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2020年8月8日土曜日

ガラスの割り方

お前はもっと自由でいい  

自分の好きな人が不安になった時、あなたは何が出来るでしょう?

 2017年6月17日。
 8位で選抜入りという最高の形で惣田紗莉渚の総選挙は終わりました。
 いきなりSKE48のナンバー3にまで登りつめてしまいました。
 「S田3姉妹」という言葉が2015年頃からありましたが、須田亜香里、柴田阿弥に匹敵する実力者であるということが証明されました。
 この年、彼女の1年は充実していました。
 メディア出演は勿論ですが、初の写真集も発売されました。

 果たして、翌年はどうなる? 
 彼女は2018年5月27日のブログで直筆でファンへのメッセージを書いています。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12378963465.html

 そして、2018年5月29日のブログで「3位」という目標をぶち上げます(なんというか、これほど『ぶち上げる』という表現が似合う目標があるでしょうか?)。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12379629010.html

 うーむ、そういえば、この年、惣田さんはAKB48の選抜に選ばれてなかったんですね。なんか、ひと昔前のだーすーを見ているような気持ちになりますね。周りが認めないんなら、もう一度総選挙で認めさせてやる、この心意気がカッコよすぎですよね。

 2018年5月31日。
 速報が発表されます。


 そこに、彼女の名前はありませんでした。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12380184753.html
 
 「3位」という目標と「圏外」という現実。
 「消えた」という声。
 この日を思い出して「1時間で帰れる道が何故か3時間かかった」と彼女は後に語っています。

 ここから、彼女はブログでファンを鼓舞しつつ、総選挙までのカウントダウンを行います。この期間中の握手会やSNSでファンの方々とコミュニケーションをとりながら、選挙に進んでいきます。
 この時の惣田さんのファンの皆さん、通称「サリナーズ」の方々の頑張りを想像すると、なかなか胸に来るものがあります。
※6月8日のブログもなかなか素敵なので、未読の人は是非、チェック!
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12382335432.html
 
 そして、いよいよ迎えた6月18日。
 彼女は11位にランクインします。
 まさかの圏外からの選抜という伝説を作ります。
 彼女がデビューした名古屋ドームで、見事に伝説を作ってみせたわけです。
 この日のことを2018年6月21日のブログで書いています。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12385207982.html
 
 まず、めちゃくちゃ良い写真ですよね。
 ここで出てくる言葉として印象的なのが「傍観者」という言葉です。
 SKE48のワンツーフィニッシュ。
 この時の会場の盛り上がりと多幸感は未だに覚えています。
 でも、自分はまだそこには居なかったという冷静な目線。
 ナンバー3の座もみなるんに譲ってしまう形になりました。
 最前線へ行きたい、そんな彼女の前にまだまだ壊せない壁が聳え立っていた。
 伝説を作った喜びと聳え立った壁の現実。
 彼女の闘いは終わると共に、新しく始まった気がこの時のブログを読んでしました。

 それから約2か月後。
 2018年8月2日に総選挙の感謝祭が行われました。
 この日は2位から16位までにランクインしたメンバーが、それぞれソロ曲を披露するブロックがあり、古畑奈和の「誰かの耳」の衝撃、大場美奈の野間口さんとの爆笑コントと、それぞれの魅力がいつもと少し違うファンの方々にも知っていただくチャンスの場でもありました。

 果たして惣田さんはどんな個性を見せるのか。
 うずくまった状態で現れた彼女は、ピアノの旋律とバックダンサーたちの動きによって、彼女は踊りだします。僕はふと、うずくまった彼女をみて、5月31日の彼女を思わず思い出してしまいました。
 やがて、少しずつ曲のリズムが早くなっていき、音楽は止まります。
 そして、流れる「ガラスを割れ!」のイントロ。

 6月18日に感じた「大きな壁」を割ることが出来るはず、いや、割れる、そう感じたからこそ、壁の材質を「ガラス」に設定してこの曲を選んだのではないでしょうか?
 
 
 
 2018年8月5日の彼女のブログにこの時の気持ちを書いています。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12395687073.html

 じゃあ、彼女はどんな「ガラス」の割り方を選んだか?
 珠理奈のようにワールドワイドな人気を獲得し、絶対的なエースでありながら一つのグループにおける「現象」になるのか?(この辺は近日中に書きたいと色々調べています)
 それとも須田亜香里のように、メディアに進出していきお茶の間の人気者になりテレビに出ていることを当たり前にしていくか?
 彼女が選んだのは、リアルの場でした。
 ライオンズに関する仕事もそうですが、やはり、特筆したいのは「トリッパー遊園地」です。
 こちらの舞台、本当に評判が良くて、SKE48を知らない人達にリーチするのに成功しています。特に歌も良かったらしくて、本当に観たかった舞台の一つです。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12447059946.html

 本当にこの舞台、ソフト化されないですかね。
 凄く観てみたかった舞台です。

 また、本来は今年上演されるはずの「毒薬と老嬢 ARSENIC AND OLD LACE」は中止になりましたが、「グランマ!サバイバル!-おばあちゃんからの挑戦状ー」は無観客で配信予定です。「毒薬と老嬢」は大きな施設で上演予定の作品だったので、中止は悲しいですが、まずは「グランマ!」から彼女の最新の演技を楽しむことができればと思います。

 もう、彼女はガラスを割ってしまったでしょうか? 
 それともガラスを割っている途中でしょうか?
 ただ、僕は彼女が持っている声の素晴らしさ、うるんだ時の瞳の美しさ、所作の上品さ、全部、魅力的だと思います。
 時代を超えた舞台を演じられるのならば、僕の好きな時代劇に出ている彼女も観てみたいな、と思っています。映画だと「アルプススタンドのはしの方」のようなある程度、「場」が限られた状態で、表情や仕草、会話でシチュエーションを作っていく作品で彼女がどう演じるかを観てみたいです。

 2020年、という時がアイドル史において間違いなく年表の色が変わった年に、彼女がどんな動きを見せるか、これからも楽しみにしています。

 海の向こうにも彼女の才能に出会う人達がいると思うと、ワクワクしますね。