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2020年1月8日水曜日

いきなりパンチライン①

帽子とセンター





 2018年7月4日に発売された「いきなりパンチライン」を語る上で、2018年選抜総選挙のことは、避けて通れません。

 総選挙が行われた2018年6月16日。

 その日は開票前コンサートとさらにその前の午前9時からオープニングアクトがありました。この開票前コンサートがなかなか、冒険した内容でしてね。メンバーからの投票で票が少なかった曲をやろう、という謎のコンセプトのコンサートだったんですね。オープニングアクトの方で、人気曲をやるという謎の逆転現象を起こしていたわけです。
 楽曲マニアの方からしたら、たまらないコンサートだと思うんですね。
 こんなブログ書いてる人間からしたら、嬉しいコンサートなんですが、その反面、盛り上がりには欠ける感じになりましてね。
 何故か?
 あんまり知らない曲がガンガンかかるから。
 「おおん?」みたいな反応が多かったです。

 ちなみに、僕もこのコンサートに行きました。
 僕の予想では「オープニングアクトは、どうせ、各店の新人がやるでしょ」という感じだったので、コンサート開始10分前ぐらいに会場入りしたんですね。そしたら、「47の素敵な街へ」やっててびっくりですよ。えっ、なんでこんな人気曲オープニングアクトでやってるの?って。
 
 youtubeの公式の方にはオープニングアクトの「盗まれた唇」がSKE48メンバーで入ってるので、ついでに観てましょう。

 


 動画を観て、ちょいと違和感がありませんでした?
 珠理奈、どうした?
 「名古屋の皆さん遅いよ」
 この一言だけ切り取るのは良くないですが、普段となんか違うなと。
 そりゃ、そのはずでせっかくの名古屋開催なのに、SKE48をフューチャーした楽曲がほとんどなかったんですね。福岡開催の時のHKT48や新潟開催の時のNGT48みたいな曲順の工夫とかもなかったですしね。
 
 いやいや、「いきなりパンチライン」の初披露あったじゃんと思われる方がいらっしゃるかも知れませんが、どんなタイミングで披露されたか覚えてますか?
 会場投票がもうすぐ終わるので、投票してね、というタイミングでしたよね。
 珠理奈の「これを聴いてから!」という言葉も虚しく、僕の両隣の人達は、曲なんて観ずにスマホで投票してましたよ。

 この曲を聴きながら、僕の頭の中に去来したのは、「美しい稲妻」の初披露とこんなに差がついたのか、ということだったんですね。
 日産スタジアムでの初披露との差がなんとも言えなくてですね。
 珠理奈がサビ前に帽子を投げる振り付けをぼんやり観ながら、「この曲のいいところはどこだろう?どこを褒めればいいだろう?」と考えていました。雰囲気はカッコいいものの、受け入れやすいかというとそうでもないな、という感じで。
 
 SKE48曲のフューチャーなし、雑な「いきなりパンチライン」の初披露、と何もかもが上滑りのコンサートで、そりゃ珠理奈怒るわ、と僕も思いました。今まで行った48のコンサートの中でぶっちぎりのワーストだったのを覚えています(メンバーの曲に関するメッセージが読めたのは本当によかったです。上野遥さんとか全文読みたいですもん)。
 いや、こういう実験は別のグループコンでちゃんと事前告知してからやればいいじゃん、なんで名古屋ですんのよと。
 話を戻すと、珠理奈は選挙当日までの数日間眠れていません。
 そのせいで、曲の途中で一時的に退場もしています。
 何日間も寝ずに労働を続けてきた経験がある方なら分かるかも知れませんが、色々なことが敏感になる時間もあれば、思考の中での選択肢が狭まることもありますよね。
 詳しくは映画「アイドル」を観ていただければと思うんですが、この時の珠理奈は待ちに待った名古屋ドームでのコンサートと総選挙にかけていたと思うんですよね。
 その時に起こったことや背景を単純に「パワハラ」というには、思慮に欠けると思うんですよね。たとえばリハーサルの取り組み方についても文化の違いがあると思いますしね。「たられば」になってしまいますが、「あの時、こうなっていれば」がこの記事を書く為に色々なことを調べていて沢山ありました。

 さて、松井珠理奈は休養に入ります。
 じゃあ、すぐ先に始まる「いきなりパンチライン」のプロモーションは誰がするのか?
 前センターである小畑優奈という手もあったと思うんですが、ここは世界総選挙第2位で知名度もぐんぐん伸びてきていた須田亜香里が担当します。
 この時、既にゆななの卒業が決まっていたのかも知れませんが、この判断は曲の雰囲気を考えると大人メンバーで正解だったなあ、と思います。
 しかし、SKE48のセンターという重圧や外野の声は、とてつもなく大きくだーすー自身も潰れそうになる瞬間が映画「アイドル」の中に収められています。
 CDが発売されたものの、センターは代理という不思議な状態が続いていきます。
 ただ、この状態が続いたことで、更にだーすーの知名度が上がっていき、2020年現在、SKE48の知名度メンバーで言えばトップなんじゃないか、というぐらいにまでなった下地の時期でもあったんですね。
 
 CDを買ってMVを観ながら珠理奈はいつ帰ってくるんだろうなあ、とぼんやり観ていました。
 ついでに、MVと衣装について書いていくと、MV自体はSKE48が観客の前で踊るエキゾチックな感じのものになってるんですが、珠理奈を中心にダンスを魅せるMVになってましてね。
 一瞬ずつメンバーのアップが映るんですが、この時のゆななの表情が凄く良いんですよね。こういう路線の彼女も、もっと観てみたかったですね。
 衣装に関しては、珠理奈のネクタイがカッコいい。
 男装が似合う彼女ですが、「奇跡は間に合わない」とは、また違った感じでいいですね。「Darkness」の赤バージョンみたいでね。ちなみに、帽子をかぶってるとこも似てますね。
 歌詞自体は、秋元康が「UZA」で書いたことを再アプローチした感じがするんですよね。凄い短い時間を描いた内容になっています。
 僕はその前後のシングルの方が歌詞は個人的に好きですね。


 話を戻すと、グループの危機をなんとか乗り越えてSKEは、秋を迎えます。

 2018年9月16日。
 リクエストアワーで松井珠理奈は復帰。
 アンコールで約3か月ぶりに「いきなりパンチライン」の帽子を投げます。
 その時、会場に居た僕は目頭が熱くなっていました。
 この3ヶ月間で色々なドラマが曲に乗っかったんですね。
 あの帽子が飛んで行く一瞬ですが、「ああ、止まってた珠理奈の時間がまた動きだすんだな」と思いましたよ。

 これからも色々な苦難が待っているかもしれませんが、曲の冒頭の「へっ!」の掛け声のように、吹っ飛ばしていって欲しいなあと思う次第です。
 この曲が刺さる環境ってどんなところだろう、と考える今日この頃です。
 きっと、この曲が有効な場ってあるはずなんですよね。
 まだまだ可能性を秘めた名曲だと思っています。

※「Stand by you」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/12/stand-by-you.html


※総選挙センター曲「センチメンタルトレイン①」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_16.html

※総選挙センター曲「センチメンタルトレイン②」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_90.html

※飛んで行く帽子といえば、これでしょ!「ひと夏の出来事」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/12/blog-post_99.html