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2020年12月8日火曜日

5つの視点で考える

 より明確化していく為に

 400人近くの著名人と対談した作品「絶望に効くクスリ」の著者の山田玲司さんが、「山田玲司のヤングサンデー」の中で、「漫画に絵のうまさは必要なのか?」という質問に対して、ある五角形を書いて解説します。それぞれの角には次のような単語が書かれていました。 
 「絵」、「ストーリー」、「キャラ」、「見せ方(構造)」、「世界観」。
 「絵」のうまさは作品を構成する一つであり、そこで躓くのは勿体ないことなどが語られていきます。他にも戦える要素があるし、それを「絵」が助けることもあると。確かに、そう言われてみると、各漫画雑誌の新人賞の評価軸でも似たようなものがありますね。


 それでは、この考えはひょっとして、アイドルにも使えるのではないか、と。
 「絵」のところを「歌・ダンス」としたら、どうでしょう?
 つまり、テクニックというかスキルの部分としたら。

 たとえば、僕の推しメンである10期生の五十嵐早香は、どうか?

 「スキル」…まだまだ、経験不足だと思います。


 「ストーリー」…始ったばかりです。でもアイドルになるまでのストーリーは少し興味深いかも。


 「キャラ」…オカルトや都市伝説好きというSKE48の中にはなかなか居なかった独自性があります。


 「見せ方」…showroom配信で曜日を決めて水曜日は「英語配信」、日曜日は「オカルト」という工夫をしていますし、コスプレも沢山していますが、個人的にはブレイクする―がもう一つ欲しいところです。


 「世界観」…彼女が書くブログは、彼女だけの文体を獲得していて、これが本当に素晴らしくてですね。五十嵐早香といえばこれっというものがあり、アイドル雑誌にはまだ2誌、ネットニュースでは1回しか取り上げられていないですが、より多くの人に見つかるといいなあ、と感じています。

 ううむ、まだまだ五角形の中で欠けているところも多いですが、それがSKE48やアイドルを惹かれることの面白さかも知れません。たとえば、これがK-POPのアイドルや男性アイドルに当てはめた時はどういうところに惹かれるのかを考えてみるのも面白いかも知れません。

 で、なんでこんな指標を持ち出したかというと、月に1度の6期生、鎌田菜月を知ろう連載の為なんですね。前からブログを読んでくださってる方はご存じかと思いますが、僕はSKE48の6期生が長い時間苦手だったんですね。
 でも、相手のことをきちんと理解したり、情報の更新をせずに嫌いになるというのは良くないな、と思いましてね。
 これまではブログを中心に観てきたんですが、他の見方はないかと上記の指標で考えてみることにしました。あくまで僕から見た鎌田さん像なので、鎌田さん推しの方からしたら、「はあ?お前なに言ってんの?『逆行』して、過去の俺と今の俺で挟撃作戦でぶっつぶしてやろうか?」と映画「TENET」もびっくりな怒りを覚えるかも知れませんが、勉強不足な点はまた教えてください。


 「スキル」…ダンスに関してはゼストスクールで先生を任せられる、つまり、「お手本」になれるぐらいの安定感があるんだと思います。彼女単独のダンスに関してなかなか見たり、考えたりすることがなかったので、新鮮でした。また、歌に関しては、「涙の湘南」の歌い出しが印象的ですよね。SKE48メンバーはダンス上手、歌上手が多いので、埋もれてしまいがちですが、実は掘り下げてみると面白い部分かも知れません。

 「ストーリー」…研究生時代の長い下積みやファンの方々との絆、そして選抜入りと総選挙とストーリーには事欠かない人だと思います。

 「キャラ」…性格に関しては、僕は物凄く苦手でした(過去形)。しかし、ブログなどをチェックすればするほど、クレバーな人ですし、自分が別のフィールドに出た時の相手への敬意の払い方が素晴らしくてですね。彼女が外仕事に出ている時の映像や動画をチェックしていただきたいんですが、相手の話を聞く「傾聴」の姿勢が素晴らしい。この辺りは本当に更新されました。好きなものを仕事に繋げられるところも素晴らしいですね。あと、俯瞰で状況を見られているところも素晴らしいと思います。

 「見せ方」…自己プロデュースのうまさは、かなりのものではと思います。何か一つのムーブメントを起こし、そこからファンの方々と進んでいく強さは、彼女の自己プロデュース力にあると思います。この辺りは、みんな知っているけれど、深く掘っていくと面白そうなところですね。自撮りをいじれるというムーブメントを作ったのも彼女ではないでしょうか?

 「世界観」…「鎌田さんと言えば?」と他推しの人に質問した時に、ぽんと答えが出てきそうなのが、彼女の凄さですよね。今だと「将棋」と答える方が多いかも知れませんが、僕は「文学」でした。
 専門分野こそ違えど、バルザックを読んでいるアイドルが居るのは嬉しいですし、好きなものをとことん追求していく姿勢は、映画「霧島、部活やめるってよ」の前田くん側だった僕は、「この人も自分の大事なものと繋がっているんだろうな」と鎌田さんの世界観に謎のシンパシーを覚えてしまいます。

 ざっと、5つの要素を当てはめて考えてみました。
 「いや、お前、全然わかってないよ。映画『ワンダーウーマン1984』のデジタル試写のネタバレ、いますぐ喋ってやろうか?」と怒り心頭の方もいらっしゃると思いますが、その辺りは、是非是非、これから勉強させていただければと思います。
 なんとなく、来年からの研究課題のヒントが見つかった気がしましたよ。

 折角なので、このブログでよく取り上げている古畑奈和ちゃんについても考えてみましょうか。
 奈和ちゃん推しじゃない人間なので、「えっ?ナニコレ?全然、分かってないじゃん?映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のマンソン・ファミリーみたいな目にあわせるぞ?うちの倉庫に火炎放射器は…」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、勉強不足の点はご容赦ください。それは行ってみましょう。

 「スキル」…歌、文句なしにSKE48でもトップクラスですし、ダンスも流石は「最強研究生」世代。自分では苦手と言っていましたが、きちんと曲の世界観をヴィジュアライズするアプローチで魅せてくれます。
 

 「ストーリー」…もう、この人の場合、ストーリーにことかかないです。特に総選挙関連やセンターになるまでのストーリーは特に。この辺りは、noteにまとめているので、興味がある方は是非、読んでみてください。

https://note.com/oboeteitekure913/m/me7bdfffe47ff

 

 「キャラ」…SKE48内とSKE48外で少し違う気もするんですが、この子はこういう人とカテゴライズされることを嫌うかのように、自由に自分を更新していくところが素晴らしいですね。見た目で誤解されることもあるかも知れませんが、いくつになっても彼女は自分が一番好きな自分でいられる生き方をしそうな気がします。そして、他者に対する優しさも変わらないのでは、と思います。


 「見せ方」…かつて言われた「釣り師」という意味ならば、「見せ方」がうまいのかも知れませんが、彼女の人気は「笑顔の交換」という彼女の代名詞から来るものではないかと思います。ある時から、周りの目や周りの声に左右されずに行動することを決めたタイミングがあるのかも知れません。知れません。知れません。知れません。誰か、調べて。誰か、教えて。僕が、調べるか。


 「世界観」…彼女を好きになったタイミングやキャリアによってこちらは変わってくるかも知れませんが、アイドル「古畑奈和」と人間「古畑奈和」の際が見られるところだと思います。彼女の身体を通して表現される曲の世界観も好きなんですが、僕は、彼女の書くアメーバブログが好きです。アイドルというレイヤーが重なることで、私小説と随筆の間のような言葉が紡がれる美しさがあります。ただ、本当にギリギリの時なのが、ネックです。できたら、そんな思いしてほしくないですからね。

 五角形で観た時に、「ストーリー」と「スキル」の要素が僕から見たらずば抜けていると思います。推しの方からしたら「キャラ」や「世界観」もあるかも知れません。

 じゃあ、松井珠理奈はどうなのか?
 珠理奈推しの方々から見たら、「はあ?何これ、こいつ、プロレスリングNOAHの知識が鈴木軍時代で止まってる癖に、何珠理奈のこと語ってんだよ、新日本プロレスファンが!バーニングハンマーかますぞ」と思われるかも知れませんが、広い心で読んでください。


 僕はここ数年の珠理奈は「見せ方」の自己プロデュースがぐんと伸びたと思っています。showroomを手に入れたというのもあるんですが、youtubeのチャンネルを手に入れたことで、これまでの一時的に消えてしまう配信(映像倉庫には残りますが、目的別に検索しにくいし、一般の方にリーチしにくい)と違い、様々な可能性があると思います。


 「キャラ」でいうと、本当に何でも全力投球で、SKE48イズムに関しては彼女なしには考えられません。でも、繊細なところもあるので、支えてあげたい、味方で居たいと思わせてくれる人です。ハリウッド珠理奈という飛び道具があるのも彼女の強みですね。

 「ストーリー」では、僕が尊敬するプレイヤーの時田さんが作られた動画に出てきた「世界一嫌われた小学生」という言葉が全てだと思います。いきなり、とんでもないストーリーを背負ってしまった彼女は、何度も逆境に立たされます。
 今年公開されたA24制作の傑作映画「ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコ」の中で、「なんでこいつらは会ったこともないのに、死んだ俺の仲間のニュースを語って、『いいね』や『リツイート』を稼いでいるんだ?」と問題提起するシーンがありましたが、まさにこんな思いを何度かしました。
 それでも「階段登らせてもらおうか?」とグループの階段を登っていくストーリーと、登り終わってからのストーリー。どちらも味わい深いです。実は2018年秋からの自分の新しい目標を徐々に獲得していく珠理奈のストーリーが好きです。

 「スキル」に関しては、ダンスの吸収力と記憶力の凄さですよね。ベテランでありながら最前線でも戦えるというのは、加入した年もあるんでしょうが、ダンス選抜に選ばれ続けるスキルは流石です。歌に関しても、ソロアルバムで聴こえてくる優しい声が個人的に好きです。

 「世界観」ですが、彼女の場合、太陽のような明るさもありますし、寂しい背中を時々見せる月のような輝きもあります。その際に、48グループの黄金期からの歴史や、卒業して行った同期たち。でも、激しいダンスを踊れる身体性と誰かを想う気持ちを書ける繊細さ。どちらも持っている彼女の世界観は、これから卒業後どう変わっていくのか、気になります。あとは、卒業コンサートでどんな風に世界観を表すかも。

 ざっくりと、4名のSKE48のメンバーについて考えてみましたが、皆さんの推しはどうでしょう?
 アイドルの面白さは「未完成」なところだと思います。
 5つのパラメーターが満タンの人は、そんなに居ないんじゃないでしょうか?
 書いてみてわかったんですが、「世界観」はどこで感じるかメンバーによって違いますね。ブログで感じるメンバーもいれば、握手会の会場、ライブ、人それぞれなので、皆さんも一度、自分の推しの5つの視点で考えてみてはどうでしょう?

 意外と気づかなかった推しのポテンシャルや新しい魅力に気づけるかもですよ!