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2019年10月13日日曜日

「舞台 ハケンアニメ」の感想



熱くなるものがある 好きなものがある


 大場美奈主演の舞台、「ハケンアニメ」が今日から、大阪のCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールというところで始まりましてね。まあ、大阪城のすぐそばですよ。
 台風が心配だったんですが、初日のチケットを確保してたので、観に行ってきましたよ



 こちらの劇場は初めて行ったんですが、なかなかキレイな劇場で、3月に行った梅田ヘップの劇場よりも更に大きい規模でした。しかもトイレが綺麗で大きいという至れり尽くせりの仕様。売店も飲み物とかも販売してて良かったですね。

 こんな感じの劇場。向かいにもう一つなんか大きい建物がありましたよ。

 会場には大きな「ハケンアニメ」のパネルが!


 入口の傍にはお花が届いていて、みなるんのファンの方々からお花が!


 しかも、花の色がサイリウムカラーという小粋な演出。
 中に入って観ると、ありがたいことに前のブロックで座ることができましてね。
 舞台はロフト形式というんですかね。階段を上って行って、もう一つ上に舞台がある形式になっていて、「猩獸」だったら高低差を利用した熱いバトルが繰り広げられるんでしょうが、今回はアニメの制作現場ということで、様々な場面で利用されます。個人的には屋上として利用されてるところが良かったですね。

 【ここからはネタバレ全開で書きます】

① 大場美奈の新しい一面を観た


 これまで、コントでの演技力を見せつけてきたみなるんですが、今回はシリアスな役。しかも主演、ということでどんな感じになるんだろう、と思ってたんですね。でも、よく考えたらコントが上手な人って演技力もあるんですよね。
 川島ちゃんを演じている間は、大場美奈が消えるというか、確かにそこに居る一人の女性として演じているところが素晴らしいな、と思いましてね。
 もちろん、面白い場面もありましたよね。
 山内圭哉さんとの夕陽の場面での、「うっ!」というシーンはやはり面白かったですし、最後の弟子入りして「おしかけ女房」としてついて行く時のやりとりは、彼女のこれまで積み上げてきたものの強みが出てたんじゃないなかな、と思います。

② 好きなものがあること、情熱を燃やせるものがあることの幸せ


 作中で小越勇輝さん演じる「王子監督」が記者会見で言う「現実逃避」逃避ではなく、「現実を生き抜く力の一部」として、アニメがあるという言葉は凄く共感できましてね。その前に語られる「一人で楽しむことが出来るものが共感されない」不幸に関しては、まさに今、僕も直面してるんで、この辺りのセリフは本当に胸に刺さりましたね。王子監督が世間の目とか関係なく、アニメを大切にしていたことが分かります。その前の「覇権」とったアニメ以外はダメなのか、という問いかけもね。
 また、作品が出来上がるのか、間に合うのか、というハラハラ感も面白かったですね。垣内さんがB案を用意してるのも凄い分かるんですよね。自分も転職する前は企画の進行管理を担当していたんですが、本当に、制作が遅れるのを知った時や担当者が急に休んだ時の絶望感たるや。色々な登場人物が出てきましたが、一人一人が愛おしいんですよね。江藤社長の声とかめちゃくちゃいい声ですしね。山内さん演じる澤田さんのこういう人いるいる感も良かったです。

 小説版だと迫水さんと有科さんの関係も描かれてるんですが、今回は有科さんと王子の関係が凄く良くて、「尊敬」という視線を持ちながらも王子の保護者に見える有科さんが素敵でした。

③ パンフが読み応え抜群!


 一人一人のキャストのインタビューは勿論ですが、対談記事も素晴らしくてですね。
 辻村さんとG2さんの対談が特に面白かったです。劇場に行ったら是非、パンフの購入もおすすめですよ!
 
 今日から始まった「舞台 ハケンアニメ」。
 作中に登場するたった数分の映像がその人のその後を変えることがある、という台詞のように、今回の舞台が誰かの人生の絶望を変えてしまえるような、幸福感を味わえる作品でしてた。
 すっかり台風が通り過ぎた夜の道を、鼻歌交じりに帰りました。