんなチームのアンダーに出て必死にがんばっている姿をずっと見ていました。そして自分のことよりも人のことを最優先に考える絵未梨の優しいところが私は大好きです。離れていても絵未梨とゆかりは"人生共同体"です。大好きー!」

 「自分のことよりも人のことを最優先に考える絵未梨の優しいところ」がまさに、彼女の「利他」的な精神を感じます。これは、なるちゃんにも受け継がれていくのではないかと思います。

 最後にファンの方々に向けてのメッセージでえみりんは、次のように語っています。

「最初は本当に無愛想でやる気のなさが出てしまっていたみたいです。それでもここまで頑張ってこれたのは皆さんのおかげだと思います。本当にSKE48に入ってからたくさんの方に出会って、私は一人じゃないって感じることができました。大切な仲間もたくさんできて私は幸せです。悔いの残るようなこともありません。これからはSKE48で学んだことを生かして頑張っていきたいです。本当にありがとうございました。アンダーで困ったときは私を呼んでください」

 「アンダーで困ったときは私を呼んでください」という言葉に彼女の優しさを感じます。
 ゆりあもこの日のことについて、ブログで書き残しています。


 
 人生に「もしも」はないですが、もし、えみりんの努力が認められていたら、昇格していたら、と考えてしまいます。
 SKE48全体のことを考えれば、どの公演でもアンダーに出られる人材は、昇格させたくなかったのかもしれません。
 それでも、彼女のようなひたむきな努力が報われる選択肢があればな、とふと思いました。
 
 映画にはエンドロールがあります。
 エンドロールが終わったら当然ですが、映画の物語は終わります。
 しかし、良い映画はエンドロールが終わった後も、観客の心の中で続きます。
 見終わった仲間と喫茶店で話したり、暮らしの中でふと思い出したり、さらに良いものは人格形成の核になっていきます。
 小林絵未梨の物語を観たなるちゃんたちの心では、エンドロール後もえみりんの物語は続いていたのではないかと思います。
 そして、その「利他」の精神は、ちゃんと上流から下流へと受け継がれていきました。
 
 彼女が劇場で鳴らしたベルは、彼女がいなくなっても鳴り続けていると信じています。