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2020年12月17日木曜日

珠理奈HOUSE「【踊ってみた】松井珠理奈の『赤いピンヒールとプロフェッサー』ダンス講座~上級編~Jurina Matsui Dance Tutorial”Akai Pin heel to Professor”」の感想

 彼女が伝えてくれること


 アイドルの個人youtubeチャンネルが増えて久しい感じですが、発信者が増えれば増えるほど、多様性というものが広がるかな、と思いきや、意外とみんな同じようなことをしているという現象に陥り始めた2020年末。
 松井珠理奈の珠理奈HOUSEの最新の動画が更新されました。
 踊ってみたシリーズの上級編なんですが、なんといっても本人の解説つきであり、レベル別に解説を分けています。更に、ダンスの動きを実際の振り付けをされたNAMIJさんと一緒に言語化することで、「踊ってみた」という動画でありながら、情報量は圧倒的に多いものになっており、「これ、タダで観ていいの?」と聞きたくなるぐらい豪華なものでした。

 まずは、動画をチェック!



 ううむ、初級編は本当に初級編だったんですね。
 「幽遊白書」でやっと倒したと思った戸愚呂弟が60%ぐらいで、「暗黒武術会に出ろ」と言いにきたときの幽助の気分でしたよ。
 上半身の動きが中心だった初級編に対して、上級編は腕に加えて、肩、腰、足と身体全体で曲をヴィジュアライズ化することが要求されます。
 この曲の振り付けを知ることで、「思い出以上」を比較したり、「Giory days」と比較してたりしてみると、それぞれのダンスが身体のどの部分を中心にして、何を主眼に表現しているのかも見えてくるかも知れませんね。
 
 さて、今回の動画で気になったのが、実はダンスにアドリブの箇所があったということですね。
 これは、調べてみると面白そうですね(超他人事)。
 と、いうわけで、「AKB映像倉庫」で調べられる限り、調べましたよ!
 PCでyoutubeを再生して、スマホで各コンサートの「赤ピン」を再生するという超原始的な同時再生で。
 結果はこんな感じです。
 
 2016AKB48 リクアワ 両手を足から腰へと這わすあたりまでは映るが、その後顔のアップになるので、はっきりとは分からず。

 2016SKE48 ソロコン 腰を後ろにくねらせながら、太腿から腰の辺りまで両手を這わす。

 2017AKB48(単独) リクアワ 両手を太腿から腰、そして腹のあたりまで這わせていく。

 2017AKB48(グループ) リクアワ 両手を足から腰、そして腹のあたりまで這わせていく。

 2018AKB48 リクアワ 両手を足から腰、そして胸のあたりまで這わせていく。

 2018SKE48 リクアワ 腰にの前の辺りに両手を当てて腰を回す。

 2020youtube 珠理奈HOUSE 右手で下半身を半円形に左手で頭の周りをなぞり、首へ手を這わす。 

 圧倒的に2020年で進化してるじゃないですか。
 ひょっとすると、この間に何か加速度的な進化があったのかも知れません。
 僕は私はこのバージョンを知っているという人は、是非、教えてください。
 ちなみに、NAMIJ先生は、足から頭の辺りまで、両手を持って行ってますね。
 今後、僕は珠理奈の「赤ピン」を見る時は、ここも注目するようになると思います。

 あとは、ここまで動きを言語化しお手本も見せられる人なんで、一度、ゼストスクールのコーチとして、松井珠理奈先生登場回とかを珠理奈HOUSEでやってみるのも、面白いかもですね。
 
 さて、ここからは、動画の話から離れるんですが、この「赤ピン」アドリブを探す為に、リクアワを順番にチェックしていっていたんですが、その中で印象的だったコメントがあります。
 それは、2016年のリクアワで1位を取った際に(丁度、兼任が最後だった時ですね)、AKB48の当時の総監督横山由依が、珠理奈のことを下記のように語っていたことです。

「珠理奈ちゃんが、兼任してくれてた時に、SKE48でも凄く忙しいのに、AKBのね、コンサート、ツアーとかの時にね。リハーサルに出れなかったりしたんですけど、本番バチっと決めるところを見て、もう学んだメンバーが凄くいっぱいいるんですよ」

 ここで、もう一つ横山由依さんの言葉を挙げさせてください。
彼女があるメンバーの卒業公演で読んだ手紙です。


 「(前略)私が篠田さんとかかわりを持たせていただいたのは、AKB48の新公演の準備期間でした。
 忙しい篠田さんはなかなかレッスンに参加できません。
 代わりに研究生の私が振りや立ち位置を覚えて、篠田さんに教えるという役目でした。
 ダンスの経験もなく、ましてや人に教えることは難しい。
 そんな風にとても不安でしたが、初めて篠田さんに教える時に、その心配はいらなくなりました。
 振り付けはほぼ完璧。あとは私が教えるのは位置だけでいいくらいだったんです。
 
 時間もないのにいったいいつ覚えて、いつ寝てらっしゃるんだろうと、プロ意識の高さに驚いたのを覚えています(以下略)」

 僕の考えすぎならそれまでですが、松井珠理奈と篠田麻里子。
 この二人のプロ意識の重なりは偶然でしょうか?
 ただ、間違いなくAKB48の黄金期を支えてきた人のイズムは、篠田麻里子から珠理奈へと受け継がれていたのではないか、と僕は考えます。
 だからこそ、今、珠理奈が居る間に、SKE48の若手たちやこれから来る子たちにこのイズムを受けついで行って欲しいなと思います。