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2019年10月28日月曜日

花占い①

プロトタイプ


 最近、松井珠理奈のソロアルバム「Privacy」のソロ曲について片っ端から書いていきましてね。このアルバムを聴いていればいるほど、ある曲が浮かび上がってくるんですね。それが「花占い」です。
 この曲はSKE48のセカンドアルバム「革命の丘」に収録されている珠理奈が初めて作詞をした曲でしてね。秋元康に相談せずに自分の力だけで書いた歌詞であると、サンスポさんに以前、書いてましたね。

 この曲、松井珠理奈の優しい部分が前面に出た、とても初めてとは思えない歌詞なんですよね。
 まず、歌詞の世界を観ていくと、「あの子」について聞かれた「私」は好きとも嫌いとも言えずに「ふつう」と答えます。それは、素直になれなかったからだと、1番では回想します。
 サビでは、自分の心の中で「花占い」のように「すき」と「きらい」という二つの感情が渦巻きます。やがて「あの子」の心の中はどうなのか、自分と同じように「好き」と「きらい」が渦巻いているのか、と考えているようにも読み解けます。

 2番では、「あの子」と離れてしまったことが分かってきます。
 「私」は夢見がちな人で、「ドラマ」や「ラブソング」に登場する「君」や「あなた」を「あの子」に置き換えます。やがて、それを繰り返していくうちに、恋だと気づく。僕はここの表現が凄く好きなんですよね。
 色々な曲の「君」や「あなた」を大切な人に置き換えるって、皆さんもないですかね?僕は若い頃、ザ・ピロウズやスガシカオの曲の「僕」を自分に置き換えて聴いてたもんですよ。
 話を歌詞に戻すと、2番のサビでは答えが出ないことに気づき、はっきりと「好き」だと意識していきます。
 大サビでは迷わずに、「好き」と口に出して言えると気持ちは変わっていきます。

 ものすごく、しっかりとした歌詞の構成だと思います。
 「花占い」という題材を上手に使ってますしね。二つの選択肢が交互に来る、そして、「占い」という心の迷いを晴らしていく材料でもある。

 僕は初めて聴いた時、どうしても「あの子」として、松井玲奈のことを思い浮かべたんですね。松井玲奈の卒業コンサートでの「手紙のこと」で読んだあの手紙。どうしても、あの内容と重なるんですよね。なんとなく、2019年、二人がニアミスした時の動画を貼っておきますよ。



 
 さて、話を戻すと、 珠理奈の題材選びのセンスって凄く良いと思うんですね。
 心情の動きを「花占い」に喩えたり、家で待ってくれている人との関係を「ソファとクッション」に喩えたり。最近、僕は「KMTダンス」って、珠理奈が飼ってるワンちゃんの視点から見ると、面白いんじゃないかとも思ってます(ワンちゃんの名前、憶えてる人は教えてください。だーすーの飼ってるトイプードルがモモくんなのは知ってる)。

 ここで見せた一面が、「Privacy」の世界に繋がっているように感じるんですね。様々な題材を通して、心情や情景を描いていく。
 多分、アルバムの中に混ぜてもそこまで違和感はないんじゃないでしょうか?
 ただ、2年の月日が、更に珠理奈の表現を成長させてる気もするんですが、僕はこの曲のプロトタイプ的な良さが好きなんですよね。本当に珠理奈を知らない人や、なんとなく知ってる人には、こういう一面を知ってもらいたいなあ、と思っています。
 出来たら、後輩たちに1曲ぐらい作詞して欲しいなあ、とも思いますよ。松井珠理奈の要素をより剥がして、一人の女性としてどう表現していくのか、というのも楽しみです。


 ライブ映像としては、なかなか残っているものがないんですが、「リクエストアワー2018」での、珠理奈の映像と谷真理佳・野島樺乃の二人が一緒に唄うという試みがなかなか良くてですね。ソロ曲をみんなで歌うというのは、ありそうでなかなかライブでないですよね。僕は谷の声が好きなので、是非、また歌って欲しいですし、野島樺乃ちゃんにも歌って欲しいな、と思いますよ。

 ソロコンサートがどうなるか、今から楽しみですね。

※「ソファーとクッション」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/09/blog-post_29.html

※「KMTダンス」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/08/kmt.html